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2月22日、猫の日。
朝6時
すちは静かにキッチンに立っていた。
今日は“超本気・猫の日スペシャルメニュー”を作ると決めている。
エプロンをきゅっと結び、気合十分。
その背後で——
🦈「にゃーーーーーーー!!!」
🍵「うわっ」
リビングから爆音が響いた。
振り向くと、猫耳カチューシャ+しっぽ(安全ピン固定)+肉球手袋を装備したこさめが、
四つん這いで滑り込んできた。
🦈「本日のこさめは、完全体にゃんこです」
🍵「朝から情報量が多い」
🦈「すっちー、おはにゃん」
🍵「おはよう、こさめちゃん。テンションどうしたの」
🦈「猫の日だから合法です」
🍵「昨日も同じくらい甘えてたけど?」
🦈「それは通常営業にゃ」
どや顔。
すちはとりあえず味噌汁の火を止めた。
危険を察知したからだ。
🦈「今日はこさめも料理手伝うにゃ!」
🍵「不安しかないけど聞こう」
🦈「猫型ハンバーグ作る!」
🍵「いいね。成形できる?」
🦈「まかせろにゃ」
10分後。
まな板の上には、どう見てもUMAみたいな物体があった。
🍵「……これは何の生き物?」
🦈「猫」
🍵「どこが?」
🦈「心の目で見るにゃ」
🍵「心が試されてる」
しかもフライパンに入れた瞬間、しっぽ部分が分離。
🦈「すっちー!!!猫が脱皮した!!!」
🍵「してない、崩れただけ」
さらに肉球手袋のまま調味料を触ったせいで、塩が床に大雪のように広がる。
🦈「にゃあああああ」
🍵「こさめちゃんストップ、いったん手袋外そう」
🦈「猫は素手で料理しないにゃ」
🍵「猫は料理もしないよ」
正論パンチ。
結局、すちが光の速さでリカバリーし、完璧な猫ハンバーグが完成した。
🦈「すご……すっちー神」
🍵「こさめちゃんが嵐だったからね」
食卓に並ぶ、猫オムライス、猫ハンバーグ、猫クッキー。
完璧。
しかし——
こさめは椅子に座らない。
床に丸くなっている。
🍵「どうしたの」
🦈「猫なので床派です」
🍵「食べにくくない?」
🦈「……ちょっと首つらい」
3分で椅子に戻った。
🦈「いただきにゃす!」
一口食べた瞬間、こさめの目がうるうるする。
🦈「おいし……すっちー天才……こさめ、この家の飼い猫になる……」
🍵「恋人だよね?」
🦈「飼われたいにゃ」
🍵「発言が危険」
こさめは勢いよく立ち上がり、すちに飛びつく。
そのままバランスを崩し——
どん。
二人でソファに倒れ込む。
🦈「にゃ……成功」
🍵「何が?」
🦈「甘えアタック」
🍵「計画的犯行?」
🦈「もちろんにゃ」
すちはため息をつきながらも、こさめの頭を撫でる。
🍵「今日は特別。甘やかし無制限って言ったしね」
🦈「ほんと!?記録取ったよ!?」
🍵「録音してるの?」
🦈「猫は用意周到にゃ」
🍵「猫の概念が壊れかけてる」
こさめは満足そうにすちの胸に顔をうずめる。
🦈「すっちーあったかい」
🍵「こさめちゃんもね」
🦈「にゃ……」
しばらく静かになったと思ったら、急に顔を上げる。
🦈「そうだ!」
🍵「まだ何かあるの?」
🦈「すっちーも猫になるにゃ」
🍵「え?」
気づいたときには、すちの頭に猫耳が装着されていた。
🍵「……どう?」
こさめが固まる。
顔が真っ赤。
🦈「破壊力やば……すっちー美猫すぎ……」
🍵「こさめちゃんのほうがかわいいよ」
🦈「にゃあああああああ」
本日最大音量。
こうして猫の日は、騒がしく、過ぎていく。
来年もきっと、同じように。
ただ一つ違うのは——
すちは来年、エプロンの前に「塩は高い所に置く」と心に誓ったことだけだった。
猫の日だね💕
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