コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
バスの椅子に座ると微かに温もりを感じた。このバスに乗っているのは星井と私、運転手だけ。
そんな田舎にもまだ人がいたんだ・・・なんて驚きながら携帯を取り出す。
親に連絡しようとしたがWi-Fiが届いていないことに気づいた。
「はぁ・・・外って不便だね」
「外というよりこの辺りかな、家もWi-Fi弱いし」
そう言って星井は微笑んだ。
「それにしても、今年の夏、暑いよな」
「そうだよね、結構暑いし・・・なんで冷房ついてないの?」
「冷房は故障だろうな、あー熱中症対策アイテム持ってくればよかった」
「こんな田舎で売ってるの?」
「・・・確かに」
そんな会話をしていると数分で目的地についた。
外は思っていたよりも涼しかった・・・というよりも車内が暑すぎたのだろう。
バス停から数分歩くと星井の家が見えた。
築100年程度はなっていそうな古民家で、少し懐かしい香りする。
3年ぶりだからだろう。小さく見えるその家は、夏のジメジメとした空気と安心感が混ざっていた。