注意事項
・この作品はwrwrd様の二次創作です。
・本人様とは関係ありません。
・検索避けに協力してください。
・軍パロです。
・人体実験などの要素が含まれます。
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mb「この軍の新しい書記長だ」
tn「tnでーす、よろしくでーす」
適当な笑顔を作って適当に挨拶を済ませた。
ここは、C国である。
彼は、W国のスパイとしてここへやってきた。
C国の情報は外に出てこないため、自ら集めに来たのだ。
唯一知っているのは、一般兵の扱いが酷いということ。
それが、有名な国なのだ。
tn「はぁー…ひっろい屋敷やなあ」
廊下を適当に歩く。
何か、情報が掴めないだろうか。
チカチカとライトが点滅している扉を見つけた。
ゆっくりと近づき、扉に耳を当てる。
すると、中からは怒鳴りつけるような声が聞こえた。
少し離れて、待機していると、中からその声の主が出てきた。
mb「あ!!書記長様じゃないですか!!」
こちらに気付くと、お辞儀をした。
tn「ここは??」
mb「ここから先は実験室となっております」
tn「…実験室、」
mb「今、実験体が暴れていたので、説教をしてきたのであります」
そういうと、彼はそそくさと去っていった。
気になり、扉を開ける。
地下へ続く階段を降りると、暗い部屋に、檻が沢山ある空間に着いた。
手元にあったランタンを頼りに空間を探索する。
檻の中には、見ることも出来ないほどに痛々しい死体があった。
服を見るに、一般兵なのだろうか。
戦力を潰すなんてことがあるはずない。
つまりは、無能な奴はここで実験体とされるということだ。
なんて可哀想に…。
そんな風に歩いていると、檻の中から物音がした。
振り返ると、そこにはまだ生きている男がいた。
tn「大丈夫か、お前」
優しく声をかける。
だが、檻の中の男は隅で怯えている。
よく見ると、方目を閉じていた。
まさか、怪我をしているのではと思い、檻の中に腕を入れ込む。
tn「こっちおいで、なんもせんから」
?「…ッ、ッ、、ぐッ、、ぅ、」
tn「その目、どうしたん、怪我しとるんか??」
?「……ッ、、ぅ”、、ぐ」
ゆっくりと男は目を開いた。
その姿に呆然とする。
ぽたぽたと血が流れて、目の色はほぼ白に近い。
つまりは、白目。
まさか…。
tn「…お前、実験体なんか??」
?「…ッ、、」
頷かれて胸が痛む。
彼は、檻を足で無理矢理開けた。
男はそんな彼を見てより1層怯えていた。
でも、大丈夫。
彼は優しい優しい軍人さんなのだから。
tn「俺、実はスパイやねん」
「ここから逃げよう、お前、そのままじゃ死んでまうよ」
そう言って、手を差し伸べる。
男は、恐る恐る手を握った。
途端に男は彼に抱き寄せられる。
tn「待ってな、明日にはここを出よう」
「俺は用意してくるわ」
そう伝えながら、ポケットから赤色のハンカチを取り出し、男の目に抑えた。
tn「これで、血は拭いとき」
?「…ッ、」
頷く男を見て、彼は地下を去った。
──────────
gr『なるほど、人体実験か、』
tn「そー、やから1人連れてきてもええ??」
gr『ああ!!興味があるゾ!!』
tn「…とりあえず、明日の早朝迎えよろ」
インカムで総統と話をつけた。
早朝に備えて、準備をする。
短い期間だったが、有力な情報は掴めた。
哀れな国だってこと。
ランタンを片手に、地下へ向かう。
檻の中には男がぐったりと寝ていた。
今はもう日が昇る時間だ。
寝ていて当然だろう。
でも、少し起こさせてもらう。
tn「…おい、起きれるか」
?「…ッ、!!」
tn「よし、行こか」
男の手を握って、地下を後にする。
男の足はボロボロで背負うしかなかった。
微かな呼吸音が耳をくすぐる。
屋敷を出て、森へ入る。
しばらくすると、懐かしい車が見えてきた。
gr「おお!!そいつが例の…!!」
tn「話は後や、帰るぞ」
男を後部座席に座らせて、自分は前に座った。
ミラーから男の様子を伺う。
キラキラと目を輝かせて、窓の外を見ていた。
初めて、外に出たのだろうか。
いや、元々一般兵だったのだから、”久しぶり”が最適だな。
gr「所で、君の名はなんと言う??」
grが車を走らせながら尋ねた。
確かに、俺も気になっていた。
?「…、」
tn「俺はtnや、こっちはgr」
gr「安心しろ、お前を酷く扱った者はいない」
ci「…ci、C国の一般兵、で、実験体、」
途切れ途切れにそう呟いた。
消えかけていたその声を俺はしっかりと聞き取った。
tn「喋れるんやったら、質問に答えて欲しい」
ci「…はい、」
tn「その目はどうしたん??」
まず1番に、白くなっている瞳について尋ねた。
片方は綺麗な夕日の色をしているのに、片方は白色。完全に色が抜けている。
ci「これは、実験で、眼球を、弄られました」
gr「…どういう実験だ、??」
ci「視力改造、みたいな…」
tn「…視力に変化は?」
ci「元々、0.3…くらいだったんです」
「今、右目だけで視力は10万くらいあるとか…って、言ってました。」
gr「うおおおお!!!!!!これは戦力になるゾ!!」
grが完全興奮体になってしまい、森の中を暴れまくるように走る。
こりゃたまげた。
視力改造は、恐ろしいものだ。
ci「……、いたかった、です」
ぽつりと呟くci。悲しそうな声だった。
tn「辛かったな、でも俺らが守ったるよ」
gr「ああ!!こんな逸材を大切にしないわけが無い!!」
tn「…はぁ、その視力に惚れてお前を助けた訳ちゃうからな」
「俺は、お前だったから助けたんやぞ」
ci「……、へへ、」
照れ隠しなのか、そっぽを向く。
なんだ。可愛いところもあるじゃないか。
さて、軍に馴染めるといいな。
───────────
gr「紹介しよう!!ciだ!!」
grに肩を掴まれながら、ciはお辞儀をした。
目の事は隠したいため、眼鏡をかけている。
皆も、不思議そうに見ていた。
zm「…え、急やね?」
tn「C国で無惨な扱いされててん」
ut「助けたってこと?やっさしー!!」
kn「俺!!俺、kn!!」
sho「ちす!!shoだぜ!!」
皆がciに集っている。
ciは慌てながらも挨拶をしていた。
檻の中にいた時とは大違い。生き生きとしている。
だが、問題もあった。
tn「??」
ci「……、」
俺にしか懐かないのだ。
ふとした時、彼は俺の近くに立っている。
食堂の椅子も、俺の隣に置いていて、
自室も俺の自室の隣、書類は俺と共にやっていた。
どうやら、懐かれてしまったようだ。
tn「ci、皆ともたまには遊んだら?」
ci「……、」
tn「…俺ばっかやと、つまらんやろ?」
ci「…おれ、tnじゃなきゃ、いやや…」
ciはボロボロと涙を流し始めてしまった。
そのしまいに、右目からは血が溢れそうになっている。
これは後遺症なのだろう。
ポケットからハンカチを取り出して、目を抑えながら抱き寄せる。
震えた彼の頭を撫でながら、謝り、慰める。
ci「…ぐすッ、、、ぅ”、」
tn「えーよ、すまんな、配慮が足りんかった」
ci「tnッ…さ”ッ、、、ぐすッ、、」
tn「ほら、血ぃ出ちゃうから泣き止んで?」
ci「…ッ、、、ぐすッ、」
tn「ん、ええ子」
こんなことしてるから懐くんだろうな。
まあ、それはそれで良いのだが。
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インカムで、rbから報告があった。
C国がciを取り返そうと戦争を仕掛けに来たらしい。
今、もう皆は戦場でバチバチだ。
俺はと言うと、ciを守っていた。
戦場からは少し離れた場所に立てたテントの中。
tn「ci、ほんまに来てよかったん?」
「待ってても良かったんやで??」
ci「…tnさん達だけ、怪我したら、嫌だ、から」
白い瞳は震えていた。
そうだよな。怖いよな。
あんな扱いされた国に狙われているのだから。
ciを慰めようと思って、手を握ろうとする。
その瞬間だった。
パシュッと、弓矢の音がしたかと思えば、ciはふらりと前に倒れそうになった。
急いで抱き寄せようとしたが、敵軍に先を越された。
ciを肩に担いで、そそくさと逃げていった。
残念ながら、俺の足には弓矢が刺さっていて、動けない。
ciがどんどんと離れていく。
守るって、決めたのに。
インカムで咄嗟にzmに連絡を取る。
ciが連れていかれた、敵軍の情報、などを伝える。
zmは怒ったように走り出した。
後は任せた。
しばらくして、皆が帰ってきた。
結果は圧勝。
敵軍の1人は白旗を上げて降参したらしい。
ciも、無事にzmが取り返してくれた。
まあ、俺もciも弓矢が刺さるという結構な怪我は負ったが。
zm「ci…大丈夫か?」
ci「はい、ありがとうございました…」
kn「ほんま荒い国やなあ」
ci「…俺が、弱いから、ですけど、」
tn「ciは弱ないよ」
頭を撫でると、もっと撫でろと言わんばかりに近寄ってくる。
ciの肩には包帯が巻かれている。
俺は足に。
どうしたらciを守れたのだろう。なんて、考えても遅いことを考える。
その間、俺はciの頭を撫でることを忘れていた。
ciはきょとんとこちらを見ていた。
ci「tnさん…なでてくれへんの、?」
なんて、可愛らしいことを言うものだから、すぐさま撫で返したけどな。
sho「ペットみたいやね」
ut「tnにだけ懐いとるよな、ずるー」
shp「まあ、出会いが出会いですからね」
rb「あんな風に救われたら、惚れるわ」
sn「ほんと?」
snさんがひょっこりと現れた瞬間に空気が凍る。
ciだけは状況が理解出来ず、ずっと俺を見ていた。
sn「…あれ、無視??酷くない!?」
ci「こんにちわ、snさん」
ciは笑顔でそう言うと、嬉しそうに駆け寄ってきた。
sn「肩の調子はどう??」
ci「大丈夫です、痛くもない」
sn「そか、よかった!!」
「良かったら、部屋においで??」
なんて、恐ろしいことを言いながら、ciの手を取ったので、俺は咄嗟にsnさんを蹴っ飛ばした。
sn「ひどい!!!!」
「もういい!!rb連れてく!!」
rb「……ん?」
snさんは軽々しくrbを担いで、去っていった。
sho「連れてくなぁぁぁ!!!!」
kn「rbぉぉぉ!!!!」
shoとknがsnを追いかけて行った。
助けに行ったのではないだろう。
口元がにやけていた。
tn「ふぅ…」
静かになった談話室。ふっとため息をこぼす。
ci「んへへっ…面白い人達やな」
tn「ほんまに??狂った人達の間違いやろ」
ci「へへっ、俺、ずっとこの軍にいたい」
tn「言わんでも、ずっとそうやで」
椅子に座っている俺の隣で、床にちょこんと座っているciの脇に手を入れて、抱き上げる。
彼は背は高いものの、体重が軽いので、簡単に持ち上げることが出来る。
…まあ、そのせいでさっきは敵に連れていかれたんだけど。
そして、抱き上げたciをソファに座らせた。
tn「床じゃ尻が痛くなるやろ」
ci「…へへ、やっぱりtnさんは優しいや、」
tn「ったりめーだ」
ワイワイと会話をしていると、皆が集まってきた。
ut「なぁ、ci、俺とも遊ばん??」
shp「ワイも、飯とか…行きたい」
ci「………、??」
ciはまだ他人が怖いのだろうか。
頷くばかりだ。
tn「…怖い?」
なんて聞くと、眉間に皺を寄せて頷いた。
ut「そか、すまんね」
shp「これから仲良くなりましょ」
なんて言って、2人は去った。
ciはそんな2人を見送っていた。
tn「…仲良くなれるとええな」
ci「…怖くて、喋れない、」
tn「えーよ、これからがあるわ」
そう。これからが。
これからが…。
───────────
rb『敵襲!!敵襲!!』
ジリジリと激しい音が鳴る。
ああ、敵襲か…と、慣れたように準備をする。
まずはciの安全確認だな。
ここは幹部棟やし、敵は来てないと思うけど。
なんて、呑気なことを考えて扉を開けると、そこの地面はヒビが入っていた。
まさかと思い、ciの自室の扉を開ける。
赤色の液体がぽちぽちと地面を汚している。
自室はもぬけの殻。なんにもない。
インカムを繋いで皆に伝える。
もしかしたら、誰かといるのかも。
なんて、都合の良いことはなかった。
ciはC国に連れ去られてしまった。
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油断していたと思う。
俺は彼の綺麗な夕日の瞳が大好きだ。
あまり、喋ったことも、遊んだこともない。
なんせ、彼はtnにばっかくっついてるから。
やめろとは言わない。だって、彼はまだ俺らに信用を持てていない。
彼は、C国の一般兵だった。
才能が無く、実験体にされたらしい。
そのため、片目はもう彼の目では無い。
それでも、あの綺麗な夕日を見ることが出来る。
夕日が消えて欲しくない。
zm「………」
表情筋が動かず、ぼーっと空間を見つめる。
今は総統室に皆が集まっている。
もちろん、彼についての会議だ。
そんなことはどうでもいいんだよ。
早く彼を助けなければ。
手を握りしめると、手のひらのマメが潰れて、血が滲んだ。
gr「…すまない、油断していた、」
tn「……今から軍を送るつもりだ、」
もう、皆に活き活きとした雰囲気は無い。
特にtn。書類を片手に、ぼそぼそと声を出している。
そんなに不安なら早く動け。
なんて、苛立ちを感じてしまう。
それに気づいたのかshoに背中を叩かれた。
sho「…zm、落ち着け」
zm「………ぁ”?」
sho「…目に見えた苛立ち、怖いて」
どうやら俺は皆から見ると、化け物のような形相をしているらしい。
あっそ。だからなんだよ。
早く助けに行かせろよ。
rb「…もう、zmを行かせてやろう?」
「俺だって、こんな会議してる暇あるんなら、早く行きたいわ」
tn「そうだな、すまん…判断力が落ちていた」
tnのその言葉を聞き、扉を開けて飛び出す。
息が荒くなってしまう。
…まあ、もういいか。
理性なんていらない。
目の前に現れるはずの夕日を救えばいい話。
俺から奪ってみろ。
絶対に許さない。
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ut「tn、お前同様しすぎ」
tn「分かっとる…ッ、、、分かっとるよッ…」
shp「tnさんの気持ち、もちろんワイらもそうですよ」
「今は、ciを助けるに専念しましょう」
kn「こんなチンタラしててええんか?」
皆にそう励まされて思い出す。
そうだよ。
アイツは俺が守るって決めたんだ。
もう二度と、アイツに不安を与えたくない。
tn「…行こう」
gr「tn」
tn「…?」
gr「素晴らしい罰を下してやれ」
にやりと笑いかけられる。
もちろんだ。
あの国はもう消すさ。
──────────
zm「ふーッ…ッ、ふーッ…、、」
敵軍を素早く撃つ。
バタバタと倒れていくその姿は滑稽極まりない。
ざまあみろ。
もうとっくに消え去った理性なんかに気を向けず、目の前を暴れ散らかす。
彼を出せ。何処にいるんだ。
早く彼を。
zm「ふーッ…ッ、」
sho「zm!!」
仲間に声をかけられて、ハッとする。
ようやく理性を保てるようになってきた。
sho「よかった、無傷か、」
zm「ciは何処や」
sho「tnによると、地下室の可能性が高いらしい」
zm「…あそこか」
明らかに怪しい扉を開ける。
長い階段を素早く降りる。
水色のふわふわが見えた。
ci………
ci「あ”ア”ぁ”あ”ア”ア”あ”ぁ”ッッッ」
彼の悲鳴が耳を貫く。
その大きさに、尻もちをついた。
驚かせやがって…と、笑おうとした時。
彼が怪しげなベットに縛られていることに気づく。
そこには、1人の男もいた。
shoが咄嗟に撃ち抜き、その男はぱたんと倒れた。
zm「…ci!!」
駆け寄ると、それはもう消えてしまっていた。
俺の大好きな夕日は真っ赤に染った。
ci「ぁ”…ぁ”ア”、、」
手遅れ。
sho「くそッ…目がッ、、」
zm「…」
白目を向いた男の顔面を踏みつける。
原型が無くなるまで。
sho「zm、落ち着け!!まだciは生きとる!!」
「今すぐ、止血を…!!」
zm「コろす”…ッッッッッッ」
理性の紐が切れる。
目の前にあるこの男をぐちゃぐちゃと踏みつける。
鼻が歪み、もう人間の顔ではない。
返せ。
俺の大好きな夕日を返せ。
なんて、思考がグルグルになっていた時。
ci「zm…さん、ッ」
腰にやせ細っている腕が回ってきた。
踏みつけていた足を止めて、振り返る。
zm「…ci、ッ」
目を抑えて起き上がる彼を目に捉えて、近寄る。
目をぱちぱちと開く彼は、まるでemのように両目の色が抜けていた。
ci「んい”ッ……、」
sho「…なにされてん、」
ci「改造や、でも慣れてるから平気」
目から流れ出る血を慣れたように拭く。
zm「…ほんまに、平気なん、?」
ci「うん」
ガラガラと崩れ始めた地下室。
ciを抱き抱えて、外に出た。
まだ皆とは合流していないため、一旦森の中に避難した。
zm「…、ci、ほんま生きててよかった、」
ci「…怖かったけど、tnさんの言葉信じてたから」
「助けてくれるって、信じてたから、平気やったよ」
sho「お前、ほんま後輩って感じで可愛ええな」
ci「んへへっ、俺、W国軍大好きやもん」
なんて、呑気な会話をしていると、足元に銃弾が飛ぶ。
驚いて周りを見渡す。
zm「ど、どこッ、!!」
ci「ああ、屋上やね」
ciは平然と見つけた。
それは、森から遠く何km離れた建物の屋上。
スナイパーらしい。
なんて視力だ…と思っていると、ciは俺から銃を奪った。
ci「…出来るかな、」
zm「それ、スコープ着いとらんよ!?」
sho「それであの距離は流石に…」
パシュッ
遠くで、当たったような音がした。
ciを見ると、にやりと笑っていた。
ci「俺を改造したのが、阿呆やったな」
sho「え、撃ち抜けたん…?」
ci「うん、両目弄られたから、遠くまで見えんねん」
zm「…それにしてはすごない、?」
ci「へへ、ありがとう」
ciの笑顔に背筋が凍る。
彼の目には、何が見えているのだろう。
夕日は無くなっても、俺は彼を離さない。
ci「……げほッ、」
sho「ci、お前が平気でも疲れとるやろ」
ci「…はぇ、?」
ciの真っ白な瞳に、赤色が滲んでいる。
後遺症らしい。血が出るとか。
zm「おいで、寝ようや」
手を広げる。ciは目を見開いて俺を見た。
ci「…でも、おれ、」
zm「ん、」
戸惑うciを抱き寄せる。
もう離してやんない。
ciはしばらくすると力が抜けた。
眠ったようだ。
sho「…ふふっ、頑張り屋やな」
zm「…せやな」
ciを背中におぶって、森を抜ける。
皆と集まることが出来た。
tn「ci!!」
sho「すまん…手遅れや、」
tn「う、うそやろ…」
tnが珍しく膝を落とした。
皆も、頭をガシガシかいて目に涙を浮かべた。
…ん?
ut「…くそッ、俺らが遅かったから、」
kn「…すまん、ci、」
shp「…」
zm「…?」
rb「生きてる間に、美味いもん食わせたかった、」
…ん?あれ、なんか死んでることになってね?
sho「ああ、すまん、生きとる生きとる」
kn「…え?」
zm「手遅れっちゃ手遅れやけど、なんとか生きとるで」
tn「なんやねん!!分かりずらい言い方すんなや!!」
gr「…手遅れとは?」
sho「ああ、もう片方の目も改造されてもうた、」
tn「…なに!?」
tnは寝ているciの瞼を上げる。
白目が赤色に滲んでいた。
tn「…くそがッ、」
zm「ci、すんごい疲れとるから、はよ寝かせよ」
sho「このままじゃ、ほんまに死んでまう」
──────────
ci「…ん”、、」
目を開けると、眩しい白色が目を刺激した。
ああ、医務室か。この匂いは覚えてる。
ci「…ん”ー、、くぁ〜、」
欠伸をしながら、体を起こす。
キシキシと腕が痛む。どれだけ寝てたんだろう。
目をシパシパと瞬きする。
両目弄られたせいか、ちょっぴり痛い。
窓を向くと、遠く遠く…ずっと遠くまで見える。
これが、C国が作り上げた俺。
元々、一般兵の雑魚中の雑魚だった。
それに呆れて、総統様が俺を実験体…というか、きっと強くしたかったのだろう。
元々悪かった視力を良くしようとなって、片目を弄られた。
その威力は凄まじい。遠くまで見えた。
的も、中心をじっくりと見れば、パシュッと当てることが出来た。
でも、怖かったのには変わりない。
C国の兵は皆怖かった。
雑魚が嫌いなのだろうね。
それに比べて、W国。
こんな雑魚にも手を差し伸べてくれた。
優しくて身体が芯から温まる。
そして今。
両目が変わってしまった訳だが。
驚くぐらいの視力になっていた。
そのぶん、光などの刺激が辛い。
目を擦ると、血が出てくる。
メリットとデメリットが丁度よく割れていない。
ci「……皆、どこ、」
ベットから立ち上がろうとすると、がくっと足が床に付いた。どれだけ寝ていたのだろう。
動けなくてぼーっとしていると、snさんがやってきた。
sn「ciくん!!」
俺に駆け寄って、ベットに座らせてくれた。
sn「…もう、3週間も寝てたんだよ、」
ci「……そんなに、」
sn「生きててくれて…ありがとう」
ci「…そんなんで感謝されたん、初めてや」
sn「何度でも感謝するよ、ありがとう…」
「目について、見させてもらってもいい?」
ci「…別に何ともないで?」
sn「雑に放置してると後遺症が怖いんだ」
snさんに目を見られる。
しばらくして、snさんは目薬らしい何かを目に入れた。
sn「これ、1週間入れてね」
「夜だけでいいよ」
ci「ありがとうございます」
sn「まず、総統室に寄ってね」
「皆、心配してるし、」
ci「はい」
医務室を出て、総統室に向かう。
snさんに貰った杖をついて。
コンコン。
ノックすると、grさんがどうぞ。と言ってくれた。
懐かしい声だ。ポカポカする。
ci「…お久しぶりです」
扉を開けて顔を出すと、grさんは驚いて椅子から落ちた。
gr「…ci、」
ci「心配、お掛けしました」
gr「ほんとだゾ!!」
「待っていろ、皆を呼ぶ」
俺を椅子に座らせてくれた後、インカムで皆を呼んだ。
ドタドタと足音が近付く。
ワクワクする。
tn「ciぉぉぉ!!」
ci「tnさん!!」
tnさんは俺を見るなり、頬に手を開けて、瞳を観察した。
ci「んわっ…」
tn「…」
ci「…?」
tn「…目、すまんな」
ci「全然気にしてないです!!」
tn「…はぁ、ほんまお前はぁぁぁ、」
tnさんは激しく俺を揺さぶった。
その後ろには皆が立っていた。
zmさんとshoさんの姿を目に入れたので、呼びかけた。
ci「zmさん、shoさん、助けてくれてありがとうございました」
zm「…、たすけれてないやん、」
ci「…おれ、あのままだと殺されてましたから」
sho「…でも、目…」
ci「それはえーの!!」
tnさんが右腕に引っ付いている中、2人に手を握られる。
zm「…よかった、暖かい、」
sho「…白色でも、綺麗な瞳や、お前は」
ci「んふふ、ありがとうございます」
投稿するものが無いので、今週は2023の頃に作り貯めてた没作品を投稿しますすみません😭
コメント
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んんんんん ? 没とは一体 。 ( zmさんが理性失うくらいciくんを大切にしてるのが伝わってくる … !! tnさんのおかん感 、 安心しました (?) 視力10万 … 自分もそんなけあったらな … 改造されるのはやだけど snさん … w やけくそでrbさんが遂に連れていかれた … どんまいです ()
ええ好き!!?!🥹💓👍🏻zmさんがciくんを必死に守ろうとする姿に惚れました!!!()🫠🫶🏻視力10万は凄いですね!!!没...???