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向井は渡辺への想いを隠しながら仕事している。
現場で会うとドキドキするし、カメラを構えてファインダーを覗くとまたドキドキする。
いけない気持ちだと分かっている。
渡辺に言うつもりはない。
だけど、日に日に想いが強くなる。
現像した写真を見て、がっくり肩を落とす。
渡辺の良さが出ていない。
目黒と一緒の時にはいい顔をしてる。
だから複雑な気持ちになる。
目黒は1番の仲良しで大事な友達だと言った。
2人は付き合ってない。
しかし、渡辺の良さが出るのは目黒の側。
目黒を撮りたいのではない。
しばらくカメラを置いている。
気持ちが落ち着くのを待っている。
そしたらまた渡辺の写真を撮る時がくる。
向井がまたカメラを持った。
今回はデジタルカメラだ。
気に入らなかったら、その場でサクッと消せる。
フィルムカメラに拘ってきたけど、今の自分にはフィルム代を捨ててるようなものだ。
目黒ー楽しみにしてるよ。
向井ーデジカメなんかあかん。けど、今はこれぐらいでええねん。
目黒ーところで、言わないの?
向井ー写真も満足に撮られへんのに、そんなん言う資格ないわ。
目黒ー資格ねぇ。
向井ー言うたらあかんで?
目黒ー分かった。
もう渡辺の耳に入っているとは知らない向井。
1番いい写真を持って、渡辺に気持ちを伝えるつもりなのだ。
だから、今はまだフィルムカメラを持てない。
ちょっと自信を無くしている。
告白は大分先になりそうだ。
目黒ー康二は苦戦してるよ。
渡辺ー俺を撮るだけなのに、そんなに大変かな。
目黒ー康二の気持ちの入った写真だから、頑張ってるんじゃない。
渡辺ーいじらしいと言うか健気というか。
目黒ー康二を気にしてる?
渡辺ー多少はね。
目黒ー上手く収まる事を願ってるよ。
渡辺ー人事だと思って。
目黒ーでも、俺とは変わらず仲良くしてね。
渡辺ー当たり前だ。