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彼岸花が揺れる
その季節になると思い出す。
そして重い腰を上げて動き出さなければならない。
日本人はどうしてお盆に墓参りをするのだろう。
正確に言えば何故お盆にしかしないのだろう。
春のお彼岸、秋のお彼岸、彼岸花が教えてくれるのに今や年に一回のお墓参りすら代行でアルバイトがあるくらいだ。
それでもたまに花を持ち水を墓石に垂らし、たわしで磨く者もいる。
私はその人間たちを毎年寺の瓦屋根から見ている。
たまに目が合う者がいる。私の姿見えるのか、はたまた偶然なのか、何れにせよその手の人間の時間は比較的に短い。
