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ほとけ side
💎『…いふくん、……ぼく、いふくんのこと……!』
放課後、僕は幼馴染みのいふくんに告白をしようとした。ずっと前から大好きだった。思いに気づいたのは中学三年生の卒業式の日だった。
💙『っ……ほとけ!』
僕が「好きです」と伝えようとした時、いふくんが僕の言葉を遮った。
💙『あの……さ、俺……お前と幼馴染みのし親友で良かったよ。これからも、親友としてよろしくな。』
💎『あ、っ……あぁ、っ………!』
いふくんの放った言葉は僕が聞きたくない言葉だった。「親友としてよろしく」……そんなの、できないよ。僕は…親友と言う関係では満足できなかったのだから。
ぼくが黙ったまま俯いていると、いふくんは僕に心配するような言葉をかけた。
💙『…大丈夫か……?ほとけ、今日は体調悪そうやし……また今度教えてくれればええから、またな。』
そう言うといふくんは、僕の目の前から去っていった。そこで僕は察してしまった。……ぼく…いふくんに嫌われてるんだ、ということを。
そこからどうやって家に帰ったのか分からなかった。ただ、いつもより呼吸が薄いのを感じただけだった。
◇
💎『……いふくん…今日は一緒に帰れる……?』
💙『あー……ごめん、ほとけ。俺今日部活があるんよ、』
💎『……そっか…じゃあ、また明日……。』
…あの日以来、いふくんが僕に関わることが少なくなったような気がする。朝一緒に登校したくても、「気分転換に一人で登校したい」と断られ、放課後一緒に遊ぼうと言っても「今日は用事があるから」と、断られていた。
……やっぱり………ぼく、嫌われてたんだ。
ずっと、ずっと僕の勘違いだったんだ。僕は泣きそうになりながらも、校門を出て、自分の家へと向かった。
💎『………………………。』
💗『…あれ、ほとけっちじゃん!』
💎『え、っ……ないちゃん………?』
僕を呼び止めた人がいた。それは紛れもない親友のないちゃんだった。ないちゃんは「どうしたの?いつもはまろと帰ってるのに…」と、僕に聞いてきた。
💎『あ〜……えっと…………、』
💗『……もしかして………振られちゃったの……?』
💎『……うん、………。』
ないちゃんは「ごめんね」と僕に謝りに、僕の頭を優しく撫でた。
ないちゃんには僕がいふくんのことを好きだということを言っていたため、この告白のことも唯一知っている。
💎『……でも、告白される前に……遮られちゃって……』
💎『「これからも親友でよろしく」……って、言われちゃった、』
💗『…そっか……辛かったね、ほとけっち…………。』
ないちゃんは僕を心配するように瞳を揺らしていた。僕は泣きだしそうになるのを必死に堪えながら話を続ける。
💎『それで、ぼく、っ……なにもいえなくって……っ』
💎『あんなこと言われたら、僕だけ期待してたんだって惨めになってくるの、っ……!』
僕は必死にないちゃんに伝える。
ないちゃんは黙って僕の話を聞き、優しく手を握りながら聞いてくれた。
💗『……大丈夫。きっと、ほとけっちの思いは報われるよ。俺もいるから…絶対大丈夫。』
💎『っ…ないちゃ、っ……ありが、……と…………!?』
ないちゃんの優しい言葉に感謝の言葉を並べようとした僕だったが、目の前で信じられない光景が広がっていて、思わず目を見開いた。
ないちゃんもそれに気づいたようで、僕の視線の先をみる。そこには……
💎『いふ、くんと……しょー、ちゃっ……?』
🤍『まろちゃん、だーいすきだよ?♡』
💙『……俺もだよ………初兎。』
🤍『んふふっ、やっといむくん引き剥がすことが出来たね?これからは二人の時間大事にしてね……?♡』
💙『………わかってるよ、』
💎『ッ…あ、ぁっ………い、やっ……!!』
二人は目の前でキスをした。しょーちゃんはなんだか照れているようでし幸せそうだった。
いふくんの顔はよく見えなかったが、多分……いや、絶対にしょーちゃんと同じ顔をしているだろうと思った。
💎『っ……なん、でっ…………!!』
💗『ほとけっち…………、』
どれだけ泣いたって、もういふくんは僕の涙を拭ってくれないたろう。それどころか、きっと…もう隣にいることも少なくなるだろう。
……あぁ、ずっと一緒にいたかった。僕はこの呪いのような想いを、いつ捨てることが出来るのだろうか。
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はじめまして!みりんこです!
テラーでは初めての投稿になります🙌 普段はプリ小説というアプリで活動しています!そちらもぜひよろしくお願いします!
コメント
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続きみたいです!!