mcfw
本人様方には関係ないです
本編に伏字ありません
knmc『』
fw「」
kid〈〉
kgm《》
knmc side
「………」
『…あの、なに?どうしたのふわっち』
4月某日。
控え室の扉を勢いよく開けるなり僕に抱きついてうんともすんとも言わなくなった恋人に僕はただ混乱するしかなかった
『ねぇ、ちょっと、聞いてる?』
「………」
いくらか疑問を投げかけ会話を試みるが、ふわっちは依然として僕の肩に顔を埋めたまま微動だにしないから早々に諦める
呼吸をする度鼻から侵入してくる酒の臭いに顔を顰めながらもすぐに引き剥がすことが出来ないのは、少なからずふわっちに抱きつかれている現状を嬉しいと感じているからだろう
だが”媚び”の観点では余裕でアウト
僕はとても複雑な心境だった
(2人きりだったらまだよかったんだけど)
と、そこでふわっちよりも先に控え室に到着していた年長2人が異様に静かなことに気づく
どんな顔をしているのか見ることは出来ないが、さぞ生暖かい目で僕らを見ているんだろう
さながらあの青いネコ型ロボット__青いタヌキともいう__のように
ニヤついてんじゃねぇ!!と叫んでしまいたかったがふわっちの耳元で大声を出す訳にもいかず
意外と抱きしめられてる力が強くて身動きも取れない。つまり僕は何も出来ないのだ
どうしたものかと考えていると
〈…あぁ〜なんか僕喉乾いてきたかもぉ〉
〈社長ちょっと着いてきて〉
なんてわざとらしい声が聞こえてきた
お前もう一生劇場名乗るんじゃねぇぞ
《そう…ですね。お二人の分も適当に買ってきますので》
『……ありがとうございます』
そして甲斐田くんと社長は控え室から出ていった
なんか癪だけど、今は2人の気遣いに甘えておこう
《これ私たち剣持さんに怒られないですかね…笑》
〈いやいや空気読んで部屋に2人っきりにしたんだから及第点でしょ!〉
〈嘘はバレバレだったけど〉
《剣持さん声も表情も不服そうだったなぁ…》
《『こっちを見るな!!』って顔してた》
〈アニキに離れろって言うんじゃなくて見るなっていうのがまたね〉
〈媚びのラインが兄貴にだけくっそ甘くなってる〉
《ですよね!それがなんか微笑ましいっていうか…応援したい。ずっと》
〈僕たちで見守っちゃいますか〉
《カッコイイ大人ならメンバーの恋路も応援出来るはず!》
〈あーカッコイイ。それはカッコイイ大人だ〉
『………』
2人が出ていってからというもの、相変わらずふわっちには何も動きがない
「……もちさん」
『うわっ急に喋るじゃん。何?』
「…今日な、いつも以上に指名してくれる姫が多かったんよ」
「嬉しいけど、みんな香水キツくて…、なんか気分悪くなっちゃって、…でも俺最後まで頑張ったわ」
まぁ、たしかに
ふわっちからするにおいは濃い上に酒とか色んな臭いが混ざってて決して気分が良くなるような匂いではない
『…おつかれ』
ふわっちの脇の下から腕を伸ばし頭を撫でる
そうすると、もっと と言うように手に頭を押し付けてくるところがすごく可愛い
「…やっぱ俺もちさんの匂い好き。飾ってなくて」
そう言ってじゃあ俺着替えてきますわ、と控え室を出ていこうとするふわっちの腕を慌てて掴んで引き止める
「あぇ、なんすか?」
『いや…なんかふわっちだけ満足しててやだ』
『もう1回抱きついてきてくんない?』
「えでも俺臭いっすよ。臭いつくかもしんないし」
『そんなの今更でしょ、ほら』
「えぇ‥?…じゃあ失礼しまーす」
微塵も警戒せずに近づいてくる
そんな彼の唇に自分の唇を押し付け、驚いているのをよそに舌を入れ口内を犯す
鼻と口から感じる酒になんとも言えない気持ちになった
「っは、は‥ぇ、?」
『訳が分からないって顔してるね笑』
腰を抜かし、少し荒い呼吸を繰り返しているふわっちと視線を合わせ言う
僕のふわっちから僕以外のにおいがするのが嫌だ
でも職業柄仕方がないから、それならそのにおいを嗅ぐ度に僕を思い出すような行動を意図的に起こせばいい
『沢山酒呑んで、色んな人のキッツい香水我慢して、酒と香水が混ざった臭いで気分悪くなって…』
『その度にさっきのこと思い出して、頭ん中僕以外のこと考えないようにしてね』
今の僕は一体どんな顔をしてるんだろう
一瞬だけそんなことに思考を奪われたが、唖然としながらも顔を真っ赤に染め上げているふわっちが可愛くてすぐにどうでもよくなった
その直後、もう1回キスしようとしてふわっちに結構ガチで止められたのはまた別の話。
コメント
2件
大好き
可愛い…最高👍