−−−ピチャン
肌寒い部屋の中。
慣れない部屋の寒さ。
部屋に響く小さな呼吸音。
この部屋には僕一人だけなのだろうか。
「ハァ…誰か…いないの…」
カチャ キキキィ~
重たいドアの開く音
自分がどういう状況に侵されるのかわからない恐怖に怯えながらだんだんと近寄ってくる革靴の足跡が怖くて漏らしてしまいそうだ。
縛られ身動きが取れない体がやけに痛む
「ハァ…たすけて…」
何も反応がない
お願い。誰でもいい。助けてくれ。
このままだと凍え死んぢゃう、
ドッ!!!
部屋に響き渡る鈍い音
一瞬のことで頭の整理が追いつかない。
痛い。痛い痛い痛い!!
このまま死ぬのか。
まだ僕は17年しか生きてないのに…
あの日の過ちは誰にも許してもらえないのか。
「ぅ゙…、」
ここはどこだ。
「やっと起きましたね。こんにちは。私はここのメイドをやっています。アリスです。」
???
なんだ?思い出せない。何があったんだ。
「えぇーと…ここはどこですか?何故僕はこんな綺麗なお部屋に…?」
「それが私にもわかりません。主人がこの部屋で看病しなさいと、私に命令しましたので。 」
???
聞いてもわからない。僕は誰だ?
思い出せない。どういうことだ。
「…とりあえず主人呼んできますね!」
「は、はい…」
「少々お待ちを。」
こんな豪邸緊張するな。
ふかふかなベット。モフモフな服
う…頭が痛む。
どうしてこんな大怪我を?
コッコッ
「失礼する」
「は、はい!今開けます!」
体が重いながらもベットから体を起こす
ドンッ
立とうとした瞬間僕は地面に倒れた
ガチャ
「大丈夫かい!?」
慌てている育ちの良さそうな男が来た。
僕はすぐ顔を上げた。
「……」
あまりの顔の良さとデカさに 僕は黙り込んでしまった。
「…大丈夫かい?」
「ぁ…はい。大丈夫です。」
「手を貸そうかい?」
「大丈夫です。自分でたてまッ!?」
僕は大きな尻餅をついた。
恥ずかしくて恥ずかしくて顔を真赤にしていると
育ちの良さそうな男はクスクスと笑い出した
「ッ!!酷いです…!」
「ごめん!可愛くてつい」
!?
あまり言われたこと無い言葉に僕は反応に困った
「可愛くないです!助けてくれるなら早く手を貸してください!」
僕は怒り気味に言った
「わかったよ 」
「ひゃッ!?」
僕は男に抱きかかえられた。
こんな体験してこなかった自分には少し恥ずかしかったし、照れた
「辞めてください!降ろしてください!!訴えますよ!!」
僕は必死に抵抗したつもりだが、男には全く敵わなかった。恥ずかしい…。
「よし。どこか痛いところはないかい?」
「大丈夫です…。すみません。あなたは誰ですか?それと何で僕はここに、?」
ただただ疑問だった
「おっと!自己紹介がまだだったね!私の名前はケイトだ。あと何故君がここにいるのか知りたいかい?聞いたら君はすぐ帰ろうとするだろうね! 」
「…?いいから教えてください。」
「君は売られていたんだ。だから私は君を買った。一目惚れさ♡教育しがいがありそうな可愛い生意気そうな顔♡私は君をすぐに買ったよ♡」
ここは漫画の中の話なのか?これは夢なのか?
あー、そういうことか。
「なるほど。これは夢なんですね!やっと理解ができました!それに失礼かと思いますが。僕は一切の記憶がありません。生意気でもなんでもないです。だから、僕を開放してください。」
「開放したところで君はどこに行くんだい?君の行く場所なんてこの世にはどこにも有りはしないよ?君の家族は皆死んでる。7年前の夏にね。君が12歳の頃の話だ!君は家族を殺した。」
は?なにそれ。は?僕が家族を?なんで?
僕は何もしていない。理解が出来ない。
「は?何をいっているんですか、?今何年ですか、?」
「そのままの意味だ♡それに今はーーーー年だ。
君は私に買われて2年もの間目を覚まさなかった。君は今19歳だ。それに今日は君の家族の命日だ♡おめでとう!」
「…は?」
「ロロくん♡さぁ!今日はお祝いだ♡」
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