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「おい、これは何の騒ぎだ」
この場にいる者は皆、公爵が来るとは思わなかっただろう
「公爵様…なぜ故村へ」
「別に俺の領地なのだから来てもいいだろう。何か困ることでもあるのか」
「いえいえ」
村長の妻は大変だな。皆を代表として公爵の相手をしないといけないんだから
「そのガキが彼女を馬鹿にしている様に聞こえたのだが」
「いえいえ…これは子供の喧嘩なので…」
(あちゃー)
スナプトが馬鹿にしていたこと聞いていたか
「そうか…」
ヤバい…殺気に溢れている。剣に手をかけた…ヤバい…
「あの…こんなところにいてもつまらないので移動しませんか」
ニコニコ
(今、ちゃんと笑顔で言えてるかな)
やばい
「いいだろう…全員に伝えておけ、彼女を馬鹿にすることは許さぬ 」
「はい…」
かわいそうな、村の人達だな
「馬車で行くぞ」
「笑真…行こう」
「ただいまー」
やっと帰れた。
「まさか、こんなに早く来るなんてね」
「あったりまえだろーう…俺は早く会いたかったんだよ」
さっきまでの殺気と仏頂面が嘘のようになくなり、満面のデレデレ笑顔と変わった
「さっきはありがとう…ノア」
「姉さんのためなら何でもするよ…殺してもよかったんだよ☆ 」
「だめよ」
「はいこれ、姉さんへの思いだよ」
「ありがとう」
バラの花束100本を贈った。やべぇ、こいつ
(…花瓶が重さで傾いてる)
ノア・マーキネス
この男は、公爵にして母さんの双子の弟だ。
見た目は、美貌の塊で金色の目を持ち白髪で長い髪を後ろで束ねている。もう一度言うが見た目は良い。だが、度のやばいシスコンだ。
「姉さん、姉さん、姉さん、姉さん…」
喋るとこれ。面白いことに鑑定の結果にも【シスコン】と表示されていた。
母さんが馬鹿されてると知ったあの瞬間…急いで帰らないとその場を血の海にしていただろう。文字通り
だからこそ、村の人達は主にスナプトのお母さんは恐れていた。自分の溺愛する姉がガキに馬鹿にされていた事を知られれば、殺されてしまうからだ。ほんとうにこわい人だな
「ノアくん、ひさしぶりー」
笑真は元気だな
ペコリ
ノアくん…くん呼びは似合わないな。昔
「ノアおじさん」
と言ったら
「おじさんと呼ぶな…殺すぞ」
と言われ、呼び捨てにすると
「お前らごときが呼び捨てするな」
と言われくん呼びになった。めんどくせぇ
「久しぶりだな…ガキども」
こいつ、母さんの前だけではデレデレで、いない途端仏頂面に戻る
「あ、姉さんお茶の準備手伝うよ〜」
「座っていて」
「は〜い」
「冬真、笑真…どうぞ」
「ありがとう」
「母さん、ありがとう」
うん、母さんが入れるお茶はうまい。ノアは、母さんの隣に座りベッタリだ
「姉さん、姉さん」
「なぁに」
こんな調子だ。いちゃいちゃ感半端ない。
「今日も、夜ご飯食べていく?」
「食べる〜」
夕方になり
「ただいま!!」
「おかえり、父さん」
「おっかえりー、魔物いっぱい倒した?」
「ただいま冬真、笑真」
「ねぇ、倒した?」
「いっっぱい倒したよ」
「おーすごい☆」
父さんは、騎士の仕事をしており村の安全を守っている
「すず、 ノアただいま」
「おかえり」
「くたばれ、ゴミが」
「元気だな」
ノアと父さんは親友(?)だが昔から顔を合わせるたび「ゴミが」とか言われている。父さんはもう当たり前の様に受け入れている
「笑真、冬真食べるわよ」
「ごっはん、ごっはん」
「はーい」
母さんの作るご飯は、めちゃくちゃうまい。俺が作る目の何百倍もうまい
「姉さんのご飯うまいよ。王宮料理人よりうまいよ」
王宮料理人、いつもこいつが家で食べているのやば。公爵は、すごいな
「まじでうまいよな、すずが作るの」
「お前は食わなくていいぞ、馬鹿が」
あははは、この人の笑顔で流れるように言う悪口すごいな
「ノアは、今日泊まるのか」
「当たり前だろ、何言ってるんだアホ塵が」
この家には、両親の部屋と俺と笑真の部屋そして何故かノアの部屋がある。両親が結婚した時、ほぼ毎日ノアが遊び来てそのまま泊まるから。とうとう、空き部屋がノアの部屋に変わり占領された
「ねぇねぇ、みんなでゲームしよう」
「いいね」
「いいよ」
(かわいい)
「誰がやるか」
「ノアも一緒にやりましょう」
「やる〜」
チョロいな
この後は、マンカラと言うおはじきを使うゲームをした。結構、頭を使うゲームだ。母さんが全勝した。
「さっすが、姉さん」
ババ抜きなどトランプを使ったゲームもした。何で、異世界なのにババ抜きがあるんだ。結果は、父さんのボロ負け
「負けたー」
父さんは、すぐに顔に出てしまう。なのでわかりやすい
「ノアくん…うさぎと猟犬、一戦しよう」
「…いいぞ」
このゲームは、戦略だ。俺は、うさぎを逃しきること。ノアは、うさぎを捕まえる猟犬だ。一つ、一つ動かすたびに手に汗を握る。まるで、ほんとうに追われているようだ。この人のやり方は騙し抜きが多い。俺はそこを逆手にとって駒を進める
…
…
「俺の勝ちだ」
負けた。だが、戦略の勉強になるやり方だ。
「…お前は、賢いな」
「どうも」
「お兄ちゃん、やろう」
「いいよ」
笑顔がこの家を包み込む。こんな日も悪くはない。前世では、こんなふうに家族で遊ぶことが無かった。楽しい。あったかい。この思いでいっぱいだ