テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
200
115
#ラブコメ
奏多
857
187
**15:45.**
廊下は抑えた声のざわめき、笑い声、ドアのきしむ音で満ちていた。アスラはゆっくり歩き、オレンジジュースの入ったパックを唇に押し当てていた。高い窓から差し込む日差しが床に長い影を描いていた。彼女は気楽に友だちとのチャットをめくり、電話の画面に微笑んでいた。昨日、彼女は十八歳になった。
- 今日、授業の後で練習に行く?
- ううん、ママが買い物に寄ってって言ったの。あなたは?
- そっか、じゃあまた今度。数学のノート買うの忘れないで、私もうなくなっちゃった。
アスラは返信を打ち始めたが、送る前に背後で軽い衣擦れの音がした。彼女が振り向くと、すぐ近くにリユが立っていて、無表情だった。
「何時?」とリユは唇をほとんど動かさずに尋ねた。
アスラは自動的にジーンズのポケットに手を伸ばし、電話を取り出した。
「今…」彼女がロック解除のコードを打ち始めると、突然重くて冷たいものが後頭部に叩きつけられた。
世界が白い閃光で爆発した。ジュースのパックが手から滑り落ち、オレンジ色の液体を床に飛び散らせた。アスラは前に倒れ、額をリノリウムの床に打ちつけた。最後に聞いたのはリユのくすくす笑いとオータの声だった。
「よし、始まったぞ。」
**未知の場所。時間、未知。**
アスラが意識を取り戻した最初に感じたのは痛みだった。後頭部の鈍く脈打つ痛みで、まるでハンマーで殴られたようだった。動こうとしたが、手足が言うことを聞かなかった。何か冷たく硬いものが手首に食い込んでいた。
彼女は目を開けた。
光は古い電球のように薄暗かった。彼女はテーブルに横たわっていた。木製で、幅が広く、端がギザギザだった。肌が木に張り付き、汗が背中を伝っていた。アスラは起き上がろうとしたが、できないことに気づいた。手は背中で縛られ、足は広げられてテーブルの脚に固定されていた。
彼女は裸だった。
冷たい空気が肌を焼くように感じた。彼女は震え、膝を寄せようとしたが、縄が一センチも動かせなかった。恐怖で喉が締め付けられた。叫ぼうとしたが、胸から出たのはかすれたうめき声だけだった。
「やっと目が覚めたか」と上から声がした。
アスラは頭を上げた。
目の前にカオルが立っていて、腕を胸の前で組んでいた。彼女の目は人形のように虚ろだった。横にはリユの影が揺れていた。彼女の手には黒いベルトのようなものがあり…長くてゴム製のものが付いていた。
「どこ…どこに…?」アスラは恐怖で口の中に唾が溜まるのを感じながら囁いた。
カオルは答えなかった。彼女はゆっくり手を上げ、手に握った包丁の刃が光った。
「いくつか質問をするわ」と彼女は落ち着いて言った。「あなたは答えるの。答えないなら…」彼女は刃に指を這わせた。「少しずつ切っていくわ。」
アスラはさらに激しく震えた。涙が目から溢れ、汗と混じった。
「ど…どうして…?」
カオルは身を乗り出し、顔をほとんどくっつけるように近づけた。
「レンジはどこ?」
アスラは瞬きし、理解できずにいた。
「だ…誰?」
「とぼけるな」とリユが前に出て、ストラップオンをテーブルに叩きつけた。木が軋んだ。「あいつと一緒にいたのは知ってる。どの学校?どこに住んでる?」
アスラは後ずさろうとしたが、縄が手首に食い込んだ。彼女は叫び、テーブルで身をよじった。
「知らない、知らない、あなたたちが言ってる人が誰かわからない。」
カオルは退屈そうにため息をついた。それから電話を取り出し、アスラの前のテーブルに放り投げた。画面にはぼやけた映像が止まっていた。音も悪かったが、はっきりわかった。
アスラの母だった。
彼女は短いスカートを履き、髪を下ろし、安いホテルのベッドに座っていた。隣に知らない男がいて、彼女の服を剥ぎ取っていた。カメラは揺れていたが、母の声ははっきりと聞こえた。かすれて、酔っていて、笑っていた。
「いや…」アスラは囁いた。「いや、いや、いや…」
「わかるでしょ、私たちは質問に真剣よ」とリユが画面をタップしながら言った。映像が続いた。アスラは目を固く閉じたが、胸から迸った叫びがすべてを掻き消した。
その間、カオルは包丁を手に取り、アスラの指の上に置いた。
「一」と彼女は落ち着いて言った。
刃が皮膚に食い込んだ。アスラは叫び、手を引いたが、縄が手首にさらに深く食い込んだ。
「二。」
血が指を伝い、テーブルに滴り落ちた。
「三。」
*ちゃぽっ。*
指が跳ねて床に落ちた。アスラは吠えるように叫び、体が痙攣した。その間、リユは前に進み出して彼女の腰を掴み、ストラップオンを一気に突き入れた。
アスラは喉が裂けそうなほど叫んだ。
「あいつは…」彼女は涙を流しながら息を吐いた。「あいつは…学校に…市場の近くの学校…隣の地区…第八地区…ハルカ学校…」
カオルはまるで普通の情報のように頷いた。
カオルは考えた。
- アキは間違っていなかった。今はっきり確信した。あいつの居場所がわかった。
「いい子ね」と彼女は包丁をしまいながら言った。「リユ、もういいわ。」
リユは鼻を鳴らしたが、後ろに下がった。
**廃れた路地。20:13。**
アスラはアスファルトの上に丸まって横たわっていた。体が震え、服は曲がって着せられ、髪は汗と涙でべったりと張り付いていた。右手の指は汚い布で巻かれていた。彼らは彼女を放り投げ、警察に行けば母の動画をネット中にばらまくと脅した。
「嘘ついてたら戻ってくるから」とリユは彼女を蹴る前に吐き捨てた。「次はもっと大きいものを切るわよ。」
アスラは答えなかった。ただ横たわり、空を見つめていた。夕陽の最後の光が闇に沈んでいた。
どこか遠くでサイレンが鳴り響いた。
コメント
1件
うわっ…めっちゃ重い、めっちゃ怖い回だったよ…😭💦 アスラ、誕生日迎えたばっかなのに、こんな理不尽な暴力と恐怖に巻き込まれて…読んでて息苦しくなった。 カオルたちの冷徹さがマジで恐ろしくて、包丁のシーンとか読んでるこっちの指まで痛かった…。 でもアスラ、あの極限の中で学校の名前を口にして生き延びようとしたんだよね。その必死さが胸に刺さる。 母の動画も含めて、後味悪すぎるけど続きが気になりすぎる展開…エージェント67さん、めっちゃ引き込まれました…!