満月の夜、私はこの夜が嫌いだ
「忌まわしき魔女に制裁を!!我々の手によって葬るのだ!」
下を見渡せば、磔にされた私を見上げる狂気に満ちた人々
気持ち悪い
心底そう思う
「魔女よ、最期の情けだ
何か言い残したい事はあるか?」
「、、、」
言い残したい事?そんなの腐る程あるわクソだら
「、ニヒッ」
「!!」
私はクソ猿共を見下し、鼻で笑ってやった
この村の連中は全員、頭がおかしい
地図にも載っていないクソ田舎、余所者は魔女やらスパイと称して火炙りにする
どうしようもなく頭の悪いクソ猿共
「テメェらの顔、全員覚えたからな
子供、孫、ひ孫、何だったら一族諸共呪ってやる。」
テメェらが忘れたくても忘れられないよう、私は呪詛を唱え続けてやる
「ざまぁねぇなクソ猿共!テメェらはこれから、重い十字架を背負いながら私に呪われるんだろ?!
ハハッ!気の毒過ぎて同情しちまうよ!」
私は思いっきり笑ってやった
これ以上にない程、猿共を見下してやった
「っ、貴様ァ!」
すると、私の足元から煙が上がった
「、、、」
どうでも良い、心の底からそう思う
だって、人を信じて一体何があるの?
結局、裏切られて終わりでしょ?
ならもう、信じない方が良い
「、せめて、鬼滅の最新刊は読みたかった」
あの漫画は、人を呪う事しか出来ない私に
様々な生き様を見せてくれたから
「じゃあな、先に地獄で待ってるぜ」
身体が炙られていく感覚を覚え、私は口角を上げながらそう告げた
________
「、、んぁ、」
身体が炙られる感覚が消え、目を覚ますと
見知らぬ土地に立っていた
「どこよここ、ってか私、死んだはずじゃ」
私が辺りを見渡していると、
「あれ、君そんなボロボロでどうしたの?」
「ん?」
声のする方に目を向けると、手に刀
鮮やかな金色と漆黒の黒のグラデーションの羽織を身につけた女性が立っていた
「誰よアンタ、ってかここどこなの?」
「私?私は初音恋歌。ここは私の家の近くにある森だけれど、」
「森?何で、私さっきまで村にいて、焼かれたはずじゃ、」
私が頭を抱え、自分の体を見る
、さっきまで着ていた服だ。
一体何が、というか恋歌とかいう奴、手に刀?
一体いつの時代の人間よ、
「えーっと、とりあえず私の家に来る?」
「!、いきなり近づかないでちょうだい」
気づかぬうちに目の前に来ていた恋歌にそう告げ、私は距離を取った
「あはは、ごめんね。
それで、どうする?」
「、行く」
ここにいても仕方ない、それに今自分に何が起きているのかを把握する事が最優先だ
私はボロボロの身体を引きずり、恋歌の後をついて行った
イメージ画
初音恋歌(はつね れんか)
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