テラーノベル
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カイドウたちがセグノ少将が率いる海軍と戦い数ヶ月が経った。
この日カイドウたちは昨日壊滅させた海賊団が持っていた財宝を物色しているところだった。
『おい、アルベル!お前顔見られちゃマズイだろ?こんなのどうだ?』そう言いアマガサはアルベルに黒い仮面を渡した。アルベルはその仮面をまじまじと見つめた。
頭に3本、左右に1本ずつ黒いトゲのようなモノがついている。
アルベルは一瞬顔をしかめたが、いざつけてみると案外気に入ったようだ。
『似合ってるじゃねえか』アマガサはアルベルを見てそう言った。
これでアルベルは正体を隠せるだろうそう思っていたその時だった、カイドウが『んん?』と眉をひそめた。
アマガサたちもその方向を向いた。
そこにあったのは海軍の軍艦の姿だった。
『戦闘体制に入れ』カイドウがそうつぶやくとアマガサとアルベルは武器を構えた。
そのとき、軍艦の方からなにか聞こえてきた。
『カイドウ、そして白髪な野郎だけは絶対に捕えろ、こいつらはMADSに送り検査する必要がある、いいな!?』『おう!』それを聞いたアマガサがカイドウに問う。
『なんだ?MADSって?』『Dr.ベガパンク率いる科学者集団だ』それを聞いてアマガサはすぐに納得し、 カイドウは話し終えた直後敵船に飛び込んでいった。
『俺たちが出る必要もなさそうだな』アマガサがそれをみてアルベルを見ると、 『それもそうだな』と苦笑い気味でアルベルは返した。
敵船で暴れて帰ってきたカイドウは戻ってくるなりこう言った。
『MADSの元へ行くぞ』それを聞いたアマガサたちは目を見開いた。
『おい、カイドウ!MADSの元へ行くって敵地にわざわざ飛び込みに行くようなもんだぞ!科学者が大量にいるのなら戦力も相当なはずだ!なのになんで!?』『俺たちの船にも科学者が欲しい』カイドウは相変わらず淡々と返す。
『科学者…』アマガサはカイドウを見てそう呟いた。
(カイドウならやつらと十分戦えるだろう、しかし、わざわざ襲撃しにきたやつの船にのる科学者なんているのか…?)少し不安を抱きながらカイドウの言ったことに了承した。
新世界とある島にて。
『サイエン!この資料はいつ提出するのじゃ!』そう叫ぶのは天才科学者Dr.ベガパンクだった。
『アァン!?うるせぇなクソジジイ!』ふくよかな体型をした男が荒い口調でそう返した。
この男こそが後に百獣海賊団の大看板として数えられるクイーン、またの名をカティ・サイエンである。
その時、一人の子供がサイエンに話かけた。
『お父さん!ご飯!』その子供は水色の髪が生えており、リーゼントヘアーのような髪型をしていた。
この子こそが後麦わらの一味の船大工フランキー、またの名をカティ・フラムである。
『うるせぇ、お前は引っ込んでろ!』サイエンはフラムを蹴飛ばし自分の机に向かった。
その時、研究所のサイレンが鳴り響く、『敵襲、敵襲ー!』職員がそう叫びながら研究室に飛び込んでくる。
『敵は!?』ベガパンクがそう聞き返す、『カイドウです!』それを聞いたベガパンクは『皆、ただちに避難じゃ!』と叫んだ。
その瞬間、蜘蛛の子を散らすように職員が研究室を飛び出していく、それを見たサイエンも『ほら、行くぞ!』ガシッ『えっ、ちょっと、うわぁ!』フラムを抱え飛び出していった。
『そっちはどうだ!?』アルベルがアマガサの方をみて叫んだ。
『門番は片付いたさ!』と研究所内に走っていきながらアマガサは返した。
研究所内ではロボット相手にカイドウが暴れる姿があった。
『おぉ〜すげぇ…!』アマガサはロボットに見惚れていた、アマガサがロボットを目で追ううちにカイドウたちがもっと先に進んでいることを知らずに。
『ハッ…!?』アマガサはとっさに我に戻った。
(マズイ、カイドウたちを見失った…)そう心の中で呟きあたりを見回す。
自分たちが暴れたせいか電気は着いておらず周りは真っ暗だった、ましてや研究所内が、とても入り組んでいるためカイドウたちがどこにいるかも想像もつかない。
『まいったな…』その時、暗闇の向こうから足音が聞こえてきた、タッタッタッタッ、『ねぇお父さんどこに行くの?』子供の声も聞こえてきた。
(研究所に子供…?)アマガサは心に疑問を浮かべる。
タッタッタッタッ…『あ?』アマガサの視線の先そこには子供を抱えた金髪の丸っこい大男が立っていた。
『えぇ〜だ、誰だよお前!』大男は目玉を飛び出させながらそう叫んだ。
『俺はアマガサ!カイドウと共に政府から逃亡している男だ…お前は?』アマガサは大男に問う。
『襲撃仕掛けてきたやつ名乗るやつがいるかよ!?』そう言いサイエンは壁にあった赤いボタンを押した。
プシュー『なんだガスか!?』あたりに煙がまってアマガサの視界を塞いだ。
『クソッ!』アマガサの視界が晴れた時にはもうサイエンはそこにいなかった。
タッタッタッタッ『ゼェゼェ…ハァハァ…確かここら辺に俺が作った兵器が保管してある武器庫があるはずだ』タッタッ『あった!』ガサガサ『見つけたぞベノムガトリングガン』ズドンズドン…サイエンは何かが迫っていると気づき後ろに振り向いた。
そこにはカイドウの姿があった。
『フラム!隠れろ!』そう言いサイエンはフラムを武器庫の棚の後ろに隠した。
『お前を殺して海軍に突き出せば俺も大金持ちだ!ムハハハハ!』そう言いサイエンがガトリングガンを撃とうとした瞬間『フンッ!』カイドウが金棒をサイエンの頭に振り下ろした。
『ゴガッ』その瞬間サイエンは意識を失った。
『ここは…どこだ…』(かすかに水の音が聞こえる…)そう心の中で呟いたサイエンは耳をすました。
『お父さん!』その瞬間サイエンはカッと目を開き、ガバッと起き上がった。
『フラム!大丈夫か!』サイエンはフラム見て叫ぶ。
『うん、お父さんを金棒で叩いたおじさんが僕とお父さんを研究所から連れ出してくれたんだ!』(なにっ!?)サイエンの表情が焦る、その時、『お!ようやく目覚めたか!?』と声が聞こえる、その方を見るとアマガサと仮面をつけた男が酒を酌み交わす姿があった。
『テメェらどういうつもりだ!?』サイエンが声を荒げる。
『俺たちをなんかに利用すんのか!?』サイエンは少し泣きそうになっていた。
『それは俺たちの船長が決める』とサイエンを静止するかのようにアマガサは穏やかな表情で言った。
そこへカイドウが歩いてきた、『お前、名は?』カイドウの問いに対してサイエンは『サイエンだよぉ!なんか用でもあんのか!?』と怒った表情で答えた。
それを聞いたアマガサは『家庭菜園?面白え名前だな』とそれを茶化す。
『カティ・サイエンだよ!!』とサイエンはもっと怒った表情で怒鳴った。
それを気にせずカイドウはサイエンに対し『そのガキは?』と問う。
『コイツはフラム!コイツには指一本触れさせねえ!』意外と子供思いなのだろうか自分のイメージと違ったアマガサは目を見開いた。
だが、ここでアルベルが『さっきからカイドウさんに向かってなんだその態度は!?子供もろとも海に落としてやろうか!?』とサイエンを脅した。
それを見ていたカイドウは『よせ、アルベル』とそれを静止した。
『お前、俺の船に乗れ』カイドウはサイエンをまじまじと見ながらそう言った。
『海賊になんで科学者が必要なんだよ?』先ほどより少し落ち着いた表情サイエンは言った。
『俺はいずれワンピースを取りに行く、そのために力が必要だ、お前の科学力が有れば俺の海賊団はより一層強固なものとなる、もちろん費用は俺が出す』サイエンをそれを聞き少し考えたそして『俺はあんたの海賊団に入る気はない、だが俺はここで自分の科学力を証明し、新世界で名を上げる!ムハハハハ!』そうしてサイエンはカイドウの船に乗ることになる。
それから4年が経ち、サイエンは立派な賞金首となっていた。
『おい、手配書だ!』アルベルが声を上げる。
『どれどれ?』とアマガサがそれを見る、カイドウ17億200万ベリー、謎の黒仮面6億6700万ベリー、アマガサ5億9300万ベリー、サイエン2億3100万ベリー、『よっしゃようやくアマガサの懸賞金を超えた!』アルベルが嬉しそうに声を上げる。
『越されちまったー』口ではそう言うもののアルベルの成長を感じて嬉しいのかアマガサはとても笑顔だった。
また、この日ベガパンクの元にも一通の手紙が届いた。
「ベガパンクへ 俺は自分の科学力を証明するため、カイドウの船にのる、また手配書が出るのを楽しみにしておけ」これを読んだベガパンクは『ふむ、次の研究じゃ!』とあっさり流したらしい。
なにはともあれ、サイエンが仲間になったカイドウ一行はウォーターセブンを目指すのであった。
第2話 完
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