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さくら
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『好きだけじゃ、足りない』
🐱「……ハルア」
放課後、ユウマは少し離れたところからハルアを見ていた。
ハルアはクラスメイトと楽しそうに話している。
笑っている。
それだけなのに、胸の奥がざわついた。
🐱「……楽しそう」
自分といるときと同じ笑顔。
それが、なぜか嫌だった。
しばらくしてハルアがこちらに気づく。
🐰「ゆうくん!」
嬉しそうに駆け寄ってくるハルアを見て、ユウマはようやく表情を緩めた。
🐰「待った?」
🐱「ううん」
🐰「じゃあ帰ろっか」
🐱「……うん」
並んで歩き始める。
しばらく黙っていたユウマが、ぽつりと言った。
🐱「さっき、誰と話してたの?」
🐰「クラスの子だよ」
🐱「……そっか」
🐰「どうしたの?」
🐱「別に」
そう言いながら、ユウマは少しだけ俯く。
🐱「……でも、嫌だった」
🐰「え?」
🐱「ハルアが俺じゃない人と楽しそうにしてるの」
ハルアが驚いたようにユウマを見る。
🐰「ゆうくん……」
🐱「分かってる。ハルアが誰と話そうが自由なのも」
ユウマは苦笑する。
🐱「でも、嫌なんだ」
少し間を置いて、続ける。
🐱「俺だけがハルアのことを一番近くで見てたいって思っちゃう」
🐰「……」
🐱「ハルアが笑うところも、困ってるところも、嬉しそうなところも」
ユウマはハルアを見る。
🐱「全部、俺が一番に知りたい」
その声は静かだった。
だからこそ、余計に重く聞こえた。
🐱「ハルアが誰かに『一番』をあげるの、嫌だ」
🐰「ゆうくん……」
🐱「俺、かなり独占欲強いと思う」
自嘲するように笑う。
🐱「ハルアのことになると、余裕なくなる」
そして、少しだけ間を空けて。
🐱「……俺だけ見ててほしいって思う」
ハルアは何も言わない。
ユウマは不安そうに目を伏せた。
🐱「ごめん。困らせたいわけじゃない」
🐰「ううん」
ハルアが首を振る。
🐰「ゆうくんがそんなふうに思ってるなんて、知らなかった」
🐱「……言わなかったからね」
🐱「なんで?」
🐱「言ったら、もっとハルアに嫌われそうで怖かった」
その言葉に、ハルアは少しだけ驚く。
普段は余裕そうに見えるユウマが、こんなにも自分を失うことを怖がっている。
🐰「……ゆうくん」
🐱「ん?」
🐰「僕は、ゆうくんのこと嫌いにならないよ」
🐱「……本当?」
🐰「うん」
ユウマは安心したように笑う。
それでも、その目の奥にはまだ消えない感情があった。
――もっと自分を見てほしい。
――もっと自分を頼ってほしい。
――できるなら、自分を一番にしてほしい。
その気持ちは、もう簡単には消えそうになかった。
🐱「ハルア」
🐰「なに?」
🐱「明日も俺と一緒にいて」
🐰「うん」
🐱「……約束ね」
🐰「約束」
その返事を聞いたユウマは、嬉しそうに笑った。
まるで、それだけで一日分の安心をもらったみたいに。
コメント
1件
わあああ第2話めっちゃ良かった…!!😭💕 ユウマの独占欲、ストレートに伝わってきて胸がきゅうってなったよ〜! 「俺だけ見ててほしい」っていうセリフ、重すぎず軽すぎずでめっちゃ刺さった… ハルアが「嫌いにならないよ」って言った時のユウマの安心した表情、想像しただけでエモすぎる!! 続きが気になりすぎるよ…お願いします次も読みたいです!!🌸