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政務のため、いったん王の執務室へ戻ったナレシュと別れたわたしは、ひとりで王宮の中央広場をあてもなく歩いていた。
レインとナレシュの話を聞いて、『聖女』がなにを求められている立場で、これからどんなことをやり遂げなければならないのかは、なんとなくわかったけれど……。
自分はこの国の命運を握っているのだ、ということがまだどこか実感がわかなくて、さきほどの話を悶々と頭の中で繰り返すことしかできなかった。
……どうしよう。わたし、本当に『聖女』を引き受けてよかったんだろうか。
自分なんかで、しっかりとお役目を果たすことができるんだろうか。
(……わたし、レインやナレシュやこの国の人たちのことを、ちゃんと守ることができるかな……)
考えれば考えるほど思いつめてしまって、ひそかに肩を落としたそのときだった。
「あ、聖女様―――――!」
中央広場を忙しそうにつっきろうとしていたひとりの侍女******
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