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目が覚めると朝だった。
昨日のことは全く忘れはしなかった。
怪物のこと…この世界のこと…そして不思議なお守り…
何がなにやらさっぱり分からない。
「お、加奈、起きたか。」
芽衣が私の部屋に入ってきた。
この建物は多くの個室が存在していて40室ぐらいあるそう。
「なんかみんなで会議室に集合だってよ。」
「会議室で?」
「主催者が呼んでるそうだってさ。」
この異世界には主催者がいる。
何が目的でどうやってこんな不思議なことを作ったのかは分からない。
会ったこともないので胸を張って会議室に向かった。
「お、加奈。昨日はお疲れさんだったな。」
「何やら主催者から全員に話があるとか言うとるで。」
突然未来科学のような空中で映像が映し出されている。
「みなさんご機嫌よう。昨日は素晴らしい戦いを見せてもらったよ。」
「なぁ加奈。カメラなんてあったか?」
「いや…ないと思うけど…」
「残り9体。頑張りたまえ。」
「おい!さっさとここから出せよ!」
みんながブーイングしてる。
もちろん私も。
「まぁまぁ落ち着きたまえ。怪物は9体。それぞれ別々の怪物だ。君達はそれらを倒し切ってからここから解放して差し上げようと前にも言ったであろう?」
「そして1番最初の怪物は1番弱い。残りの数が少なければ少ない程強くなる。君達が死なないことを願うよ。」
「死んだ仲間を返せ!」
「そうだ!そうだ!」
「そもそもなんでこんな事をするんだ!」
私が1番思っていることを芽衣が言ってくれた。
「知りたいかい?」
「…」
「あぁ!知りてぇよ!なんでこんな残酷なことをやらなきいけねぇんだよ!」
「それはお楽しみにしておこう。」
「楽しみじゃねぇよ!」
「次も頑張りたまえとしか言えないな。」
「そもそもお前どこにいるんだよ!」
「それも言えないな。」
「じゃぁ何言ってくれるんだよ!!」
「うむ…そうだな..質問してもらわないと分からないね。まぁ私やこの世界に関する質問は無理だね。」
「私がこの世界から出たらあんたをぶっ叩くからね!!」
「あぁ。自由にしてくれ。」
「ぼ..僕だけでも返してくれませんか..?頼りないし、何をしても足でまといだし…」
「直樹…自覚してたんやな…」
「そこは慰めてよ…」
「死んでくれても構わないのだぞ?死ねば全ては無になるだけだ。嫌な思いをするよりかはマシだとは思うが?」
「た…確かに…で、でも!死ぬの怖い…」
「そろそろ時間だ。それでは次に会うのはいつか、楽しみにしているよ。」
画面がプツンと消えた。
「なんだよアイツ。見るだけで楽しみやがって。」
「北澤。それアイツに聞こえてるんじゃない?」
「…確かに。」
私はひとつ不思議に思っていることがひとつある。みんなは気づいているのだろうか。
「どした加奈。顔が険しいぞ。」
「あ、いや…みんなってさ…」
「ん?何言ってんだ?みんな大体2025年だろ?」
「おい…芽衣…2025年って言ったか?」
「え?うん。どうしたんだよみんな変な顔して。」
北澤は言った。「俺は…2006年だぞ..?」
喜津音は言った。「こっちは1999年やで?」
夏葉は言った。「2025年で同じだけど..?」
直樹は言った。「2027年…」
海は言った。「2020年。」
美月は…何も言えない…
全員西暦が違う…
いや…夏葉は同じだった。
昨日の怪物退治の時。不可解なことがあった。
銃というものを知らないー
それに服装も今とは違う不思議な感じがした。
「直樹って2027年なのか??」
「え…うん。」
「俺より未来…」
「いやいやそんなこと言ったら私たちにとって芽衣達も未来だよ!」
みんながパニックになってきた。
私のこの一言だけで状況は一変、怪物や主催者の話ところでは無くなってきた。
「おい加奈!なんでこのこと先に言ってくれなかったんだよ!主催者にこの質問できなかったじゃん!!」
「そんなこと言われても…」
「まぁしゃあないわ。でも何で気がついたんや?」
「みんなが銃知らないって感じだったから…でも喜津音は知ってるもんね。」
「あぁ、あれかいな。」
「ねぇねぇ加奈。銃ってなぁに?前も言ってたけどよく分からないわ。」
何故同じ西暦の夏葉が銃を知らないんだろう…
山育ち..?
「みんな…元号って何…?」
「俺らは令和だよな。」
「こっちは平成やな。」
「私は簡喜…」
「え、なにそれ…」
「僕は樹生。」
「え…同じ..」
「俺は焼成だな。」
喜津音が同じ元号…
夏葉と北澤はよく分からない…
直樹と海は分からないけど同じだった…
「これはどういうことや?」
「ねぇ1つ思ったことがあるんだけど…」
「直樹、なんだ?」
「僕らってもしかして世界線が違うんじゃないのかな…?」
世界線、つまりパラレルワールドで私たちは生きている、
現実と分岐した別の時空の世界線ということ。
「そんなこと…あるんか?別の奴らがここに集まってるんやで?」
「でもこんな場所があるんだから有り得無くはないよ..?」
みんなはシン…と考えながら
「考えてもどうにもならない。ここからいち早く出れるように、まずはそこからだ。」
「とりあえず夜を待って怪物がどんな感じが見てみよう。」