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俺、佐伯イッテツ。
現在とても悩んでいます。
tt「ハート目が治らなくなりました!」
別に体調に影響が出てるとかそういうわけではないが、念のため今日は配信もヒーロー業もお休みしよう。
恋人であるウェン君とロウ君に心配かけたくないから会わないようにして…あ、家から出なければいいかな。
とりあえず上層部に休暇申請を…
― 赤城ウェン 小柳ロウ 苦戦中 手の空いているヒーローは出動をー
えっ?今なんて言った?このデバイス君?
あの強い二人が苦戦してるとか、なんかよく分からない言葉を聞いたような気がするんだけど。
そう思いながらデバイスの通知を再確認してみれば、どうやら聞き間違いではなかったようだ。
tt「いや、でも…他の人が…」
救援要請に対する他のヒーローたちの反応を確認する。
どうやら今日はお相手さんが活発化しているらしく、どのヒーローも手が放せないようだった。
tt「……う、う~…」
念のためにお休み、を…
tt「二人の方が大事に決まってんだよね~!!佐伯イッテツ向かいま~す!!」
こんなん仕方ないでしょうが!!
俺はデバイスを掴んだまま家を飛び出し、送られてきたMAPへと走った。
tt「ウェン君!ロウ君!!」
ゴーグルで隠せばとりあえず変に思われないだろうと思い、ヒーロー衣装に変身してから目的地に到着する。
そこにはKOZAKA-Cに囲まれた二人の姿があった。
数の暴力とはまさにこのこと…二人相手にどんだけいんだよってくらいの数のKOZAKA-Cがいる。
tt「雑魚戦が苦手な俺が来ていいところじゃない」
wn「テツが来てくれたの!?ありがと~!」
ru「マジで助かった」
ナイフを構えてKOZAKA-Cに向かって走りだす。
とりあえずまずは二人が自由に動ける状況を作る必要があるからだ。
tt「俺が来てごめんって感じだけど大丈夫!?」
wn「何言ってんのさ!テツが来てくれて嬉しすぎるって!」
ru「手を抜いていたわけじゃないが、更にやる気が出る」
ウェン君とロウ君が俺にフォローを入れてくれている…本当に優しいよなぁ。
まぁでも、偶然この二人が組んでいたとはいえ俺の大事な恋人に傷をつけてくれた分はお返ししないとだよね。
雑魚戦が苦手な俺ではあるが、数が多いからか振ればほぼ当たるという状況を有効活用して二人の退路を作り上げていく。
wn「さっすがテツ!KOZAKA-Cもお顔真っ青~!」
ru「ここからは仕返しの時間ってことで」
そこを上手く利用して二人が大勢のKOZAKA-Cの中央から抜け出し、不敵な笑みを浮かべて武器を構える。
形勢逆転。その言葉がとても似合っている。
tt(格好良いな~…!)
次々にKOZAKA-Cを蹴散らしていく二人に俺はメロメロ状態だ。
ハート状態の目が異質に思えないくらいメロメロで、どちらからも目が離せない。
それはもうあっという間に沢山いたKOZAKA-Cは消滅してしまった。やーい!!
wn「テツ~!本当に来てくれてありがと~!」
ru「マージで助かった!お手柄すぎ!」
両サイドから二人に抱き締められて流石に照れてしまうけど、まぁでも恋人同士だから別におかしいことじゃないしいいかな~!?
それに、俺だって二人のこと大好きだからさぁ、普通に嬉しいもんね。
wn「じゃあ帰ろっか~」
ru「気配も無いし、変身も解いていいだろ」
ロウ君の言葉に一瞬だけ思考が停止する。
今、なんて言った?変身を解いてもいいだろう?変身を解いても何も問題はないだろうって言いましたか奥さん?
あ、いや、この場合は抱かれている俺が奥さん側か…ってそういう話じゃないのよ。
tt「二人はこれから報告に向かうんだよね?俺はこのまま直帰だから!それじゃ!」
wn「え!?テツも一緒に戦ってくれたんだから一緒に報告行けばいいじゃん!?」
ru「そうだよ。今回の手柄はお前のモンだろ」
そう言いながら二人が俺の腕を捕まえる。
その勢いが強くて、反動で頭を思い切り振ってしまったようでゴーグルが飛んでいった。
あ、あ、あ、やばい!!!!
tt「み、見るな!!」
wn「えっ!?」
ru「なになになに?」
ばばっと手で顔を覆い、ハート目を見られないようにその場にしゃがみこみ俯く。
動揺している二人の声に申し訳ない気持ちにはなるけど、それはそれ、これはこれだから許してね!
wn「ど、どうしたのテツ?顔に怪我でもした?」
ru「イッテツ?」
見せたくない。見せたくない。絶対に見せたくない。
さぁすがにハート目が常になってる姿を見せるのは駄目だろ引かれるだろ嫌われんの嫌だもん。
tt「いやね?俺が可愛いってのは分かってるんだけど、それでも補えないものがあると言いますか…」
wn「テツ、心の声がだんだん漏れてきてるけど大丈夫そ?」
ru「まぁ、可愛いのは否定はしないが」
tt「やだ!聞かないでよぎゃうるふさんのエッチ!!!」
wn「エッチ?テツに対してはそうだね」
ru「まぁ、否定はしないが…」
tt「肯定もしなくていいですけど!?」
ツッコミを入れた瞬間に顔を抑える力が緩んだのを見て、ウェン君が俺の手を掴んで自分の方にぐいっと引く。
俺の絶対にウェン君に敵うはずがない貧相な身体はいとも簡単に振り向かされてしまった。
wn「へ?」
ru「その目…」
あぁ…ほら、絶対に引かれたじゃん引かれてんじゃん引かれてますやん!!
こんなくそふざけた理由で関係が終わるなんて、本当に人間ってあっけないし儚いよな…。
wn「かっわいい…」
ru「その目で困った顔されんのクるわ」
tt「……ん?」
なんかおかしいの聞こえたな。
wn「えっ、どうしたの?ずっとそんな感じなの?」
tt「あ、う、うん…一人で色々な表情に挑戦してみようって遊んでたらなんか、戻らなくなっちゃって」
ru「ははは、理由ヤバすぎだろ」
しゃがんだままの俺をじっと見下ろす二人。
何を考えているのか、何も言わなくなってしまった二人を見上げ続けていれば再び腕を掴まれる。
今度は左右をそれぞれに、だ。
ru「やっぱ一緒に報告行こう」
tt「えっ?何で?」
wn「ゴーグルあった方が安心するなら、三人で変身解かずに行っちゃうか~」
tt「あっ、さっきの手柄云々が関係してるならマジで俺はいいよ!?大量のKOZAKA-Cを倒したのは二人なんだから!マジで俺、何もしてない………っ…」
俺の必死の抵抗に二人がゆっくりと振り向く。
その表情…というよりは瞳を見て、俺は目を見開き言葉を失ってしまう。
wn「いや、こんな可愛いテツを逃がすわけなくない?」
ru「戦闘が終わった直後なのもあってまだ高ぶってんだよ。分かるだろ、イッテツ?」
ぎらりと光る欲望に塗れた肉食獣の瞳。
俺の背中をぞくぞくっと何かが走り、頬が上気していくのが分かる。
tt「あ…ぁ、えっ、と………」
きっと傍から見れば俺は目の前の男二人に対して頬を赤らめて目をハートしているやばい奴でしかない。
でも残念なことに、この状況ではその状態が正常とも言えてしまう。
tt「お、美味しく…食べてね…?」
その後、報告した後に二人にたっぷり愛された結果、目を覚ましたら治っていましたとさ!