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おはよう世界!
私は朝起きたらこれを必ず言うことにしている。なんだか元気が出るからだ。多分これは私だけなんだろう。
私こと麻原裕子は今日も今日とて学校に 行かなくてはならない。
憂鬱だ、最悪だ、休みたい、と考えていたら
「祐子!遅刻するよ!」
と下の階から私を呼ぶ声が聞こえたため、渋々ベットから降り学校に行く支度をしよう、と決意する。
学校という牢獄に行かなくてはならないという不愉快な気持ちを抱えながら階段をおりる。
歯を磨き終え、母親特製トーストを貪る。
「私の特製トーストは高くつくわよ?」と冗談交じり言う母に
「オバサンのつくったトーストに価値なんかつくわけないから私が食べてあげてるの、感謝してもらいたいくらいなんだけど? 」
と言い返す。正直言って生意気すぎてぶん殴りたいくらいだが、私と母親の間ではこれが朝の日課になっていた。
「私の特製トーストに文句があるなら私じゃなくて今日は調子が悪い特製トーストに言ってちょうだい」
そう言うもんだから私は
「アンタ今日まずいのよ!」と、特製トーストに文句を一つ並べてみたがやはり返ってくる言葉は無く、なんだか恥ずかしくなってしまったので、特製トーストさんを大きな一口で食べてあげた。
学校に行く支度を終え、もうそろそろ家を出る時間になってしまっていた。
「忘れ物はない?私からのキス、忘れてない?」気持ち悪すぎて鳥肌が立ってしまいそうだ。
「そんなのいらないわよ、行ってきます」
母親は少しムッとした表情で私に行ってらっしゃい、と言葉を返してくれた。さっきの特製トーストさんには返事が貰えなかったためなんだか嬉しい。当たり前だけど。
学校に行く道中、私より少し前にいた女子高生が友達と笑いながら話している姿を見て、私にも友達がいたら学校もまた楽しくなるのか、と密かに思ってしまう。学校というのは勉強をする場でもあり、人との交流を深めるためでもある等と誰かが言っていたが、人との交流がうまくできない人にとってはすごく窮屈でストレスの要因になるのではないか?私はそう考えている。だって、私自身がそうなのだから。
そんな誰にも聞かれない理解されない私の想いを心の中で言っていた間に、学校の正門を通り靴箱の前まで来ていた。人間考え事をしていると周りまで見えなくなってしまうのか、怖いな。1人感心する。それでも私の足は無意識に牢獄へと向かってしまう、体が覚えているのか。
階段を1段ずつのぼり自分の教室の席に座る。そして授業が始まるまで何かで時間を潰す。決して誰かと喋ることもなく、1人黙々と過ごす私。私はこの朝の無意味な時間、そして休み時間が大嫌いだ。友達もいない、ずっと1人。私にとって教室の空気は1人が許されない、1人でいること自体が異質だ、というように皆がグループを作って固まりながら会話をしていた。私はこの時間も空気も全てが大嫌いだ。大事なことなので2度言う。いや何度でも言ってやる。正直私は1人が苦痛だった。本当は誰でもいいから喋りたいのだ。それでもグループは既にできていて私の入る余地などなかった。
こんなことならいっそのことサボりに手を出したくなってしまうではないか。
元々私はこっちの県に引っ越してきたいわゆる転校生で、最初は周りのみんなが私を取り囲むようにマシンガントークを披露してくれたが、私も緊張していたため話せなかった。そのせいか2、3日経って私を取り囲んでいた雛たちはいなくなり、あら大変、ぼっちになってしまった!というワケだ。それがかれこれ1年半続いている。私は耐えてきた方だと思う。
この苦痛から逃げるためにはどうしたらいいのか。そんなことを模索する日々だ。