テラーノベル
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fu「ほんっとうに邪魔、もうこっち来ないでほしい」
ごめん、ごめんね、
fu「計画立てたの俺なんだけど、どうしてくれんの?」
fu「かざねにどう説明するつもり」
fu「なんで来てから倒れるんだよ」
ちがう、ごめんね
fu「ドアが無理とか意味わかんないだろ」
fu「こき使いやがってさ」
shu「体調悪くないなら倒れないでよ」
shu「ドアの前で立ったまんまだと邪魔なんだよね」
shu「なんでもっと元気に振る舞えないかな」
ごめんね、ごめん
ごめん2人とも、ごめんね
………ごめん、
……ぁれ、なんで?
さっきはあんなに優しかったのに
なんで変わってるんだろう、ここは、ここは、
あれ、俺寝たんだっけ、起きてるんだっけ
あれ、さっきのは、あたたかいのは
ゆめ?
___________偽物に決まってるだろ
___________あんな都合いい場所が、本物なわけないだろ
……なんで、
___________なんで?
___________なんで認めない?
___________みんな俺のことを嫌ってるじゃん
___________なんでわかんないの?
___________いい加減認めて、迷惑かけるのやめなって
___________もう許してもらえないよ?
…まだ
……まだわからない
___________嫌われてんだって
…信じたくない
___________手遅れだ、何回も言った
…うるさい、黙っていて
___________そうやって現実から逃げる
___________役立たずのくせに
わかってる、役に立ててないのはわかってる
だから、頼むから黙っていて
___________しゅうとを苦しめたのに
黙っていて
___________かざねを困らせたのに
……お願い
___________ふうはやを怒らせたのに
……
___________お前はもう
___________ひとりだよ
………
………
………信じさせて、
rm「………」
ゆっくりと意識が浮上する
視界には誰も映らない
見覚えのある彼の部屋に、おそらく自分1人だけが寝ていたのだ
汗をかいたかのように髪が濡れている、気色の悪い感覚を覚えてこめかみあたりを拭った
そこで、自身が泣いていたことに気づく
rm「……みんな?」
___________会いに行くな、頼むから
みんなを呼ぶ、そうしたら、心の中で誰かが牽制してくる
___________嫌われているのに
___________会いに行く奴がどこにいる
___________怖い、会いに行くな
涙が溢れてくる
頭の痛みが増してきて、耐えられず、視界すらパチパチとしろとびしていく
体を動かす、記憶を辿って、使い物にならない視界よりも、自身の経験を頼りに、彼の部屋を探索した
rm「は、っひゅぅ、っ…は、っ、」
___________会いに行くな!!!!!!
rm「ぅッッだっ〜〜〜ッ!!!!!」
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!
もう少しでドアノブに触れられるはずなのに
誰かが部屋から出るのを拒んでいる
誰かが、内側にいる何かが、みんなに会うのを拒んでいる
……いや、これは、紛れもない自分だ
あの日から、みんなの足を引っ張ることを恐れている、あれ以上嫌われることを恐れている、臆病な自分だ
ドアノブに手をかける
乱れた呼吸はもうどうしようもない、自力で治せるほどの余裕がない
今はそれより彼らに会いたい
あんなに会いたくなかったのに、どうしてこんなに会いたいか
___________いやだ
ごめん、気持ちはわかる、でも会いたい
___________そうやってまた繰り返すかもしれないのに
___________学習しない、お前は
お願い、信じたい、
あんなに安心できた、あんなに、一緒にいてくれたのに
お願い、
___________それで勘違いだったらどうする?
___________耐えられる?またひとりになる?
___________何度俺は傷付けばいいんだ?
……
___________考え無し
___________無謀、大馬鹿者
“なんでいんくにいるの?”
rm「__________ッッひゅ、」
突然、ある日の夢で彼らに言われた言葉が身体中を巡って再生される
あの視線、あの冷たさ、心底不思議そうでいて、憎悪を含んだあの空気
やめて、耐えられないそれだけは
でも、この部屋にいる限り彼らに会うことは避けられないことでもあるわけで
あんなに頼れって、あんなに優しくしてくれたのに、叱ってまでくれたのに
どうして、未だ彼らを信じずにいるんだ
___________いいことばかり信じるのか
___________ここが夢かもしれないのに
……………ゆめ?
…あれ、ゆめ、?ここは、
いや違う、ここは、現実なはず、
だって床は冷たい、頭が痛い、
体は,幾分か思うように動いている
……だから、夢じゃない、……ぁれ、そうだよね?
___________いいことばかり信じるな
___________お前が役に立てたことがあるか?
“あっちいってろ”
“何もしなくていい”
“…何してるの?”
“役立たず”
rm「っ、!!っぅ、ぅ”ッッ、!!、」
わからない、どっちが現実?それ、どこで言われたやつ?
頭が痛い、痛い、やめて、それを俺に聞かせないで
“一緒にいよう”
“うんと甘やかしてやるよ”
“りもこん、悪くないよ?”
どっち?どっち、?ここはどっち?
夢か現実かももうわからないの、会いに行ったとき、何を言われるかわからないの
ここが、みんなが優しい場所なのか、それとも、突き放される場所なのか
そもそも、どっちが本当のみんななのか?
rm(だれか、あいたい、あいたい、)
現実的な温もりを感じたのはきっと、優しい方
俺が向き合わないといけないのはきっと、冷たい方
……わからない、どっち?
___________優しいことに縋るな
“1人で解決できなかったからこんなになってんだろ”
……会いたい
___________我儘!何言っても伝わらない
___________また後悔するだけ!!
あと一回だけでいいから!!!!
優しいみんなに会えるのは、あと一回でいいから
一回だけ、一回だけ会いたい、もう一度
そしたらもう、、にげないから
それが、最後で構わないから
___________……苦しむだけなのに
rm「っ、だれか」
おそらく涙でぐしゃぐしゃになった顔を歪めてドアノブに手をかける
頭が痛い、喉から発せられる声は、ひどく弱々しくて、自分の声だと認識するのに時間を要した
……がちゃ
リビングへ続く扉が音を立てて開いていく
眩しい、さっきの部屋は橙に薄く光っていて、薄暗さがあったから
リビングの白い光は、自身の頭痛の悪化を招いていく
……ぃたい、これちゃんと立ててるかな、?
床は冷たい、気がする、下を向いて、足がちゃんと地に着いていることを確認した
「りもこん?」
顔を上げる
……視界が鈍いせいで上手く見えない、でもきっと、目の前にいるのは、
rm「……か、ざね、」
抱きつきたい衝動、抱きしめられたい欲望
それでも、最悪の可能性が脳裏をよぎって、手をゆるゆると前に伸ばすことしかできない
…暖かい手が、自身の冷たい手を包んだ
rm「……ぁ、……ぅ”」
あぁ、ここ、優しいところだ、
そう思った瞬間、意識せずとも体は勝手に動き出す
平衡感覚がぶっ壊れた体で、無理やり前に進もうと体を動かして、
倒れそうになり、しかしそこで自身を受け止める何かがあった
……抱きしめられた、俺も、相手を抱きしめる
頭の痛みが脈打つように流れてくる
それでも、体全体は安心したかのように弛緩する
力の抜けた体は、抱きしめた相手ごと、ゆっくりと沈んで地べたに座り込む
kz「っ、りもこ、」
rm「…ぃっしょにいて」
kz「……へ、」
rm「一回でいい、夢でもいいから、最後でいいから」
rm「一緒にいて、」
kz「……」
あぁ、黙っている
___________困らせてしまった
……わかっている
優しく頭を撫でられる
この暖かさで、幾分か痛みは和らいだ気がしたのに
沈黙の中で、また痛みが主張していく
kz「…夢じゃないよ」
息が詰まる
顔を上げれば、心配そうに歪んだかざねの顔が、今度ははっきりと見えた
kz「夢じゃない…最後じゃないから」
kz「…1人にしないって、言ったろ」
そう言って、彼は強く抱きしめてくる
暖かい、じゃあここは現実?信じてもいい?本当に?
目が覚めたら、なんてこと、ない?大丈夫?
涙がまた溢れてくる
喉が渇いているくらいなのに、もう、目元が痛くなるくらい泣いてしまったのに
みんなといる時は、笑っていたいのに
rm「……っ、ごめ、」
rm「ごめん、っごめんなさいッ、し、しゅうとの、体調不良、き、気づけッなくて、」
kz「…っ、」
rm「困らせてばっかで、ッッ役に、立てなくて、ッ」
kz「……ぅん、」
rm「き、嫌われるッかも、って思ったらッッ、も”、ぁうの、怖くてッッ、」
rm「頼り方も、ッわかんな”くて、寝れ、なくてっ、ッッぉ、怒らせ、ちゃってッ」
kz「……」
rm「限界、わかんなくてッッごめんなさい、夜、起こしちゃってッごめ、ごめんな、さぃッ」
rm「っ、ね、寝るの、こわ”ぃの、たす、助ッけて、ッたすけ、て、ひとりに、ッしないで、み、っみんなと、一緒がいいッ」
kz「………」
嗚咽混じりで、ちゃんと届いているかも怪しい、支離滅裂な言葉の羅列
それでと、彼は黙って俺を抱きしめる
ぎゅっと、強く、苦しいくらいにしっかりと
fu「ようやくちゃんと言ったな、りもこん」
何年も一緒にいた、彼の声が響く
shu「ひとりじゃないよ、絶対に」
大きくて優しい、彼の手が背中に触れる
kz「……頼ってくれてありがとう、絶対助けてやるからな」
泣き出しそうな、それでも力強い彼の声が、心の中へ溶けていく
かざねの抱きしめる力が弱くなる
周囲を見渡せば、しゃがんでこちらを伺う緑と赤が映った
あぁそうか、気づかないだけで、他の2人もいたのか
そうか、さっきの声も、幻聴じゃなくて、
そう理解するのに、時間を要する程度に寛容な頭で、ゆっくりと状況を整理していく
rm「……ゅめじゃ、なぃ、」
fu「あぁ、夢じゃない」
かざねに回した腕を取って、ふうはやがぎゅっと握りしめる
fu「りも、痛いくらいでいい。納得するまで握りしめろ、それで確認しろ」
fu「ここは現実だ、不安なら、俺も握り返すから」
弱々しく、それでも自分の中では精一杯に握りしめる
それに応えるように、彼も痛くない程度に握り返してきた
暖かい、支えの存在を示すような力強さ
shu「りもこん、俺たちが怖い?」
確かめるように、しゅうとがそっと、片方のこめかみに触れる
もはや常時と言える程度に続いている頭の痛みに意識が向いて、ほんのり顔を顰めた
rm「……」
shu「…うなされてたね、俺たちの名前呼んで、ずっと謝ってた」
rm「…それ、は、」
返し方に困って黙り込む自分を見て、しゅうとは申し訳なさそうに笑った
shu「……俺が体調崩した時のこと、気にしてるんだよね」
体が震える、内側から冷気を感じる
じわじわと体が侵食されているのを知ってか知らずか、かざねが背中をさすった
shu「…あのね、あの時……」
shu「りもこんは気づいてなかったかもしれないけど」
shu「すごい体調、悪そうだったんだよ」
shu「俺より辛そうで、実際にあの時、40度超えてたんだよ」
rm「……ぅそ、」
kz「本当だよ、マジであの時は心配した」
fu「お前、喉痛くないと気付けないもんな」
fu「あの時俺、まじで焦ってたから、強めな口調になってたと思う、…ごめん」
みんなの様子から嘘をついていないことなんて長年の経験でなんとなくわかる
shu「…ね、りもこん」
最年少の声に引かれて視線を向ける
赤い瞳が、真っ直ぐに俺だけをみている
shu「俺たちのこと、怖いでしょう?」
先ほどと同じ問いを、もう一度、されどゆっくりと投げかける
rm「……ぁ、」
なんて答えたらいいかわからない
怖い、そう、怖いのは本当
でも同じくらい、一緒に痛くて、大好きなのも本当
shu「…」
shu「さっき、寝るのも怖いって言ってた」
shu「いつから?…俺が倒れた日から?」
寝るのが怖いのは、みんなに罵倒されるようになってからだ
役に立ててなくて、叱られること、見放されること
不要だと判断されること、その恐怖に気付いてから、だ
ありがたいことに、俺の中で世界は二つに分かれてる
俺が怖い方はちゃんと怖い
すでに失望されていて、いらないのだと何度もナイフを投げられる
暗い、冷たい場所
でも、ここは、
“あっちいってろ”
________ズキン、
………ぁ、れ、
“んでこれできたんだよ”
________ズキ、ズキン
………ここは、
rm(……ここは、…?)
……ぁれ、ここ、
そういえば、ここもあの時、もう、失望されて、
shu「りもこん」
rm「っ!!」
耳元に両手が当てられて、頭が挟まれる形になる
意識の焦点が、思考じゃなくて、彼らの方へ戻っていく
赤色のオーバーオールが、ほんのり辛そうに顔を歪めていた
shu「今多分、いけない考え方してる」
shu「俺らを見て」
rm「……しゅ、ぅと」
しゅうと、しゅうと、しゅうとがいる
わからない、今は夢だっけ、いや違う、夢じゃないって、さっき、かざねとふうはやが、
shu「そう。ふうはやとかざねもいる」
kz「……」
しゅうとの言葉に応えるように、かざねがもう一度、俺を軽く抱きしめた
ふうはやも、握った手にほんのり力を込めた
何か言わないと、伝えないと、
嫌われるのが怖いんだって、みんなに、怖い事を言われて
それがずっと耳から離れないんだって
もう、夢も現実も一緒に思えて、わからない時があるんだって
でもどう伝える?おかしな話だと思われないか?
長々しい話になるかもしれない
伝わらないかもしれない
みんなを、困らせてしまわないか?
rm「ぁっ、ぅ、」
fu「余計なことは考えなくて良いんだ。誰もお前を責めてない」
ふうはやの声が響く
透き通った声だ、人の心に届く、力強い声
わかってる、お前らが優しいことなんてわかってる
だって今、俺は責められてない、みんなは待ってくれてる
俺が話し出すのを、目を見て、体に触れて、待ち続けてくれている
rm「……っ、」
でも言葉が編み出せないんだ、どうしたらいい、
どうしたら伝わる、どこまで言葉にしたら良い
rm「っ、…ッッ」
kz「無理しなくていい、ゆっくりで良いから」
わかっている、でもどこかで焦りを感じる
あまり待たせすぎてはいけない、ゆっくりで良いと言ってくれているのに、
こうして待たれていると、言葉すらも残せず時を喰らってしまう
fu「じゃあ、こうしよう」
突然彼が声を上げた
握った手を離して、片手を俺の肩に置く
fu「今後またお前が迷うなら、俺らがそばにいる」
fu「その代わり、お前は俺らに助けを求めることが絶対条件だ」
rm「……たす、け」
迷うなら、そばにいてくれる
その代わり、俺は、ちゃんと助けを求める、
fu「さっきかざねに言ったみたいにすればいいんだよ」
fu「助けてって、一言だけでも言ってくれたら良いんだ」
fu「俺らはお前のために動けるから」
そう言って、ふうはやがふっと優しく笑って手を引いた
“あっちいってろ”
かつて彼から言われたかもしれない、夢が現実かもわからない言葉が脳裏をよぎる
それでも今、彼は確実に、そばにいてくれると言った
横から頭を擦り付けるようにして、かざねが俺の体を寄せて抱きしめる
お互いに寄りかかる形で
kz「…俺たちは絶対に拒絶しないから」
kz「怒られたって、嫌われたって思ったら、逃げて良いから」
kz「嫌うなんてことないから、そう思うようなことがあるなら、そんなこと信じなくて良い」
“なんでいんくにいるの”
shu「うん、…体調だって、悪かったらすぐ言ってくれて良い」
shu「少しでも頭が痛いなら言って欲しい、立つのが辛いなら支えたい」
shu「元気なふり、しなくて良いから」
“なんでもっと元気に振る舞えないかな”
否定されていく
かつて何処かで、他でもない彼らから放たれた言葉が、他でもない彼らから否定されていく
rm「…んで、…そこ、まで、」
どうして、そんなに優しいの
なんで、そこまでしてくれるの、みんな
fu「大切だからに決まってるだろ!」
rm「んっ、む、!」
いつも通りの明るい声で、リーダーは俺に抱きついた
それに乗って、しゅうとも覆い被さるように抱きついてくる
重たい、3人から抱きつかれてる、こんな時期には暑すぎる
………なのに、こんなに心地いいのは、どうして
fu「俺ら全員、互いに好き同士なんだよ。お前もだろ?」
fu「困ってたらそばにいる。支え合うなんて当たり前」
fu「それがいんくだ」
あぁ、だめだ、やばい、また泣きそう、
そうだった、こいつら、どうしようもないくらいお人好しで、優しいんだった
おれの知ってるいんくは、そうだった、
………じゃぁ、もう、ちゃんと信じて、いいかな、
“ありがとう”
その言葉が言えるまで、あと三秒________
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