トントントン
鏡花「?」
襖が少しだけ開いたどうやら幽霊ちゃん(名前がわからないためそう呼んでる)が夜ご飯を持ってきてくれたみたいだ
鏡花「ありがとう。そこに置いておいて」
幽霊ちゃんは頷くとご飯を置いて部屋から出ていった
鏡花「……………」
鏡にボロボロの自分が映る
殴られた時の痣、首を絞められた跡
あの幸せだった頃の自分は見る影もない
父は暴力を振るっていると思われたくない為、私と母を外に出さない
そんなにバレるのが嫌なら見えないところだけ殴ったりすればいいのに……
少し静かになってきた、父が出掛けたらしい
母「鏡花!!」
母「何で…!何で助けてくれないのよ……!」
ドコッ!
鏡花「カハッ!……お母さん…」
母「煩い!私をお母さんと呼ぶな!」
ボコッドカッ!
鏡花「お…か………さ……ごめ……」
母「聞こえなかった?そう呼ぶなって言ってんだよ!!」
母「お前が産まれてからだ!!お前が産まれてから全ておかしくなったんだ!!」
ドコッドカッ!
鏡花「ッ!!!!………ごめ……さ……!ゆる…し……!」
母「お前……!お前さえ居なければ……ッ!」
ボコッ!
鏡花「ッ………………!」
母が錆びた包丁を手に取る
母「お前なんて…!産まれて来なければ……!」
母が包丁を振り上げたその時
母「ッ!?」
母「き、鏡花!?嘘……でしょ…?また……私が……?」
母が手に握られている包丁を見る
母「わ…私、鏡花を刺そうと……?」
母「ごめんなさい鏡花…!ごめんなさい!」
包丁を落とした母が抱きついてきた
正直殴られたところが痛いからあまり抱き締めないで欲しい
母「こんなどうしようもない母親でごめんなさい……娘にまた手を上げてしまうなんて……」
鏡花「う…ん……。だいじょ…ぶ…だよ。おか…さ……」
母「あぁ鏡花!痛いでしょう?無理して喋らなくていいのよ?」
鏡花「おかあさん………しんぱいしない…で……?」
母「鏡花…」
母「手当てしておいて!」
母が幽霊ちゃんに指示する
幽霊ちゃんが頷く、いつも私の世話をしてくれるのは大体彼女だ
鏡花「ありがとう。幽霊ちゃん」
幽霊ちゃんは心配そうに眉を下げている
「もう大丈夫だよ。ね?」
幽霊ちゃんはまだ心配そうにしていたが部屋を出ていった
コメント
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好きどす。 絵もうまうま
あっセンシティブじゃなくなってる