テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
キングとターボーが同じ大学に通う大学生キングにクズ彼女が居る、可哀想
タボキンはタボキンで歪みまくりすぎ
彼女←キング←(重)ターボー
⚠️一部AI生成した画像があります
⚠️途中で出てくるDMのアイコンは私なので安心してください!無断使用じゃないです
⚠️実在する方々とはなんの関係もありません
最終的にタボキンに持っていきますが、キングが彼女さんに依存しかけてるので苦手な方は🔙
____________________
この時期に思い浮かぶものといえばクリスマスだ。やっぱりこの時期見かけるのはカップルが多いなと思う。実際、今日だってカップルだらけだ。
俺も、彼女…結菜と出かける気でいたが、どうも外せない予定があるそうで諦めた。この寂しさをどうにかしようと、昔からの親友である隆弘、ターボーに連絡をしてみる。
「ターボー、今日会えるか?」
と送ればすぐに既読が着く。暇かよ。人のこと言えないけど。
「は?彼女は?会えるけど」
「あー、予定あるらしくてさ。今△△駅の近くにいるから来てくれないか?」
「そこなら近くにいるから今から行くわ」
というメッセージに、ありがとうのスタンプを送って画面を閉じる。
ターボーもいい感じの女の子とかいんじゃねえのかな、知らないけど。若干の申し訳なさも感じるけど、ターボーは嫌なら断るだろうしなと思い直す。周りを仲良さげな恋人たちが通り過ぎる度になんだかソワソワする。悪い方に沈んでいく。
__あー、早く来てくれないかな
「キング……?」
いつの間に来てくれていたのだろう。俯いてばかりで気づけなかった。
「あ、わり。ちょっと考え事」
「…そ?まあいいけど」
「あんま聞かない方がいいかもだけどさ、彼女さんの予定って何?」
イルミネーションやってる公園が近くにある、とターボーから教えてもらい、そこへと向かいつつそんな質問を投げかけられる。
「教えてくれないんだよ」
「はあ!?そんなの許せねえだろ」
「まあまあ、俺だって彼女にでも教えられないこともある…あるよな?」
「無さそうに見えるけど」
「あ゛ー…もういい、忘れたい」
「はは、…忘れさせてあげよっか?」
「…え?」
「いやいや冗談だよ笑 俺たち親友だろ?あー、やっぱ呑みにでも行く?」
「だよな、びっくりした」
言いつつ、呑みはいいかなと断りを入れる。
忘れたくはあるけど酒に飲まれてはいけない気がした。
「ん、あれ…って」
ふと呟いたターボーの視線を辿る。
「え?…、っ!」
そこには、知らない男と腕を組んで歩く結菜が居た。
なんで?どうして、俺が彼氏なのに?
気持ち悪い、帰りたい。怒る気力もない。
ほぼ無意識だけど証拠写真だけ撮ることに成功した。辛い。写真として形に残っても受け止めきれない。
気づけば、家に向かって走っていた。
後ろからターボーに呼び止められた気がするけどそれに応じる余裕はない。せっかく来てくれたのに申し訳ないな、後で謝らないとな。今謝る余裕なんかない。涙で視界がぼやけて躓いても止まらずに家へと走る。
「っは…ぁああ……」
なにもかも、全部から逃げたくて全速力で走ったせいで息が切れる。おまけに涙も止まらないから呼吸が苦しい。
ひたすらに泣いたおかげか、先程よりは落ち着いてきた。
未だ震える手で彼女にメッセージを送る。
そうだ、全部勘違いかもしれない。
勘違いであれ、という淡い期待は砕け散った。
でも、別れようという発言を止めてくれて嬉しい気持ちもあった。
__突然、だいぶ前にターボーに言われた言葉を思い出した
『クズなやつの特徴だってさ、散々酷く扱ってきたくせに別れは必死に縋って止めてくんの』
話の流れでそういう話題になった時に、スマホ画面を見せながらドヤ顔で教えてきた時の…
なんだか、思いとどまれた。辛いけど、別れるべきだから。
電話に出る気も起きない。
別れたくないと言ってしまいそうな気持ちを抑えて、もう一度別れようとメッセージを送った。
…するとどうだろう
今までの優しかった結菜からは想像もつかないような酷い言葉で罵られる。
もう全部取り返しがつかないんだ。大好きな結菜と一緒にいることは二度とない。
悲しいとかとっくに超えてるから涙も出ない。泣きたいけど泣けない。
ターボーと話したいな…
あれ、何で今ターボーのこと考えてるんだろ。
もう全部分からないけど、ターボーは俺に正解を教えてくれる気がした。
そんなことを考えてれば、見透かしたようなタイミングでインターホンが鳴った。
確認するまでもないけど、一応見てみればやっぱりターボーだった。深夜なのに来てくれて嬉しい。話したかった。
「!キング…」
俺が出迎えたことで一瞬はパッと明るくなった顔が、泣き腫らして赤くなった目を見てからはシュンと子犬みたいになった。それには触れずに、先ほどのことを謝る。
「ターボー、さっきはごめんな…せっかく来てくれたのに」
「いや、いいんだ。それよりキングが心配で…」
「もう忘れたい、全部。全部…」
「…一旦部屋行こ」
ターボーは、ここがまるでターボーの家かと思うほどナチュラルに部屋まで歩いてソファに座った。そして、隣に座れと言わんばかりに隣をポンポンと叩く。ここ俺の家だぞ?とは言わずに大人しく隣に腰をおろす。
ソファに並んで座ると、ターボーは何も聞かずにテレビをつけた。 リモコンを操作する指が迷いなく、 深夜帯のゆるいバラエティ番組にチャンネルを合わせた。
甲高い笑い声。
どうでもいい芸人のどうでもいいやり取り。
誰も傷つかない、でも意味のない時間。
「キング、これさ」
ターボーが言う。
「考えなくていいから楽だろ」
音量は少し小さめ。 会話を邪魔しない程度。
でも、それがものすごく心地よかった。
俺が何も返さないのを見て、 ターボーは何でもないみたいに毛布を持ってくる。
「キングは冷えると余計なこと考えるから」
肩から、丁寧に毛布をかけられる。
俺でもよく分からないことを全部お見通しなんだからターボーには敵わない。
「サンキュ」
「ん」
テレビの光が、二人の顔を交互に照らす。
笑い声が鳴るたびに、 今この瞬間が非現実的な世界へと染まる。夢だといいのにな。全部。
「今日くらいさ」
そんなことを考えてれば、画面を見たままでターボーが言った。
「俺だけ見てよ」
冗談みたいな声。
でも、笑ってはいなかった。
「…ああ」
そう答えた瞬間、何かが崩れたような気がした。でも、何故か落ち着くんだ。
ターボーは満足そうに、ほんの少し距離を詰める。 腕が触れる。避けようと思えば 避けられるはずなのに、体が動かない。
「さっき、彼女から連絡きた?」
「……電話」
「出なかったんだ」
「出る気になれなかった」
「偉いな」
その言葉で、胸がひやっとする。
褒められる理由が、どこにもないのに。
「もう今日はさ」
顔を覗き込んで目をしっかり合わせてからこう続けられる。
「考えなくていいこと、俺が預かるから」
預かる、という言葉が
やけに優しく、重く響いた。
しばらく、テレビの笑い声だけが部屋に残っていた。 キングは毛布にくるまりながら、呼吸が落ち着いていくのを感じていた。
ここは安全だ。
少なくとも、そう思いたかった。
「……なあ、キング」
ターボーが、不意に声を落とす。
「今日…いや、日付変わったし昨日か。昨日ささあ」
昨日…結菜と、知らない男を見た昨日。
結菜に暴言を吐かれて何もかも失った昨日。
胸がきゅっと締め付けられた気がした。
「どこ歩いたか、覚えてる?」
「……駅前」
「そのあと」
喉が鳴る。
答えなくても分かっているくせに、聞かれているのがなんだか怖かった。
「あの、イルミネーションの」
「公園」
言い切られて、息が止まる。
ターボーは、テレビを見たまま続けた。
まるで本当に、どうでもいい話みたいに。
「なあ。俺があそこ行こうって言ったの、偶然だと思ってる?」
心臓が、一気に冷えた。
「……え」
声が、情けないくらい掠れる。
「違うよ」
静かな声。
「結菜さんがあそこにいるの知ってた」
世界が、ずれる。
「は…?なに、言って」
「前に見たんだ。知らねえ男と一緒に居るとこ」
頭が追いつかない。
理解したくない。
理解した瞬間、全部壊れる気がした。
「じゃあ、じゃあ!!昨日の、全部」
「うん」
ターボーはようやくキングを見る。
「最初から」
呼吸が浅くなる。
指先が冷たくて、力が入らない。
「……じゃあ俺が、あれ見て壊れるのも」
「想定内」
淡々と言われて、
背筋にぞわっとしたものが走る。
「ひど……」
言葉が続かない。
「ひどいよ」
ターボーは、あっさり認めた。
「でもさ、必要だった」
「……なにが」
「お前が完全に、行き場なくなること」
その瞬間、はっきり分かった。
――逃げ道を、全部潰された。
「裏切られてキングの全部否定されて、戻る場所がなくなる」
ターボーの手が、キングの手首にかかる。
力は強くない。
でも、離せない。
「そのタイミングで俺が一番近くにいれば、キングは俺を見るしかない」
頭が真っ白になる。
「っ!やめろ」
声が震える。
「怖い?」
少し首を傾げて、ターボーが聞く。
笑っているのに、目が笑っていない。
「でもね、キング」
手首を引き寄せられ、距離が詰まる。
「もう一人で立てないでしょ」
それは責める言葉じゃなかった。
事実をなぞるだけの声。
「彼女に否定されて、世界が壊れて」
「俺が来なかったら、どうなってた?」
答えられない。
想像したくもない。
「だから俺が来たんだよ」
「…優しさ?」
「違う」
即答だった。
「選択」
息が詰まる。
「お前が俺を選ぶしかない状況を作っただけ」
頭がぐらつく。
涙が出そうなのに、出ない。
「……最低だ」
「うん」
ターボーは頷いた。
「それでも、今俺の腕の中にいる」
背中に回された腕が、逃げ場を完全に塞ぐ。
「ほら」
低い声で、耳元に落とされる。
「ちゃんと、堕ちてきてる」
怖い。
最低だと分かってる。
それなのに、
この腕から離れたら、
もう何も残らない気がして。
「……助けて、ターボー」
絞り出すように言った。
ターボーは、一瞬だけ黙ってから、
ゆっくりとキングの頭を撫でた。
「助けてるよ」
優しい声。
「他の全部壊してさ、だいぶ酷いやり方だけど」
その言葉が 絶望なのか、救いなのか分からなかった。
でもキングは、
震える指でターボーの服を掴んでしまった。
それを見て、ターボーは満足気に笑った。
――檻は、もう閉まっていた。
____________________
🍀おまけ ふたつあるよ>ω<
①どっちがクズで
キングが眠ったあと。
俺は、もう何度見たかすら分からない画面を見ている。
——あの時、彼女…元カノからキングに届いたメッセージ。
罵詈雑言。
人格否定。
読み返すたびに、
胸の奥がひりつく。
「……最低だろ」
低い声で吐き捨てる。
「人の気持ち踏みにじってさ」
「よく、こんなこと言えるよな」
スマホを握る手に力が入る。
「キングは、何も悪くない」
「傷つく必要なんかなかった」
そう言い切ってから、
一拍遅れて思考が追いつく。
——ああ。
(俺が、そこに立たせた)
でも、その考えはすぐに沈める。
「いや」
「俺は守った」
「結果的にはさ」
キングは今、 ここにいる。
泣きながらすがることもない。
選択に怯えることもない。
「だからいいんだ」
誰に向けるでもなく、
そう結論づける。
画面を伏せ、
キングの寝顔を見る。
「……全部、俺に任せて」
その言葉だけは、 本気だった。
②結局俺が
ある朝、コーヒーを淹れながら ふと思い出す。
——あの時期。
キングの彼女のSNS。
趣味。
行動範囲。
「この店、男多いんだよな」
「ここ行くって言ってたな、確か」
独り言みたいに呟きながら、
偶然を装って情報を落とした。
「最近、キング忙しいみたいだし」
「寂しいんでしょ?イケメン多いらしいしいいじゃん」
「〇〇、結菜さんのこと好きらしいよ?二人で行けば?」
直接言ったわけじゃない。
ただ、匿名で “種”を撒いただけ。
浮気するかどうかは、
向こうの問題。
—
「……まあ」
カップを置いて、
小さく笑う。
「するって分かってたけど」
キングが、
裏切られる顔を。
泣いて、 逃げて、
縋る未来を。
最初から、
思い描いていた。
「俺が一番最低だな」
そう言いながら、 後悔はしない。
だって。 その結果、 キングはここにいる。
「計算通り」
その一言で、 全部が片付くんだから。
____________________
読んでいただきありがとうございますᐢ ̫ ᐢ
また閃いて書きました
酒のせいも書いてますが進まないので(;;)
別のシリーズそのうち5つほど出しても良いですか?(>ω<;)⬅️多
・隣人ターボーまさかのモデルなお話
・幼少期キングの家庭環境最悪だった世界線の話
・ガチ病みキング
・シリアス続きなのでギャグラブコメ
・キング愛され キング右のいろいろなお話
など…♩
♡2000で続き書こうかなつω<🩸
不安なのでコメントくれたら嬉しいです♥>ω<
コメント
18件
ねぇもう好き過ぎる🥹🥹💞💞💞 そうだよね、ターボーはキングのことを守ったんだよね…うん… どんどん依存してるのマジで好き🥹💞 ズブズブに沼ってほしい😖💞💞
ぐああぁ……最高すぎます🥲💧最高なタボキンをありがとうございます……‼️‼️💖💖シリーズ5つ、絶対みます‼️‼️‼️‼️

ターボーが激重なの最高すぎます、 色んな世界線書けるのほんとに尊敬です🥹 他のシリーズも楽しみに待ってます!