『おかえり、彩』
と優しく囁いてくれる母に対して私は
『ただいま、お母さん』
と声のトーンが少し下がって言ってしまう。
『テスト、どうだった?』
『……』
どう答えたらいいのかわからず私は黙ってしまった。
『そう、きっと彩的には上手くいったのね』
母は私の心をよんだかのように的確に当ててくる。
『部屋、戻る』
と呟き部屋の方へ足を運ぶ
(あっ、ハンコ押してもらうやつあったんだ)
踵を返し母にハンコを押してもらうために戻る。
ドアノブに手をかけた時
『フッうぅッ』
と嗚咽が聞こえそっと耳を傾けてみた
『彩がね、今日沢山話してくれたのッ』
とお母さんの声が聞こえた。
きっとお父さんと電話しているんだとすぐにわかった。
拝啓神様へ
なぜこんなにも心が温かく痛むのでしょう?
どうして、こんなにも優しい家族のもとに私が居るのですか?
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