この作品はいかがでしたか?
1,305
この作品はいかがでしたか?
1,305
おひさです~
最近書いてなくて鈍っちゃったけどお楽しみください 😭😭
注意
・青水
・白赤表現あり
・R15
・マイナス→プラス
・大人軸
・微曲パロ(2曲ほど歌詞入り交じってるので良ければコメで考察してください😏💗)
ほ「すき、です……
貴方の事をずっと見てて、欲しくなっちゃって……」
い「……あぁ、ごめんやけど。」
『お前とは付き合えない。』
高一の春。
桜がひらひらと舞い降りる暖かい日差しの中、僕たちを纏う雰囲気は曇天の様に暗く、そして重たく歪んでいた。
あれから数年。
彼は根っからのやさしい性格だ。
あそこでダメ押ししていたら渋々と言った感じに付き合ってくれていたかもしれない。
けれどそれを敢えてしなかったのは互いの事を思ったから。
今でも鮮明に頭に焼き付いて離れない彼の瞳、仕草一つ一つの挙動が脳を刺激する。
どんなに誰か他の人と身体を重ねたって心の内はいつも空っぽで満たされる事は無い。
いつの間にか貴方色に染まった僕は哀れな道化の様にこれじゃない、あれじゃないとホンモノを探し続けてる。
彼と身体を共にする事を極上の夢だと信じて、今日も甘い液体に身を浸すの。
それはあまりにも心地よくて、足を囚われたかのように離れることなんか出来やしない。
そんなもう幾度目かの昔話をしょうちゃんと語っていた。
し「いむくんも懲りへんなぁ…」
し「振られることなんて結構多いと思うんやけど……」
ほ「ありきたりって言いたい訳?」
し「まあ、そうやな」
確かにありきたりな話だけど、そんな簡単な事じゃなくて。
グラスに揺れたワインにサラダをつまみながら苦い思い出を飲み干すように喉を鳴らす。
そんな僕を見て柔らかに笑うしょうちゃんの左薬指には煌めく指輪が光っていて、少しばかりの嫉妬に駆られて思わず目を逸らした。
し「でもなぁ、まろちゃんも結構人とか選ぶんやな」
ほ「え?」
し「だって、高校ん時のあだ名ビッチやんか笑
流石に笑ったの覚えてるなぁ……笑」
ほ「あーね、」
基本的になんでもいい、どちらでも構わないというのが口癖だった。
告白されたら付き合って、彼女側が思ってたのと違うって幻滅したら振るを繰り返してきてる。
断られたのは僕が初めてだった。
何故、って気持ちと感じたことの無い思いが心を支配していつしかそれは嫌悪感に変わっている。
いふくんは僕のことが嫌いな人、初めて告白した人。
甘酸っぱい初恋なんて2人の関係にありゃしない。
それ以上でもそれ以下でもなくて、ただただ虚しいだけの気持ちをそっと奥に匿って隠した。
連絡先だけでもって交換したのはいいものの、全く動いていない。
今、彼は何をしているのだろうか。
もしかしたら素敵な出会いを見つけてるかもしれない。
僕のことなんか過去に置き去りかもしれない。
それでも、そんな嫌いな貴方だけど現在もこうして気にしてしまうのはやはり何処か心の奥底で未練たらしく感じているからなのかな。
し「うー、でもまろちゃんなぁ。僕も連絡なんか全然取っとらんし、生きてるかどうかも……」
ほ「いや勝手に殺さないで、笑」
そう笑いながらまたグラスを煽る。
ピロン、と鳴ったメールの「威風」の文字には気付かないふりをして。
ほ「今日はありがとー」
し「うぅん、じゃあ僕りうちゃんが待ってるから」
ほ「うん、りうちゃんにも今度奢らせてね」
し「もぉー、今度は僕たちの番やからいむくんには財布出させませんー。じゃあな笑」
ニッコリといつもの可愛い笑顔を作って手を振るしょうちゃん。
それに笑顔を返してしょうちゃんが背を向けると、居酒屋の扉の前で立ち尽くす。
少し酒臭くなったセーターに顔を顰めて、裾からチラリ見えた赤黒い跡には目を向けないようにした。
ピロン、とまたメールの通知が来て、今度こそ開くと
「今日の夜10時半。〇✕ホテルで」
としか書かれていなかった。
結局そんなもんで、誰も本心なんか見てはくれない。
上辺だけの愛を並べて本当の目的は身体だけ。
セフレ、なんて言葉があるけれど、そんな可愛いもんじゃないこと、自分がいちばんよくわかってる。
けど、断れないのは、それでも許してしまうのは彼が大好きだからだと思う。
既に予約のしてあったホテルに向かい、一足先にシャワーを浴びる。
いつもより念入りに、綺麗に、。
隅々まで洗い流して比較的脱ぎやすいシャツに身を通すとベッドの上でスマホをいじっているいふうくんと目が合った。
彼がそう呼べっていったから、いふうくんだ。
本当の名前、知ってるのに。
どうして偽るのなんて、僕の気持ち、知らないよね。
い「久しぶりやな、笑」
ほ「ぅ、ん。」
そう微笑んだいふうくんはスマホをパタンと閉じてこちらに向かってきた。
既に家でシャワーを浴びていたのか、ふんわりと香る甘い匂いが今日は一段と強く鼻をかすめる。
それに少し赤く染めた僕の頬にするりと手を添えて、まるでテンプレートのようにキスを落とした。
息をしようと開けた口の隙間から温かな彼の舌がグッとねじ込まれて、ツーっと唾液が垂れる。
時折楽しそうに笑う声が聞こえてくるのが心地よくて、つられて僕も口元がニヤけた。
い「っ、ぁんふ、ッ……」
ほ「は、ぁぅ……んぁっ」
何分かそうしているとアルコールを摂取したかのように頭が機能しなくなってくる。
もう何回もしたはずなのに、いつも新鮮で。
今だけは 嗚呼、彼のものなんだと自覚できる気がした。
い「ん、大丈夫?」
ほ「ん、ぅ……大丈夫」
い「ほんまかなぁ……笑」
少し冷たくなった手と手を重ねてそう確かめるように聞くと、ベッドにそっと押し倒された。
これが全ての始まりの合図。
プチ、プチ、っとボタンを丁寧に外されて、はらりと胸元が露になると、既にぷっくりと主張している突起を優しく撫でられる。
甘い声が思わず漏れてしまうのも構わずに、自分のやりたいようにやるのが彼の抱き方。
ほ「ぁ、うぅッ、んぁ……っ」
い「んふ、かわえーなぁ」
青い髪の毛をそっと耳にかけ、目を細めてそう呟く。
窓から射した淡い月光がいふうくんの長いまつ毛に降り注ぐと、きらきらと輝いて見えた。
それに見蕩れている間にも、彼のスキンシップは止まらなくて、いつの間にかお腹辺りには赤黒いキスマークの跡が何ヶ所にもついている。
そんないふうくんに抵抗するように肩をグイッと押してもビクともしなくて、体格の差を少し感じてしまった。
い「そんな、押し倒そうなんて随分えっちな事考えるやん?
まぁ、お前じゃ無理やろうけどな」
ニヤッと唇の端を上げて意地悪く笑う姿さえ様になって映る。
そんな彼が、僕のものになってくれないのがどうしても我慢できなくて。
あっちもこっちも身体を任せてみても、なんでもないの。
だから、高校の頃に泣いた日から、ずっと。
い「ぅ、”ッ…」
ほろほろと何かが崩れ落ちたかのように涙が溢れ出てくる。
それにギョッとしたいふくんはそっと僕の腕を掴んで起き上がらせた。
その間もずっととめどなく出てくる雫はキリがない。
い「ぇ、ぁ、どう、したん…?」
困らせてる、って自覚してるのに。
止まってよ、なんで止まらないの。
そう自分に言い聞かせて、拭っても拭ってもやまない心に苛立ちを覚えた。
騒がしく泣く胸に、誰も気づいてはくれなかった。
だから、ずっと隠してたのに。
これで最後、今日でいふくんと会うのは辞めにしようって決めては自分に甘えて、「またね」って言葉を残す。
そんな口約束でさえも毎度毎度バクバクと五月蝿い鼓動が幼稚で馬鹿らしかった。
ほ「僕しか、いないって言って…ッ”」
い「ッ、ぁ…」
ほ「乱れた心も、抱いてよッ…、”」
ガタガタと強い風のせいで窓が鳴る。
もし、夜を越していふくんの匂いが消えて、1人になったらどうしよう。
そんな曖昧な不安を抱えて今日まで過ごしてきた。
メールをしても、音沙汰無かったら泣いて、既読が着いたら死ぬほど嬉しくて。
既読スルーでも良かった。
いふくんを感じられるなら何でも喜んで受け入れる。
涙で霞んだ視界に深い青が揺れると、もう何度も嗅ぎなれた優しい匂いが鼻いっぱいに広がった。
ぎゅって、抱きしめられたんだって気づくのにそう時間はかからなかった。
サラッと落ちた髪の毛が僕の頬を撫でる。
それが擽ったくて、心が段々と落ち着いてくると、ポタリ、肩が冷たく湿った。
ほ「ぇ、ぁっ…」
い「ごめん、」
い「ほんまは、ずっと気づいてた。」
そう言う彼の顔は見えないけれど、きっとどうしようもないほどの不安で満たされてるんだと思う。
僕だって同じだ。
愛されたいから愛したのに、同じ気持ちは返ってこなかった。
だから、諦めたのに。
今更セフレだなんて馬鹿らしい位置付けに僕を置いて、それでも幸せだった。
いふくんと居れるなら、なんでも良かった。
い「稲荷。」
ほ「ん、なぁに。」
い「なんであん時、俺がお前ん事振ったか知らんやろ」
ほ「えっ、」
ボソボソと拙い声で話し始めたのは思いもよらない事だった。
ほ「ぇ、びょう、き?」
い「おん、ほら。見てみ」
グイッとシャツの胸元を開けたいふくんの左側のお腹には手術痕が残っていた。
痛々しい傷口に眉が下がる。
い「ほんまは、この歳まで生きれん可能性の方が高かったから、もうどうでもいいやってなって、遊んどった。」
い「けど、あん時お前を振った時、あまりにも悲しそうな顔したから。生きて、幸せにせなあかんなぁって。」
けど、お前今のままでも幸せそうやから…なんて零すいふくん。
言葉が出てこない。
ほ「そう、だったんだ…」
い「だから、お前のために生きとるんやよ笑」
頭をかき混ぜるように雑に撫でるの、そういうのに慣れてないようで可愛い。
いつの頃かえっちしながら言った言葉。
そうか、経験、無かったんだ。
今の今で気づく事実に冷静じゃなかったんだなと他人事のように呟く。
ほ「じゃあ、頑なに服脱がなかったのも、」
い「こんなもん見せれるわけないやろ」
不服そうに唇を尖らせて言う。
なんだ、そんな簡単な事だったのか。
ほ「そっか、そっか。ふふ、」
い「あ、?」
ツーっと傷口を人差し指で優しく撫でる。
筋肉質な身体には似合わないけれど、僕のために頑張ってくれたんだと思うと、なんだか複雑だけれど嬉しい。
ひとしきり彼と昔話をしたあと、ちゅっと軽く口付けられて途端にそういう雰囲気に呑まれる。
シャワーを浴びて暖かかった身体は冷たくなってしまったけれど、またいふくんが温めてくれるはずだ。
い「まだ、気持ち変わってへんならさ。俺と付き合ってや」
ほ「ぁ、ぅ、はい!」
い「なんやねん今の間笑」
ほ「いやっ、ちょっと感激というかなんというか…」
い「ふはっ笑」
ロマンチックなんて雰囲気はどこにもないけれど、これが僕たちだから。
あの頃と似た笑顔でそう笑ったいふくんは、世界一綺麗だった。
『埋め尽くして愛』 END
あらすじの方に衝撃の後日談載ってますのでそちらも良ければ🥹↕️
この設定で誰か続き書いてくれませんかーー😭😭😭(爆叫)
コメント
7件
見るの遅くなったけどほんときみはこういう考察バリバリできちゃう系のもとかくの得意よね…私一生書ける気がしないですもん……⬅️ そしてこれも私うらやまなんだけどどうやったら失恋からのはっぴーにできるの?? 毎回やろうと思ってもできないんだよ私😗 青水さん楽しく読ませていただきました今回もごちそうさまです😌🫶🏻とても𝑩𝑰𝑮 𝑳𝑶𝑽𝑬____
コメントありがとうございました🥹 1曲目は【音沙汰ないから帰ったの】や、【乱れ心も抱いて】より ちゃ.ん.み.な.様で「ハiレiンiチ」。 2曲目は【ありきたりな話だけど、そんな簡単な事じゃなくて】や、【なんか似てる】より クリ.ープ.ハ.イ.プ様で「社i会iのi窓iとi同iじi構i成」です🤭 考察等嬉しかったです💗💗 改めてありがとうございました‼️
1曲はハレンチかな、❓ 2曲目は分からなかったです…🥹 投稿ありがとございます‼️ 頑張ってください✊🏻📣