テラーノベル
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目覚めがいい。なんてったってあのベッドだからな。
「ふぅー」
っと息を吐く。
「今日は冥界の街歩いてみるかー」
忘れてるかもしれないが、そう、ここは冥界。スカイはタヒんだ。ホテルキーを持った状態で。
クローゼットを開ける。なかなかに服が揃っている。結構お洒落なものばかり。
とりあえず着る。とりあえず、白ワイシャツにベスト、ワイドパンツ。とシンプルな格好にした。
「わ、軽」
とても軽くてサラサラした素材。とても動きやすそうだ。
軽い足取りで靴箱に向かう。靴箱に靴が充実していた。今の服装に合うのは…黒色に金色のアクセントがついたローファー。これだ。履いてみる。やっぱり軽い。少しヒールがあるが、重くない。むしろ普通の靴よりも軽い。扉を開けてホテルの廊下に出る。金縁のレットカーペットが廊下全体に広がっている。隣の部屋や前の部屋、たくさんの扉が並んでいる。
扉の鍵を閉め、廊下を歩く。スカイの足音だけが静かにコツコツと響く。エレベーターに乗ってロビーのある一階に行く。チーンとなった。一階に着いた。エレベーターを出てロビーに行く。そしたらすぐに…
「スカイ様!」
案の定カウンターからあの明るすぎる声が聞こえた。イノスだ。
「ああ、はい。なんでしょうか」
「別に?なんでもない!街を見に行くのですか!?」
なんでもないんかい。
「はい。気になるので」
「じゃあ行ってらっしゃい!お気をつけて!」
「はい」
なんとか早く会話が終わった。良かったと密かに思っているスカイだった。
クルクル回るリボルビングドアだ。
外に出た。床は石レンガ。右に公園。左に裁判所。真ん中は西洋風な街。どこに行こうか。選択肢が沢山だ。
「すみませーん!」
後ろから声をかけられた。
「何でしょうか」
振り返った。少女だ。黒髪で編み込みヘア。羊のような形の黒いツノが生えてて、燕尾服に、ふわっと広がった黒いスカート。車掌さんのような帽子に金色のチェーンが2本。銀縁のメガネ。紫の目に横長瞳孔。また人間とは程遠いような存在が現れた。
「私はルーシィ!君、新しくホテルに来た人かな?」
「はい。そうですね。昨日きました」
「じゃあはい!これ!」
ルーシィからスカイの手に渡されたのは地図。
「これは…?」
「これは此処冥界の地図!マップだよ!まだ初めてでわかんないだろうから、新しい人にはあげるように命令されてるの!じゃあそういうことですからー、楽しんでー!」
そう言ってルーシィはすぐどこかへ行ってしまった。ルーシィも冥界の職員なのだろうか?まあそんなことは今はどうでも良い。
もらった地図を見る。どうやら、映画館、遊園地、水族館、美術館、教会、今目に見える施設よりも、もっと多くの施設が存在するみたいだ。そういえば昨日イノスもサラッと言っていたな。
そうだな。まあとりあえず街に行こう。
ローファーがコツコツと石レンガを鳴らしながら街に入る。
沢山のお店がある。
ふと、ショーウィンドウに反射して映る自分が見えた。なんか…、タヒぬ前より表情が生き生きとしている。
そして、また歩き出す。
沢山立ち並ぶお店を見ながら歩いていると…
「おにーさん!おにーさん!」
声をかけられた。黒い神父の服で、銀髪で、目は一眼でその中に赤い目が沢山。足は…無い。浮いてる。全然人間に見えない。
「な、何ですか?」
流石のスカイでも少し引いてしまう。
「安楽タヒに興味ないですか!?」
「は?」
何いってんだ?という目でそいつをみる。此処に来たスカイ達はもうタヒんでるから安楽タヒもクソもないはずだ。
「あぁ、すみませんね。我々は死んでいるので安楽タヒもクソもないですよね!」
その通り。テンポが良いのか悪いのか分からず呆気に取られて黙っているスカイに対して続ける。
「私!浮世に行って安楽タヒを勧める宗教を作ろうと思ってまして!でも、信者集まらないし…、フェミス君許してくれないし」
「フェミス?誰だそれは」と思いながら、スカイは言う。
「そ、その宗教ってどうなんですか…、やばいでしょ絶対…。ダメでしょ…」
スカイは真面目に返す
「ダメじゃありませんよ!?良いことです。安楽タヒは良いことです。まあ、考えておいてくだs…」
「おい…。ジェンダー…。また宗教の信者集めようとしてるな…?」
頭にヤギのツノが生えた少年がやってきた。ツノの先から天秤が垂れている。どうやら天秤になっているみたいだ。エメラルドグリーンの髪で、黄色と水色のオッドアイで、横長瞳孔。法服に似たようなアレンジされた服で、服の内側が星空になっている。
そして、おそらくこの宗教を進めてきたやつはジェンダーというらしい。
「は!?何でフェミス君がいるの!?此処バレた!?いっぱい人いるからわかんないと思ったのに!」
どうやらこの少年がフェミスらしい。
「そのお前特有の気持ち悪りぃ善意の気配がしたからだよ!せっかく仕事終わって寝てたのにさ!今度こそ捕まえてやるよ…。」
「絶対やだね!じゃあ!君!考えといて!ばいばーい!」
逃げ足はめっちゃ早い。すぐに見失った。
「クソ…。まあ良いや…。君、絶対あの宗教おすんじゃねぇよ?」
「はい。」
「おす」「おさない」以前に、「おしたくもない」がスカイの本音だ。
それより、この少年…、仕事って言っていたな。明らかに12くらいに見えるのに…、仕事?どう言うことだろう…。
「君、今僕が12くらいに見えるのに何で仕事?って思っただろ…。僕勘鋭いからね」
的中。勘が良すぎだろ。
「は、はい…。その通りです…。」
「まあ良い。それはいつかわかるから気長に待っといて」
気長にってどれくらいだよ。
「わかりました。」
「よろしい。じゃあ、僕は眠いのでさようなら…。」
と言ってホテルの方に姿を消した。
コメント
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みぅだよ🥀 第4話読んだよ。冥界なのにスカイ、どんどん元気になっててちょっと笑っちゃった。鏡に映った自分に「生き生きしてる」って気づくシーン、すごく好き。やっぱ死んでからが本当の自分ってこともあるんだなあって。 安楽死勧誘のジェンダーとそれを追いかけるフェミス、2人のやり取りも面白くて、この世界の空気感がじわじわ伝わってきた🌙 続きが気になるよ。大事に読ませてもらってる。