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2件
うわぁぁ……凄く好き…

最近没作品が多すぎてせっかくここで活動しているのに世に出さない、と言うのもアレなので、没達をまとめました
⚠️全然途中で終わるものしかない+🔞も含まれるので地雷の方は自衛お願いします
1
「……あぅ、っ…♡、…っん、」
「…ぐち逸、いい加減教えなって」
今日は一際彼の発言が少なかった。確かに彼は元々あまり人と話さない方ではあるが、心を許している人間には饒舌になり嫌味も多く憎ったらしいくらいなのだ。なのに、今日に至っては鈍感なあの音鳴でさえも気付くほどに静かである
疲れている?それとも誰かに何かをされて?
すぐにそんな考えが浮かび上がり、実行に移すまでは早かった。彼はこう言った時、意地でも他人に話さないのだ。例えその相手が恋人である俺だったとしても
「…ねーぇー…俺はお前が心配なんだって。わかる?」
「……う゛ぁう♡ッ……んく、っ、」
「俺こんな無理矢理犯すようなマネしたくないんだけど」
ふるふると首を横に振るだけで、先程から目すらも合わせてくれない彼にイラッときてぎゅ、と掴んでいた手首の力をさらに強くした。今までは言いたくないのならしょうがないと目を瞑っていたが、最近はもう見逃しようもないのだ。
目にクマができていて、痩せ細っていて、それで…
「…ねぇ、なんか今日すっごい無愛想じゃない?いつもだけどさ。俺なんかしたの?」
「…っふ、…♡してなぃ、してない、……ッ」
「じゃあなんで?なんでそうやって目逸らすの?」
「ぅく、…ッ…」
「…….あー…゛…ごめん、言いすぎた?」
それで、すぐに泣くようになった。
精神的なものであることは重々承知しているが、流石にここまですぐに泣かれてしまうと俺でも面倒臭いと思ってしまう時がある。
理由も言わず、ただ1人で泣き、そのうち病み込んでしまうなんてことされたら困るのだ
だからこそ、今回ばかりは見過ごすことができない
「……ぐち逸、一回ちゃんと話そう」
自身のモノをずるりと引き抜き、ぐち逸を座らせる。いつものように交わればリラックスして話してくれるかと思ったが、どうやらそれは違ったようだ。ならばここからは俺が彼自身から聞き出すしかない。しかし今の俺にはそう思うだけで先が思いやられる
第一俺は、メンケアが苦手なのだ。
警察時代は戦闘やら取り調べやらしか行っていなかったせいで相手を傷つける分野の方がどちらかというと得意だし、そもそも人に対して興味を持っていない為尚更そういった分野は不得意である
しかし日に日に衰えていく恋人を見て、仲間を見て、そんな事はもう言ってられない。
昔トピオにした励ましを思い出しながら口を開いた
「……なんでお前がそんなに泣いてるのか、俺に教えるのはイヤ?」
「……っ、…ぅ、」
「………ぁ、……へぇ、… ?…ぁあそう、イヤではないんだ?」
予想外の答えに少々驚きながら話を続ける。
教えるのが嫌ではないなら、手っ取り早い
「じゃあ教えてって言ったら、教えてくれるの?」
「…わからないです、……わからなぃ、……」
「…ふーん、…分からない、ねぇ、」
2
「えー……えーっと……ウーン…こ、怖くないよ〜…」
朝。
毎日隣にいるはずのぐち逸が、今日は違う形で隣に居た。
違う形とは何かというと、ぐち逸はぐち逸なのだが、小さいのだ。あまりにも。
緑やらピンクやらが混ざっていたはずの不思議な色をした髪の毛は、グレー寄りの白一色に揃えられ、きっちり固められているはずの普段の髪型も今ではどちらかというとマッシュに近い形をしていた
本当にぐち逸かと一度疑ったものの、彼にあげたうさぎ人形を握りしめている時点でこの隣にいる男が空架ぐち逸である事は決定した。
そして現在。
イメージ通り幼児馴れしていない俺は、なかなかの悪戦苦闘ぶりだった。無意識に出てしまう圧に毎度怯えられ、部屋の隅に蹲って怖がられている。
ああクソが。警察時代の頃にもうちょっと白市民と関わっておけばよかった
「ぐち逸〜?怖くない、怖くないよ〜…」
必死で笑顔を取り繕うも、彼は元々察し能力が高い。
俺が普段人殺しを仕事にしているという事がなんとなく分かってしまうのだろうか。俺は悪い人間であると言う事も、多分とっくのとうにバレている。
「……ンー…ぐち逸、おまえ今何歳?」
小さくなってしまった彼に背丈を合わせ顔を覗き込むようにしゃがんでみると、一度びくりと怯えられたものの、指で“3”の数字を作ってすぐにふいっと目を逸らしてしまった
「あぁ3歳……3歳ねえ…………自分の名前は?いえる?」
「………そ、そらか、ぐちいつ、さんさいぇす、」
「あは、敬語使えるの?賢いねぇ」
いつもは肩に乗るほどの小ささをしたうさぎのぬいぐるみが、今のぐち逸が持つとなんだか大きく見える。抱きしめる力を強くし、ぎゅっと抱いて下を向いてしまった
「……ぐち逸、俺のこと怖い?」
「………」
絶対にYesと言われると思って冗談混じりに問いかけてみると、ふるふるとゆっくり首を横に振られて驚いた。予想外。大の大人を前にして緊張しているだけなのだろうか
「…怖くないの?強い子だね。俺のうさぎ、いる?」
こくりと小さく頷いたので、俺の肩にいたうさぎを取ってぐち逸に差し出した。ありがとうございますとしっかりお礼を言って、恐る恐る抱き寄せる。3歳でこんなに敬語を使えるなんて。
ますますこいつの過去が気になってくる。
「…あー……お腹空いてない?ホットドッグあるよ」
「……たべぅ、」
ぐち逸に着いてこいと軽く告げれば、うさぎを若干引きずりながらも小さな足で一生懸命着いてきた
その様子がなんだか生まれたての子ガモのように見えてきて、可愛いく思えてくる
「はは、かーわいーやつ」
その後はしっかり朝食を取り、何故か都合よく小さくなっている服を着替えさせてからメンバーに報告するべく街へ出た
「ぐち逸、キンチョーしてる?」
「……」
3
空の主役はすっかり星と月になってしまったこの時間帯、珍しく早帰りする事ができたため、同居人が帰ってくるのを待つべく1人ポツンとスマホをいじっていた
今日あった事の反省メモ、ケインから送られてきたギャング関係の諸々、明日のtodoリストの設定など、やる事が沢山あるのだ。
「…めんどくせー…」
しかし俺は少々気分屋である為、気分が乗らない限りしっかりかっきり集中する事ができないのだ。
ぽい、とスマホを放り投げて、ボフンとソファへ荒く着地する。
というか、ぐち逸はまだか。いつもだったらもうとっくに帰ってきている時間帯なのに。風呂に入って、ゆっくりして、2人でベッドに入って。
いつもの様にそれが出来ないだけで、俺の機嫌はみるみるうちに悪くなっていった。
スマホにも彼からの連絡は来てないし、無線に入り直してみたけれどそこには誰の名前も載っていない
「……」
なにか他のギャングに捕まっているとか。それとも警察に絡まれてたり?いつもならちゃんと連絡してくるあいつが、こんな時間にまでしてこないはずがない。
なにかに突っ掛かり、いても立ってもいられなくて勢いよくスマホを手にして彼へ電話した。
プルル、プルルル…
静かな空間に電子音が鳴り響き、早く出ないかと少々焦りながら電話をかけ続ける。
そして2回目ほどのコールで、ドアの外から小さな電子音が聞こえた。
次第にその音はドアの近くにまでやってきて、何の音かが明確になる。
耳元の携帯から鳴っている音に対して答える音、着信の音楽だった。
やっとアイツが帰ってきた。あったら一度、色々言っておかないと。
そう思って玄関の前まで向かった瞬間、ちょうど扉が開いたと思ったら、素早い勢いでぐち逸が飛びかかってきた。
「ぉわっ」
あまりの勢いにすこしよろめき、それと同時に困惑して彼の顔を伺うと、目の下にはクマ、額には傷跡があり、今にも眠ってしまいそうな蕩けた目をしていた
「…ぐち逸?」
「………れだぁさん、」
「…??、…ぇ、何?」
「……私、頑張りました、きょうものすごく、がんばった、」
「…ぇ、?あぁ、…ウン、?」
「だからほめてくださぃ、えらいでしょ、…たくさんたくさん、がんばったんですよ」
撫でろと言わんばかりに手を掴まれ、それに従いゆっくり手を動かす
「………っあぁそう、…頑張ったの?偉いねぇ、」
「…んふ、」
手にすりすりと擦り寄る様は、まるで猫のようであり、今にも喉からゴロゴロと聞こえそうなほどの甘えっぷりであった。
「どうしたのお前、甘えた?」
「ん、…そうかも、しれません、…今日は頑張ったので、……」
「へぇ。可愛いとこあんじゃん」
他にもまだまだ溜まっているのですが、あまりにも見せられたもんじゃないのでまだマシなこの3つを…!
気が向いたら続きを書くかもしれません
その時は「あ、良い展開ヒラめいたんだな」くらいで思ってくれると助かります…!!
全てリクエスト作品なのですが、なかなか答えられなくて申し訳ない😖