私は、クラスメイトのみんなの前で一本の棒のように突っ立っていました。
そして、私の隣には先生がいました。
自己紹介というものが、
私の番になってきたのです。
みんなの視線、先生の視線、
その全ての視線は、私に向けてでした。
何かを求めてるかのような、
そんな目で私を見てくるのです。
私は、漫才やコントや一発芸のように、面白いことなど
一切持っていないというのに、期待をしてるような目は、みんな
「─です。」
「大きな音が苦手ですが…」
「一年間、よろしくお願いします。」
普通であろう、自己紹介を終えた。
みんなは私のことを気遣ってくれたのか、
控えめで小さな拍手をしてくれたのだ。
クラスの中で、響かない程度の小さな音…
ああ、このクラス、優しいなあ…
───でも、
決して好きになれない。
怖い、
怖いから。
コメント
3件
良いところがあるのは知ってるけど、どうしても最初の視線が怖い…共感出来る。とっても面白いです!
いいね…好き