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保科宗四郎を暗殺する。
そのためにゲンは作戦を立てた。内容はたまたま保科に助けてもらった風を装い、仲良くなる。そうしてグサっといく。といったものだった。
ゲンは今、保科の通学路に立っている。設定は引っ越してきたが、道が分からずに迷うので保科に連れてってもらう。そうして、まずは顔を覚えてもらう。今回は丸メガネをかけた。バレないように。背中にリュックを背負い、手に地図を待てば引っ越してきた人の完成だ。名前、名前は鳴海にでもしておこう。即興で考えた名字になんだか近親感が湧く。
十数分後、保科はやってきた。隣にいる男は雇い人兼ボディガードみたいなやつか。本気で殺り合えば勝てる。ゲンは少し慌てた様子を作る。そうして、前からくる保科達を見つけたという演技をし、駆け寄る。我ながら完璧だ。
「すみません!」
初々しくゲンは声をかける。
「どないしました??」
保科はゲンが企んでることを何も知らずに、のほほんと答える。
「最近引っ越してきたものなんですけど、家が大きい公園の近くにあるんですけど分からなくて、、、」
「あぁなるほど、ここはですね━」
保科が説明し始める。ボディガードはこちらを睨んでいる。バレたか?な訳ない。
「〜となりますね」
「すみません、ありがとうございます!」
「お仕事関係での引っ越しですか?」
「はい!少し、転勤がありまして」
「お仕事頑張ってくださいね」
そう言って保科は微笑む。こんな時代がボクにもあったな、、、
「ありがとうございます!!では!」
そう言ってゲンは走り去る。これでボクという存在を覚えてくれたはずだ。
「お仕事頑張ってくださいね」
あの笑顔が頭から離れない。もしかしたらまともな青春時代を過ごせなかったせいか、羨ましいと思ってしまっているのではないか。
馬鹿らしい、どうせあいつはすぐに死ぬのに。