思いついたので書きました…!
今回は文章だけです🙏🏻
DV🐲×🔝です
⚠️注意⚠️
・ジヨンが酷い
・タプさんが可哀想
・暴力表現あり
・ハッピーエンドです
それでも大丈夫な方はどうぞ⬇️
「──付き合ってるんだ、俺たち」
そう言って、ある日ジヨンが唐突に報告した。
タプさんは隣で小さくうなずいて、ちょっと照れくさそうに笑っていた。その顔はどこか緊張していて、でも確かに幸せそうで。
「マジで!?いや…まぁ、仲良かったけど……え、ガチ!?」
「ま、まぁ……でもいいじゃん。2人とも楽しそうだしさ」
最初はメンバー全員、驚いていたが幸せそうに笑う2人を見るとすぐに祝福した。
スンリはいつもの調子で「やーん!BIGBANG初の公式カップルじゃないですか〜!お祝いしましょう!」と盛り上げ、ヨンベは「長年一緒にいたしなあ、なんか納得かも」と微笑み、テソンは「タプヒョン……幸せそうでよかったです」とそっと背中を撫でた。
でも
時間が経つにつれ、何かがズレていった
***
最初に気づいたのは、スンリだった。
ある日、キッチンに入ってきたタプさんの手首に、薄く赤い痣があるのを見つけた。
「ヒョン、それ……どうしたんすか?」
「……ん?あ、うん。ぶつけただけ、かな。大丈夫」
いつものように笑って答えたけど、手をさりげなく袖に引っ込めたその仕草が、妙にぎこちなかった。
***
次に異変に気づいたのは、テソン。
撮影の合間にタプさんがそっと座って、何気なく首を触った時、シャツの襟元から紫色の痣が覗いた。
「ヒョン……それ、本当に……ぶつけただけですか?」
「……あはは、俺昨日ちょっと、酔ってたから……どこかに転んでぶつけたのかも、」
いつもより声が小さく、俯いたまま何かに怯えるように笑った。
***
その頃から、ジヨンの様子にも変化が現れ始めた。
誰かがタプさんに話しかけているだけで、不機嫌な顔をするようになった。
少しでも他の人と連絡を取っていたら、
「ねえ、誰とLINEしてんの?」
「俺以外と仲良くして楽しい?」
と、声のトーンが急に冷たくなった。
そして最近は、タプさんのスマホのパスコードをジヨンが管理していることが、ふとした会話で明らかになった。
***
「最近のタプヒョン、ずっとビクビクしてる気がしません?」
スンリが小声で呟いたある日、テソンもヨンベも頷いた。
「うん……前よりずっと喋らなくなったよね。目も合わなくなった」
「ジヨンにビンタされたらしいって話も……スケジュールのスタッフがちょっと聞いたらしい」
でも、誰も何も言えなかった。
タプさんが幸せそうに見えたから。
いや、無理にでもそう振舞っているように見えたから。
ジヨンは優しい笑顔でタプさんを抱きしめ、
タプさんはそれに目を伏せて身を委ねる。
「大丈夫」
「俺、ジヨンが好きだから」
その言葉を聞くたびに、メンバーは胸がぎゅっと苦しくなる。
***
ライブの打ち合わせが終わり、みんなでシェアハウスに帰ろうということになったはずだった。
「今日は、たっぴょんは俺の家に来るから大丈夫だよ。」
ジヨンがそう言って、何の迷いもなくタプの腕を掴んだ時、打ち合わせ室の空気が一瞬だけ静止した。
「そっか……気をつけてね。」
ヨンベが絞り出すようにそう返した後、ジヨンはそのままタプさんの腕を引いて部屋を出て行った。背中を見送ったスンリとテソンは、何とも言えない表情で目を見合わせる。
「ねえ、あれ……大丈夫なのかな。」
「……わかんない。でもたっぴょん、笑ってたよ。…ちょっとだけ。」
「そのちょっとだけが、一番怖いんだよ。」
テソンの呟きは、暗く静かに、誰の耳にも残った。
***
ジヨンの家に着くなり、たっぴょんは上着を脱ぐ間もなく、壁に背中を押しつけられた。
「え、ジヨン……?な、なに───」
「ねえ、たっぴょん、さっき……ヨンベばっか見てた。」
「……え?そんな、こと……」
「俺の方なんて、一回も見なかった。どうして?ねぇ、どうして???」
狂気じみた瞳のジヨンは、そのままたっぴょんを床に押し倒し、手首を掴んでのしかかる。
「や、ジヨンやめ、なんでそんな……!」
「たっぴょんが悪いんだ!!!今日だって、俺の隣にいたのに、みんなのことばっか見てたじゃん!!!!」
ぎゅ、と首にかかる圧力。たっぴょんの呼吸が詰まる。
「や、だ…やだジヨン……怖いよ……っ」
「なんで泣いてんの!?なんで!?俺のこと、嫌いなの!?こんなに愛してるのに!!」
「……ちが……っ」
「違うならさ、ちゃんと見せてよ。俺だけを愛してるって……!」
そのまま、タプは何も抵抗できないまま夜が終わる頃には、全身が悲鳴を上げるほどに痛んでいた。肌には無数の跡が残り、意識が飛びそうになるたびに、頬を叩かれて戻された。
優しさなんて、どこにもないのに。
でも、朝になって──
「行こっか、たっぴょん。」
ジヨンは何事もなかったように、穏やかな笑顔で手を差し出してきた。
その目が、昨夜と同じだなんて信じられなかった。
こんなに怖くて、酷いのに。
──嫌いには、なれなかった。
***
「……遅かったけど、何かありました?」
スンリが軽く笑いながらも、タプさんの首元を一瞬見て表情を固めた。
シャツの襟からちらりと覗く赤く腫れた跡。
異常なほど無表情なたっぴょんの顔色。
そして、なぜか妙に機嫌のいいジヨン。
「ヒョン、体調大丈夫……?寝てない?」
テソンの問いに、タプさんは笑うこともせず、小さく「うん……だいじょうぶ」と答えた。
「……ジヨン、さ……」
ヨンベが何か言いかけて、ふと目をそらした。
そこにはもう、何も言えないほどに歪み始めている“恋人たち”の姿があって。
メンバーたちは誰もそれ以上、何も言えなかった。
ただ静かに何もできない自分たちを、
悔しく思いながら。
***
夜のジヨンの部屋は、静かすぎるほどに静かだった。
「…ベッド行こっか。たっぴょん。」
微笑むジヨンの目には、愛とも狂気ともつかない光が浮かんでいた。
手を引かれるままに寝室へ向かう、その一歩一歩が、たっぴょんには地獄に続く道にしか思えなかった。
「や、やだ……もうやだよ……!」
ドン、と突き飛ばすようにジヨンの腕を振りほどいた。
「……っなんでそんなことするの、たっぴょん?」
「なんで、って、こっちのセリフだよ!なんでそんなふうになったんだよ、!」
たっぴょんの声は震えていた。けれど叫ばずにいられなかった。
「前は……前は、もっと優しかったじゃん!!ちゃんと笑ってくれてたじゃん!!!俺、前のジヨンの方が……好きだったよ!!!!」
その言葉が、引き金だった。
「――……そう、なんだ。」
ジヨンの顔から、すぅっと表情が消えた。
「だったら、最初からこうすればよかったね。」
そのまま、キッチンへ向かい、音もなく包丁を手にした。
「たっぴょん、一緒に、俺と死んでよ。」
「や、やめてよ……ジヨン……本気じゃないよね……?」
「なんでわかってくれないの!?俺、ずっとたっぴょんだけ見てたのに!!!たっぴょんが悪いんだよ!!!俺がこんなになったの、全部!!!!!」
叫びながら、包丁を振り上げた。
「や――」
ザクッ。
避けきれず、額の皮膚が裂ける。
じわりと広がる熱い痛みと、視界に滲む真っ赤な色。
「やだ……やだよ……!!ジヨン、お願い、やめて──!」
「ダメ、もう一緒にいなくちゃ意味ないから……」
「……っ!!」
恐怖で抜けた腰を引きずり、必死に後退りをしていると何かが体に当たった。
考える間もなくタプの手が、無意識に動いた。
足元にあった小さな木箱――何かの収納に使っていたものを、力任せに振り上げた。
ゴンッ!
鈍い音がして、ジヨンの体がぐらりと揺れ、そのまま崩れ落ちた。
「……ジヨン……?」
血の気が引いていく。震える手で頬に触れても、反応はなかった。
怖い。
怖い、怖い、怖い。
殺したのかもしれない。ジヨンを。
「…………は、っ……!」
呼吸が乱れ、酸素が入ってこない。視界が霞んでいく中で、震える手で携帯を握った。
「…………お願い……たすけて……」
***
突然電話がかかってきたと思うと、明らかに普通では無いタプさんの震える声や息遣いに、異常を察知したメンバーはジヨンの家へと向かう。
そこにはありえないほど散らかった部屋に力なく倒れるジヨンとごめんなさい、ごめんなさいと永遠に繰り返し繰り返し呟くタプさんがいた。
通報で駆けつけた警察と救急が騒然とする中、ヨンベ、テソン、スンリはただ呆然と立ち尽くしていた。
たっぴょんは血のついた顔と震える体で、言葉を発せなかった。
「……大丈夫、大丈夫だよ。ヒョンは悪くない。」
ヨンベがそっと肩を抱いてくれた。
警察の調べとたっぴょんの証言で、正当防衛として処理され、逮捕には至らなかった。
ジヨンもすぐに命に別状はないことがわかり、今は病院で眠っている。
けれど。
壊れた心は、すぐには戻らなかった。
ジヨンの寝顔を見ても、何も感じられなかった。
たっぴょんの涙は、止まらなかった。
***
「……頭部への衝撃による、一時的な記憶障害です。」
医師の説明に、シェアハウスにいた全員が凍りついた。
「最近の記憶が、丸ごとなくなっている状態でして……特に直近の数か月間については、本人はまったく覚えていないようです。」
その“最近”が、壊れていった二人の記憶だった。
「だから……今のジヨンは、俺にひどいことをしたって覚えてないんだね。」
ぽつりと呟いたたっぴょんに、ヨンベが眉をひそめる。
「ヒョン……行く気?そんなの、まだ心の傷だって───」
「大丈夫だよ。」
たっぴょんの声は穏やかだった。
「ジヨンは、俺にすごく酷いことをしてきた。でも、俺のせいでもあるんだ。
俺が、何も言えなかったから。」
静かに呟くタプを誰も、引き止められなかった。
***
病院の個室。ジヨンは白いカーテンの向こう、ベッドに腰掛けて外を眺めていた。
その背中が、どこか懐かしくて胸が締めつけられる。
「……ジヨン。」
呼ぶと、ぱっとこちらを振り返る。
「……たっぴょんだ」
ジヨンは、嬉しそうに笑った。
あの、優しかった頃の笑顔だった。
「なんか……すごく久しぶりに感じるね、たっぴょんに会うの。」
タプは、何も言えず、ただ黙って立ち尽くす。
“嘘だ”
“こんなの夢だ”
“罠なんじゃないか”
そんな思いが渦巻く中、ジヨンがゆっくり手を伸ばしてくる。
ビクッと肩が震える。
思わず目をつぶる。
あの夜の感覚が、全身を走った。
けれど。
「……たっぴょん……首、怪我してる……」
その声は優しかった。
頬に添えられた手は、柔らかく、震えていた。
「誰にやられたの……?大丈夫……?」
「あ……」
たっぴょんの口から、息が漏れるような音が出た。
「ジヨン……」
涙が、勝手に溢れてきた。
許すつもりなんてなかった。
許せるわけないと思ってた。
でも、今目の前にいるジヨンは、あの優しかったジヨンだった。
「怖かったね。……ごめんね。俺、何もできなかったのに……」
ジヨンが抱きしめてくれた。
壊されて、泣いて、踏みにじられた心が、少しだけ、ほぐれる音がした。
「……ジヨン……」
「うん……たっぴょん……」
窓の外には、少しだけ春の風が吹いていた。
***
病室の外、廊下にこっそり並んでいた3人の男たちは、扉の隙間からその様子を見ていた。
「……あれ……ジヨン、めちゃくちゃ優しいじゃん……」
「なんか……最初の頃に戻ったみたいだね……」
「……まさかあの状態から、ここまで……」
スンリがぽつりと呟くと、ヨンベが複雑な表情で呟いた。
「……たぶん今のジヨンは、自分が壊れてたことも、たっぴょんを傷つけたことも、全部知らないんだろうね。」
「……それって、いいことなのかな……?」
テソンの言葉に、しばらく全員が黙った。
でも、病室から聞こえるたっぴょんの泣き声と、優しく包むジヨンの声を聞いて、ヨンベが言った。
「でも……今だけでも、あの2人が幸せなら……それでいいじゃん。俺たちが、ちゃんと見てるよ。」
スンリも、テソンも、頷いた。
歪なままの愛だった。
壊れてしまった心も、傷ついた過去も、全部が消えるわけじゃない。
けれど――
それでも。
また、2人が心から笑える日が来るのなら。
きっと、それが希望の始まりなんだと思えた。
ここで終了です!!
入れようと思ってたけど入れられなかった後日談だけここに置かせてもらいます…!!
それは、あの事件から数年が経った、ある春の日のことだった。
「たっぴょーん、コーヒーできたよー」
「ん、ありがと」
ソファの上で本を読んでいたタプは、少し笑って立ち上がるとジヨンからマグを受け取った。
部屋の中には、柔らかな日差し。
観葉植物が揺れて、小鳥の声がかすかに窓の外から聞こえる。
まるで、何事もなかったかのような、平和な日常。
けれど、タプだけは知っている。
ここに来るまでにどれだけの痛みと涙があったかを。
ジヨンはまだ、あの狂ってしまっていた頃の記憶は完全に戻っていない。
けれど、愛情だけは確かにタプに向けられていて、
タプも、少しずつ、怖さよりも温かさを信じられるようになっていた。
***
「ヒョーン!ピザ来ましたよーー!!!」
バタバタと玄関からスンリが飛び込んでくる。
「勝手に開けるな!!」
「だって俺もう家族じゃん!?!?」
「それはそうだけど……」
その後ろからヨンベとテソンもやってきて、あっという間にリビングは賑やかになった。
「ジヨン、最近穏やかすぎて逆に気持ち悪いね」
「うるさい、俺だって成長してるんだよ」
「ヒョン最近すっごくたっぴょんに優しいし、ずっと見てるし、なんか……逆に怖い」
「……ちょっと分かります……」
「お前ら、聞こえてるからね」
そんなふうに笑い合う彼らを見ながら、タプは静かに息を吐いた。
「なぁ、みんな……今日、ちょっと話したいことがあるんだ」
「え?」
「改まってどうしたの?」
みんなの視線が集まる中、タプはジヨンの隣に座りながら言った。
「俺さ……そろそろ、あの時のことをちゃんと全部話してもいいかなって思ってるんだ」
ジヨンが、きょとんとした顔でたっぴょんを見る。
「ジヨンはね、あの頃のこと、ほとんど忘れてるんだけど……」
「たっぴょん?」
「でも、俺は覚えてるんだ。あの時の痛みも、悲しみも、……ジヨンが変わっちゃった理由も」
誰も、言葉を挟まなかった。
「……俺、今のジヨンがすごく大好き。優しくて、穏やかで、でもちょっとズルくて、でも俺を大切にしてくれるジヨン」
ジヨンが、少し目を伏せて笑う。
「でもね……それだけじゃ、前に進めない気がして。だから、いつか、ちゃんと全部話して、その上でジヨンに選んでもらいたいんだ」
たっぴょんの目は、まっすぐジヨンを見つめていた。
「俺をもう一度、好きになってくれるかどうか」
ジヨンの瞳が、ふわりと揺れる。
「……何それ、告白?」
「うん。そうかも」
「バカだなぁ、たっぴょんは……」
ジヨンが、微笑んで、そっと抱きしめてくれた。
「選ぶまでもないよ。ずっと好きに決まってんじゃん」
泣きそうになったたっぴょんを、ジヨンはギュッと強く抱きしめて、
「ちょっとみんなの前で惚気ないで貰えます??」
「もう、ほんとに何見せられてるの俺たち…笑」
「2人がラブラブなのはわかりましたから早くピザ食べましょ?」
と茶化しながらも、微笑みながら見守ってくれるみんな。
それは、愛の形が一度壊れても、もう一度作り直せるという証だった。
たとえ記憶が戻っても、2人はきっと大丈夫だと──誰もがそう信じられた。
春の光は、あたたかく、2人を包み込んでいた。
結構長めでしたね…!
多分6500字くらいある笑
めっちゃ話変わりますがTwitter垢作りました
@hubinnkawaii
多分テラーより全然出没率高いです!
落書きとか🔝受けメモとかしかあげる予定ないですが、Twitterの方で仲良くしてくれる方はぜひフォロリク送ってくれると嬉しいです🥲
ふと思いついたやつなので文章ぐっちゃぐちゃだと思うし、全然需要なかったと思いますが、頑張ったので感想くれると励みになります…!
長くて読むの大変だったと思いますが、ここまで読んでくれて本当にありがとうございました!!!
コメント
21件
最高すぎます😭
天才ですか??天才ですね はい ( ?
わぁ、文章書くのうますぎますって、、💖😭 設定がもうね、天才なんですよぉ、👏✨️ リアルで鳥肌たちましたわ、(?)