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第一話:消えた輝き
夜空に煌めいていた星々が、一つ、また一つと薄れていく。星嵐の世界に暮らす人々は、異変を感じながらも、その理由を知る者はいなかった。
魔法使いの少年リュカは、故郷の島の頂で星を見つめていた。彼にとって星は、ただの光ではない。それは魔法の力であり、世界の希望そのものだった。だが、その夜——一際輝いていた「ルクス」が、突然消え去った。
「……どうして、消えたんだ?」
胸の奥がざわめく。星の力が薄れたことで魔法が不安定になり、島の浮力が弱くなっているのを肌で感じた。沈みゆく島々。崩れかける大地。何かをしなければ、この世界は崩壊してしまう。
リュカは賢者の塔へ向かった。そこには世界の歴史を記した書物が眠っている。古の魔法使いたちが残した記録の中に、失われた星の謎を解く手がかりがあるかもしれない。
しかし、塔の奥へと踏み込んだとき、彼は奇妙な違和感を覚えた。誰かが先に来ている——
闇の影が蠢いていた。
「ここは……危険だ。」
リュカは杖を構え、魔法の炎を灯した。その光が闇を照らし出す。目の前に現れたのは、一人の男だった。黒衣を纏い、冷たい瞳をした男——ノクタ。
「……これは珍しいな。こんな時間に魔法使いが現れるとは。」
ノクタは微笑みながら、古の書物を手に取っていた。
「お前は何者だ?」
「私は、世界の本質を探る者だ。——そして、星の力を奪う者でもある。」
その言葉が響いた瞬間、リュカの胸に炎が燃え上がった。星を奪う——それがこの異変の原因なのか?
「星を返せ!」
リュカの叫びと共に、第一話の幕が開く——。