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爽籟と恩師は店を出て、ある方へ向かった。
“今日の昼、廃病院を彷徨く学生たちを見まし た。そのうち二人は二メートルを超える巨体 でしたので、もしかしたら”
スタッフの一人「牙城」が教えてくれた、廃病院に向かっている。もし活動場所の散策に来ていたのなら、会える可能性は大きい。
「…なにか聞こえますね。それにこの匂い」
「火薬だな。病院の方からだ。急ごう」
二人は足を早める。夜中だからよく聞こえる。鈍い金属音と銃声、そして大量の叫び声。火薬の匂いの中に混じってくる血の匂い。二人は仕事柄、慣れているが。一般人ならとっくに体調不良を引き起こしてもおかしくない程キツイ匂いだ。
「着いた。上から見よう。登るぞ」
「私は無理そうなので、ここで待ってまッ!?」
「お前も一緒に行くんだよ!」
恩師が爽籟のことを担ぎジャンプだけで上に昇って行く。本人は問題ないが、担がれている爽籟は大きく揺られて酔ってしまった。
「ウゥッ…し、しょ……もう、若くないので…
二度とッ、ごめんです……オェ」
屋根の上に落ち着き、嘔吐く爽籟の背中をさすってやる。中を覗き込むと、大人の輩と殺し合う青年たちの姿があった。情報通りの服装だが、顔は隠してある。LOSERと思われる彼等の人数は、手配書にあった輝夜姫、道化師、桃の皇、瓜姫、そして上の方に梟と思われる人物が確認された。問題は、それとは別に三人の姿があることと、その誰もが霧と違った事だ。
「あの三人はいいとして…霧は何処だ」
「ゴホッ…ヴ…おや、ここらで有名な勢力ですね。迷惑してたので助かります 」
回復しながら爽籟も覗き込む。もう殆ど狩り尽くしたようで、青年たちは一段落している。
一般人が入れそうな場所、中が見えるような場所は既に塞がれている。写真や目撃者を出さないための予防だろう。
「俺は降りて話してくる。お前も来るか?」
「行きたいですが..師匠の言葉どうお呼びすれ ばいいですか?」
「そうだな…俺の事は”ハク”と呼……」
呼べといい切る前に、銃声が鳴り響いた。爽籟が頭から屋根から落ちそうになる。間一髪で恩師…いや、ハクが爽籟の足を掴んで止めた。その際に屋根の一部が崩れ地面に打ち付けられた。
「死んだかな。音はしたけど」
「死んだでしょ。ユキ”が外したことないし」
爽籟を引きあげた後、覗くのをやめて会話だけ聞いた。ハクは爽籟の方を見る。顔は仮面で見えないが、首元や手の甲には血管が浮きでている。確認する必要すらないと判断されたことに酷くイラついているようだ。ハクは手を握ってやる。
「ッ!?………フフッ」
少し驚いたようだが落ち着いたようだ。
「何する気だ」
「..師匠は、もう一人のメンバーと話をしてください。私は、ガキ共の調教をしてきます」
ハクの手の甲にキスをして、爽籟は中へ飛び込んだ。何メートルも上から、死んだはずの男が落ちてきた。
「確認しないとは、未熟ですねぇ」
「ッ!?お前、さっき頭に撃ち込んだはず!」
先程爽籟を撃ったユキ(梟)が、驚きながらも再度ライフルを構える。ただその姿は酷く震えていた。爽籟は溜息を零しながら仮面をコンコンと鳴らして見せた。
「これ、硬いでしょう?爆発にも耐えれる特別製です。こういうことがあるんですよ。こちら側の世界へ足を踏み入れるという事は」
「てことは…あんたも殺し屋?」
こくりと頷いて見せる。青年達にはわかった。爽籟はやばいと。
「私の紹介も程々にして、提案です。私の…」
「殺し屋を生業としてる奴の提案なんて、聞くわけないだろ!俺達はッ…!?」
道化師が反論したが、爽籟が拾った数センチの瓦礫によって耳を削がれた。
「人の話を聞かぬ耳なんて、必要ないですよ」
「ッ、は…」
「ハル!早くこっちへ!」
血がふきでる耳を押えながら呼吸が乱れるハル(道化師)。それを手配書にはいなかった少女が落ち着かせる。
「何が…目的、なの、よ……」
「ゴホン…では改めて、私を殺してみませんか?」