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こんにちは😊
初めて、ラベルに挑戦してみました。
更新がとても遅れて申し訳ありません。
でも、自信作なのでぜひお楽しみください✨
中学二年生の秋の、ある日。
その日の空は晴れ、雨、どちらにも転ばないような天気だった。
「しばらくはこんな天気らしいね」
隣の席の親友、寛太郎にそう声をかけると、
「そうらしいな。ワンチャン雨降って、今日の野球の練習休みにならんかな〜」
と、冗談半分の返事が返ってくる。
そんなやり取りをしていると、教卓から先生の声が響いた。
「ほら、授業始めるぞー!」と
緩んでいた教室の空気が一斉に引き締まった。 次の学活で何をするのかなんて、正直どうでもよかった
少なくとも、その言葉を聞くまでは。
「今日、新しく転校生が来ます」
教室が一瞬静まり、次の瞬間、動物園のように騒がしくなった。
「それじゃあ、春陽さん。入ってきてください」
ドアが開き、美少女が入ってきた。どこか不思議な存在感を放っていた。
「はじめまして。西宮中学校から転校してきました。夏川春陽です。よろしくお願いします」
拍手が起こる中、俺は目を逸らせなかった。
彼女は俺の斜め後ろの席に座ることになった。
春陽は人当たりがよく、すぐにクラスに溶け込んだ。
そしてその日の夕方、野球部の練習前。
「新入部員を紹介する。春陽さんだ」
驚きと同時に、胸が高鳴った。
だが彼女は運動できるのかという疑問が浮かんできた。
しかし、その疑問も一瞬にして吹き飛んだ。
彼女は圧倒的に上手かった。
ピッチャーとしての制球、球威、そしてバッティング。
どれも俺たちよりずっと上手かった。
「実は、西宮中ではエースだったの」
春陽は、誇らしげにいった
それから俺たちは、自然と一緒にいる時間が増えた。
辛い練習、冬の寒さ、負けた試合。
そのすべてを、隣で共有した。
冬のオフの日、春陽から連絡が来た。
「一緒に遊ばない?」
駅前で待ち合わせ、一緒に歩く帰り道。
彼女は少しずつ、自分の過去を話してくれた。
転校の理由は実はいじめだったことや、
地元のことなど
俺はただ、黙って聞き、 彼女の言葉を真剣に受け止めた。
その日から、彼女は俺にとって特別な存在になっていた。
春陽と野球ができる、そんな期待を膨らませていた。
春が来た頃、春陽は少しずつ体調を崩し始めた。
「最近、疲れやすくてさ」
そう言って笑う彼女の顔は、どこか不安そうだった
それでも彼女は、一生懸命やっていた
だが、ある日を境に、グラウンドから彼女の姿が消えた。
数日後、彼女に呼び出された。
真剣な話があると、彼女は少し涙目になりながら話してくれた。 知らされたのは、 いじめによる強いストレスが原因のガン。
なんだか悔しかった、でも、希望を胸になんとかやっていた。
それから俺は、毎日病院に通った。
練習が終わると、すぐに病室へ向かった。
窓の外に広がる空は、いつも淡く、瑠璃色で美しいと思ってしまいそうだった
「ねえ」
手術前日、春陽が俺を呼んだ。
「もし、全部終わったら、また野球しようね」
「当たり前だろ」
少し沈黙してから、彼女は言った。
「好きだよ」
「俺も、好きだ」
その言葉を聞いて、春陽は安心したように目を閉じた。
翌日、手術は行われた。
結果は失敗だった。
春陽と、野球をすることは叶わなかった。
時間が、止まったようだった。
野球を見ることすら、苦しかった
そんなある日、彼女の遺書を受け取った。
碧翔へ
野球が好き。 最後までグラウンドにいたかった。でもこれを読んだ人がいるということは私が、また野球をすることは叶わなかったということだ。でも、私は空を見上げればいつでも会える。
最期に約束。
野球を全力でやってほしい。
俺は、当然の如く再び野球を全力で始めた。
彼女の「好き」を、こんなところで終わらせたくなかった。
夏。
大会決勝。
相手は西宮中学校。
試合前、相手チームの一部の人間からこんな会話が聞こえてしまった。
春陽ってやつなんか◯んだらしいぜー
へー
まあ、あんな奴◯んで当然だな
だな笑笑
どうしょうもない怒りが湧いた、今すぐ殴りかかってやろうと思ったが何かに止められてしまった。
決勝が始まる
ピッチャーとして自分と空を信じて
九回裏、ツーアウト、
あと一つで、優勝。
マウンドから見上げた空は、最期にあった病室でみた空と同じ瑠璃色だった。
春陽に捧げるように投げた。
最後の一球を、全力で投げた。
白球は、バットが空を切り寛太郎のミットに吸い込まれた。
ーー試合終了ーー
俺は空を見上げた。
そこには、瑠璃色の空が広がっていた。
彼女と過ごした、
一瞬で、永遠に続いて欲しかった青春が。
ありがとうございました🙏
自信作でした。
さて、
次、いつ上がるかわかりませんがありがとうございました。