「きりーつ 、 れー 、 ちゃくせーき .」
「ありがとーごさいましたー」
あざっしたー 、 そう 小さく挨拶をし、図書室にでも向かおうかと立ち上がる
と、
「おーい、おい、誠くん、?!俺とお話する言うたっしょ?!」
…知らない人だ、早く図書室に向かおう。
「あーもう、無視しないでって ! 」
腕を引かれる…はあ、仕方がない
「なんだよ…」
「お、見て見て、あの…えー…五十嵐生徒会長、!ここで見れるなんてなぁ!」
何を話そうとしてたか知らないが、彼女を見つけた瞬間話を逸らすのだから、
対した内容では無いのだろう。
…否、彼女を見かけたら皆話を逸らしてしまうか…
「あー、だな、んじゃあ俺用あるから」
…腕を振り払って教室を出ようとすると
「ん…ぁ、え、?」
目が、あった気がした、あの、彼女と。
気のせい、だろうか、
…気のせいじゃ、無いといいな…
「規律、礼、着席。」
「有難う御座いました。」
有難う御座いました、と言い、私は席を立つ。
確か、今日は昼休みに先生に呼ばれていた。
早く行かないと、そう思い、足早に教室を出る。
「あ、あの、五十嵐さん!」
…誰だろうか、と振り返ってみると
「…あら、…宮野さん。」
…名前は、合っているだろうか、確かクラスの…後ろの席の男の子。
「あ、な、名前…覚えててくれたんだ…」
合っていたならば、良かった。
…名前を呼んでやれば分かり易く笑い、その…ともじもじと言い淀んでいる。
「…どう、したのかしら?私、申し訳ないけれど先生に呼ばれているの」
申し訳ないわ、と微笑めば、そっか…と言い、教室の隅に逃げて行く
なんなのだろう、面倒くさい。そう心の中で毒を吐き、教室を出る
後ろから、あの男さ~と声が聞こえてくるが
私はそういう人の方が人間味があって好きなのだか…
と思う、二年生の教室、あと少しで職員室だ。
…あの人、あのままの速度じゃ私にぶつかるんじゃ、
…あぁ、よかった。教室から出る事は無かったみたい、
そう安心をし、職員室の扉をあければ
「あ、五十嵐さん、来てくれてありがとう。実はね…」