テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
________
「そうか……」
マルコ隊長に全てを話し終えれば、しばらく沈黙が続く。
彼の顔を合わせるのが怖い……
合わす顔がなくて私は地面に顔を俯いた。
重い話だったよね……きっと引かれたかな……
すると
「いぶき……お前に謝りてェ事がある…」
マルコ隊長が口を開いた。
謝りたい事…?一体何を……
不思議に思っていると、
マルコ隊長は内ポケットから何かを取り出す。
「えっ……」
隊長が取り出したもの…それは私が書いた遺書だった。
何で…何でマルコ隊長がこれを……
「医療室に落ちてたんだ。お前を医療室に運んで目を覚ました際、
俺が飲み物を淹れている間にカバン漁ってただろ…?
自分でも思い出せそうな手掛かりがないかって…。
多分、そんときに落ちたんだろう…
すまねェ、中を見ちまった……」
「……え…っ、…」
「だけど、オヤジと隊長達には話してねェ。
お前にこれを尋ねなかったのは、
まだお前が記憶が定かじゃねェが嫌な記憶を夢で見たり、
ときどき思い出して辛そうにしてたり、
苦しそうに呼吸を乱したりしてたからだ。
そんなお前にこれを尋ねりゃ追い詰めちまう形になる……
だから黙ってたんだよい……
すまなかった……
お前を一人で戦わせてたみたいで、胸が痛んだ……」
隊長は苦しそうにしながら私に謝った。
私の為にずっと……黙っていてくれたの……?
私が……思い詰めてしまわないように、ずっと……
「……ごめん、…なさ……
……ごめんなさい…っ、……ごめんなさい…っ…!、」
隊長にずっと気を遣わせていた……
隊長にも辛い思いをさせて、迷惑を掛けて
それが申し訳なくて、涙が溢れ出していく……
「……何でお前が謝んだよい…バカ…、」
隊長は私を抱き締め、頭を撫でる。
「お前が謝ることなんて1つもねェんだ、
悪い事何もしてねェだろ…?」
…そんなこと…ない………
私は………
「私は…っ、人として失敗作なんです…、っ…
友達もいないし、…みんなと仲良くなれないし…
勉強だってできないし…、
仕事だって……結婚だって…っ…、!
人として終わってるんです…、っ…!
なのに死ねない私なんか…っ、私なんか……
何の価値もないんだ…、…っ……!!!」
泣きながら自分の惨めさをマルコ隊長に吐き出した。
こんな風に自分の思いを誰かに吐き出したのは初めてだった
「いぶき……」
マルコ隊長は体を一旦離し、両手で私の両頬を包み込んで目を合わせた。
「価値がねェだなんて、自分にそんな酷な言葉を掛けてやるんじゃねェ。
辛い事を耐えて頑張ってきた自分を、
今日まで生きてきた自分をまずは褒めてやれ…。」
「…、っ…、ぅ……」
「お前は死ねなかったんじゃねェ……
#シリアス
100
それはお前の中に生きてェという気持ちがあんだよい。
荷物に入っていた救急セットだって、
本当はまだ、“自分を助けたかった”という気持ちが無意識にあったから入ってたんじゃねェのかい…?
それにこれは運命だったんだよい……
この世界に辿り着いたのは、
運命がお前に“生きろ”と言ったからだ。」
彼の言葉にはっと目を開いた。
私がマルコ隊長の居る世界に辿り着いたのは、
生きてやり直す為………
すると頭にマルコ隊長の手が乗る。
マルコ隊長は私の頭を撫で、そしてそっと優しい顔でこう言った。
「一人でよく頑張ったな、いぶき______」
私は周りから相手にされずに生きてきた
その内周りの目に敏感になって、
周りとちゃんと同じでなければ白い目で見られる気がして、自分に鞭を打ってきた
誰も褒めてくれなかったのに……
「…ぅ、…うっ……」
今までの苦しみを解き放つように、涙が溢れ、止まらない……
「ああああっ…、!!あああっ、あああああっ…、!!!」
大人気なく声を上げ、子どものように泣き崩れる私をマルコ隊長は私の頭を包み込むようにぎゅっと抱き締める。
「お前の世界でいう“当たり前”ができなくたっていいんだ…。
そんなつまらねェ“当たり前”なんてこの世界じゃ存在しねェ。
人間関係だろうが、仕事だろうが、結婚だろうが、そんなもんに追われる必要はねェんだよい……
周りの目なんざ気にしなくたっていい。
今日まで生きてきたお前ははなまる100点満点だよい、いぶき…。」
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!