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___ 君の虹は、何色に見える?
fj side __
俺が彼奴の体の事について知ったのは
高校2年の夏の頃だった 。
軽音部に所属してた俺は他の奴に比べて
体力もないし体もヒョロく見えた
周りの奴らは運動部ばっかで体つきも良く
俺にとっては憧れだった
1 人 を 除 い て 。
そいつはサッカー部に所属していた
他の奴らよりずば抜けた長身で
スラっとした綺麗な顔立ちは
男の俺でも格好良く見えた
でもサッカー部にしては全体的に細く
むしろ、俺よりずっと細く見えた 。
彼奴とは中学からの同級生で
お互いに1番の親友と言える程だった
これからも死ぬまで一緒
なんなら死んでも一緒に居てやる
そう思ってた ___
___________________
fj ) お、キヨじゃーん
ky ) おぉ、久々
fj ) クラス離れてから会う事
めっちゃ減ったよなー
ky ) 何、寂しいって?笑
fj ) 思ってねーよ笑お前こそどーなの?笑
ky ) 別にー?笑
fj ) 別にとか言うなよ!
ky ) だって部活ねーとき一緒帰ってるし
fj ) それはそうか.. あ、今日部活ある?
ky ) ない 。お前は?
fj ) 休み
ky ) じゃ、帰るか
fj ) おう 。玄関で待っとく
___________________
fj ) .. おっせー、
ky ) わりぃ..遅れた
fj ) もー、このマイペース野郎が
ky ) だからわりぃって..笑
fj ) 早く靴履き替えてきてよ
ky ) おめーが止めてんだろ ..
何気ない会話も楽しかった _____
ky ) うぃ お待たせ
fj ) よし、行こ
ky ) おう 。
こうやってお互いの部活がない日に
一緒に帰るのが1番の楽しみだった 。
fj ) わざわざ家までありがと
ky ) ありがとって彼女かお前は
fj ) 素直に受け取れや
ky ) ごめんごめん笑 じゃ、また明日
fj ) うん 。明日ね
この日もいつも通り「また明日」の言葉を
交わし 、互いに笑い合った
この「また明日」が最後になるなんて
微塵も思っていなかった 。
__________________
fj ) … 今日も休みか
hr ) あっ、フジー
fj ) お、久々だなー
hr ) ほんとだよー 。キヨくんだけ
じゃなくて僕にも顔見せに来てよねー?
fj ) あー 、ごめん笑
てか 、なんで彼奴休んでるか知ってる?
hr ) キヨくんー?んー 、分かんないや
こーすけにも聞いてみてー?
fj ) だな 。さんきゅー
hr ) じゃーねー
fj ) こーすけ .. 探すか
___________________
fj ) あ 、居た 。こーすけー!
ks ) ん? .. うお!フジじゃん!
fj ) 久しぶりー
ks ) だなー!お前から話しかけてくる
なんて珍しいなぁ笑 なんかあった?
fj ) お察しの通り
ks ) なんだなんだー?
fj ) キヨ何があったか知ってる?
ks ) あー 、彼奴の事か 。
あんま詳しい事は分かんねーけど 、
なんか入院だとかなんとか?
fj ) 入院か .. っはぁ?!嘘だろ!?
ks ) いや 、キヨの母さんから連絡あって
理由分かんねーけど入院だってよ
fj ) 病院の場所は ?
ks ) 確かー .. あ 、○○大学病院
fj ) まじか … 放課後行ってやろ 、
よし 、こーすけ助かった!ありがと!
____ 放課後
fj ) .. いや 、遠っ … えーっと .. ここか 、
俺はゆっくり病室の扉を開けた
fj ) 失礼 .. します 、
入ってすぐ目の前にある光景に
俺は言葉を失った 。
fj ) ぉ … おま 、え ..
ky ) .. んん 、誰だよ .. っえ?!なんで!笑
fj ) うわっ.. !喋った … !
ky ) いや 、生きてるから俺
彼の声はいつも通りのハキハキとした声で
この狭い病室ではうるさいくらいだった
けど 、見た目は変わり果て 。ただでさえ
細かった腕は骨がはっきり分かるほどに
スラっとした綺麗な横顔はもう無く痩せ
細って痩けた頬だけが呼吸器越しに見えた
それでも彼は普段通りの明るい笑顔で
突然来た俺を出迎えてくれた
俺は彼からくわしい話を聞いた
彼 は 病 気 だ っ た ら し い 。
幼い頃から体が弱くよく寝込んでたそう
中学に上がってからは少し良くなり
部活も出来るほど丈夫な体になった
けど最近また調子を崩すようになり
いつどこでも薬が欠かせない体に戻った
その体で彼がどう思ってたかなんて
俺は知らない 。
でも1つだけはっきり分かることがある
「 つらい 」
それは彼奴が俺に言った唯一の弱音だった
お見舞いに行ったこの日 。
俺は時間が許す限り彼奴の手を握りながら
友達の話や思い出話
休んでいる間の出来事など
伝えたい事を全て伝えた
病気のことなんて忘れるほど
いままでで1番幸せな時間を過ごした
fj ) あ 、そろそろ帰らないと ..
ky ) もうこんな時間か
fj ) .. なぁ、キヨ
ky ) ん?
fj ) お前 ..
「 絶対死ぬなよ 」
ky ) ふっ .. 当たり前だわ!笑
fj ) じゃ、またね
ky ) おう、またな
俺に別れの言葉を告げる君の顔は
心無しか少し寂しそうに見えた 。
「 死ぬなよ 」
俺 は 彼 奴 を 信 じ る
___________________
蝉の声
風鈴の音
眩しく照らす太陽
真っ青な青空
この世界の全てがいつもより明るく見える
蝉の声と人のすすり泣く声
風鈴の音と数珠の擦れる音
眩しく照らす太陽とロウソクの火
真っ青な青空と彼の笑顔
彼奴は空へ旅立った
俺は何も思えなかった
遺影の彼は太陽の光よりも
ずっと輝く 眩しい笑顔 をしていた
今更何を思ったって時間は進んでいくばかり
それなら最後まで笑っていよう
彼の笑顔に応えるように
俺は
心の底から
笑ってみせた _____
そっちに行くまで待っとけよ
幸せになれ