酒「あ、やっと帰ってきた」
朝「ごめん、ぼーっとしてた」
酒「何やってんだよ」
R「…早く伊織さんを探しに行きましょう。」
朝「そうだな」
酒「きっともうここの階には居ないはずだから、エレベーターを使って降りるか」
R「動くんですか?」
酒「多分?」
朝「…まぁ、行けるんじゃないか?電気とか通ってるらしいし」
そういいながら、薄暗いエレベーターに乗り込んだ
【エレベーター】
エレベーターは人が5人ほど入れる広さで、特に狭くはなかった。
ただ、薄暗い。病院内は太陽の光のせいか明るかったが、ここは薄暗くて空気が冷たい
酒「じゃあ、扉閉めるぞ」
R「大丈夫です」
由鶴は閉じるボタンを押し、2階のボタンを押した
どうやらここは4階だての病院のようで、俺たちが居たのは3階らしい
朝「…」
R「…なんか、長くないですか?一階降りるだけですよね」
酒「そのはずなんだけど…」
朝「なんか、おかしくないか…」
その時、足の辺りから冷たさを感じた
朝「…水?」
足元から、水色の透き通った水が流れている
R「…これ、水没して行ってるんじゃないですか?」
酒「…まじ、か。どうする?」
朝「…と、とりあいず開くボタンを押そう」
俺は開くボタンを連打した
開くボタンの他に、全部の階のボタンも一気に押したが反応はない
酒「これ、ガチで死ぬんじゃ…」
R「天井は開きませんか?」
朝「俺1人じゃ届かない、Rc2、肩車してくれ」
R「わかりました」
Rc2の肩に乗り、エレベーターの上部を押す
だけど少しも動かない。そんなことをしている間に、水位は俺の膝辺りまできていた
酒「くそ…、一か八で撃ってみるか」
由鶴は二、三発銃を撃ったがしたが、少し凹んだだけでドアは開かない
酒「…詰んだな」
朝「…これ、死んだらどうなるんだよ」
R「それは僕にもわかりません。」
酒「…ここで終わりか」
もう完全に諦めモードだった。
今までの人生、やり残したことがたくさんある。
好きな女子に告白、友達と日本一周旅行。今思いつくのはこれくらい
…もう少し、生きたかったな
もう気づけば水位は首辺りまで来ている
冷たい水が服に染み込み、重い。体が鉛のようだ
溺死って苦しいってよく聞くし、怖い
R「僕の、肩に乗ってください!少しは生存時間が長くなります…!」
酒「ちょっと長くなったって、なんも変わんないだろ…!」
朝「…救助が来る訳でもないし」
もう、無理だ。
完全に顔まで水位が上がり、息ができない。
苦しい、あとどれくらいで死ねるのだろうか…
苦しい、辛い
朝「………」
…俺、死んだのか?
朝「ゲホッ…」
咳き込み、口に入った水を吐き出す。
少しずつ、視界が開ける。
朝「生きて…る?」
なんで助かった?
?「…生きてたんだね。」
朝「…誰?もしかして…」
Rc2に似た姿と学ラン。由鶴の話と一致している
朝「伊織…?」
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