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「ナックって潔癖症だよね?」
主様から発された言葉。あの日は日が強く少し風が吹いている日のことでした。
「…ええ。そうですが?何かご不満な点がありましたか?」
「ああ!いやいや違う違う!文句とかじゃなくて!」
少し焦り気味にいいながら頬を指で少し掻く。私は少し疑問に思いながらも主様は話を続けた。
「ちょっと試したいことがあってさ。」
「このナック、主様の望みとあるならば龍のうろこでもなんでも喜んで….」
「それはナックが大変だから大丈夫だよ!」
断られてしまい少し悲しかったが主様が突如手を握ってきた。
「じゃあ、これは平気?」
「ええ。」
「じゃあ….」
といいながら腕をグイッと引かれ抱きしめられて頭を撫でられましたね。その時幼い頃の記憶がフラッシュバックしましたね。
「召使いさん、今日お父様は?」
「遅くなりますが、帰ってきますよ。」
「..そうですか…♪」
子供の頃の私は父が帰ってくる事があまり少なく、帰ってくること自体が嬉しかったですね。帰ってきて優しくハグをしてくださるのはもう当時の時の夢でした。
「お父様!お帰りなさい!」
「今帰ったぞ、ナック。」
扉の開け閉めの音が家の中に屋敷に響き渡り私の部屋にまで聞こえましたね、私はその音を聞き駆けて階段を降り、父に会いに行きましたね。
「あの、お父様…」
「明日も早いからごめんな。」
「そうですか…」
そう言い父は颯爽と行ってしまいましたね、ハグをしてくださると思っていたあの頃がとても恥ずかしいです。確かあの日の次の日はお父様と一緒に仕事があるので落ち込んだ足取りで部屋に戻りましたね。
睡眠を取り数時間がたって父と仕事へ向かいましたね。上手くできた時には褒めて貰ってました。
「偉いな!ナック。」
「ありがとうございます、お父様!」
「さすが俺の子だ。」
父はそう言って私を抱きしめて頭を撫でてくれたことは今でも覚えています。仕事が終わったあとのご飯は肉ということもあったので食が進みませんでしたね。
「どうした、ナック食べないのか?」
「….すみません、食欲がなくて。」
「そうか、無理しなくていいぞ。」
そんな事が頭の中にあった中、主様の声でふと我に返りました。
「ナック….?」
「どうされましたか?」
「いや、何もないよ。」
私はナックを抱きしめているとナックの手が小刻みに震えているのを感じ、さらに私は強く抱き締めた。
「どうされなんですか?主様。」
「ナック、震えてるよ。」
「…..っ!」
「大丈夫?ナック」
「ええ、大丈夫ですよ。」
大丈夫というナックは凄く小刻みに震えており、ポタリと服に涙が着く。
「ふふっ、大丈夫じゃないじゃん。」
「すみません、主様。」
「ねぇ、ナック。」
「どうされましたか?」
「人生は広いんだからさ、”自分の好き”に生きなよ?たとえ身体に傷がついても、悪魔執事だと罵られても、知ったこっちゃない!自分が幸せになれる、幸せになるって決めた道なんだからさ。」
「主様…」
そう言った主様は椅子から立ち上がり足速に部屋から出て行きました。ほら、ナックー!と言いながら走っていく主様を追いかけて、主様見張り台へと向かいました。見張り台の扉を開けると主様は屋根へと向かって行きました。
「主様?!危ないですから、降りてきてください!」
「私は大丈夫だよ!」
「ですが….」
「いいから!」
と主様は言いながら屋根の上を歩き始めました。すると屋敷の出口あたりにある屋根で止まりストンと座りました。
「私ね、ここから見るエスポワールの街が大好きなの。」
「….素晴らしい!」
「でしょ?」
「ええ。」
「どうせ、人間死ぬ時は一瞬なんだからさ。好きに生きよう?」
「…..そうですね。」
そう言った主様はふわっと笑いまた歩き始めた。
「ここから見る景色はぜーんぶ特別なんだ。」
「ふふ、そうですね。」
「風邪ひいちゃうし戻ろっか。 」
「ええ…って主様?!」
戻ろうと言った貴方は屋敷の屋根から飛び降りていき私は慌てて後を追うように飛び降りた。
「アモンー!!」
「主様?とナックさん?!」
「すみません、アモンくん」
主様は大声でアモンくんを呼ぶとアモンくんはあたふたしながら主様をキャッチしました。
「さすがアモン!」
「ナックさん、どうしたんっすか?」
「主様が急に屋根から落ちてしまって…」
「も〜主様、屋根から落ちたらダメっすよ?」
「はーい」
少しムスッとした顔をしアモンくんから降り私に手を差し出してきました。
「ん!」
「主様、これは?」
「手繋ご!」
「ええ〜ナックさんずるいっすよ!」
「ですが、アモンくん」
「主命令!」
「なら……失礼しますね。主様」
私は主様の手をそっと握りアモンくんの居る庭を後にしました。
「私は、どっちのナックも好きだよ。」
「…..!ありがとうございます。」
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#死ネタ、流血表現、暴力表現
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