テラーノベル
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冷たい静寂の中で、横たわるレムの姿があった。どれほど懸命に戦ったのか、彼女の小さな体にはその証が刻まれ、かつての穏やかな笑顔は失われていた。「……嘘だと言ってくれ」声にならない震えが、スバルの喉を通り抜ける。脳裏には、ペテルギウス・ロマネコンティの狂気じみた笑い声と、理不尽な暴力の光景が焼き付いて離れない。震える手で、レムの冷たくなった身体に触れる。その瞬間、スバルの心の中で、これまでの希望や支えが音を立てて崩れ去った。平和な日常への願いも、届くはずだった言葉も、すべてが深い悲しみと喪失感に飲み込まれていく。スバルの瞳からはかつての活気が消え、ただ重い沈黙だけがその場を支配した。このまま立ち止まっているわけにはいかない。スバルの力では、今のままでは届かない場所がある。しかし、レムが最期まで守ろうとしたものを、ここで終わらせるわけにはいかなかった。「……もう、二度と繰り返さない」彼女が命を懸けて自分を繋ぎ止めてくれたという事実は、何よりも重く、スバルの心に刻まれている。その想いに応えるために、そして彼女の志を無駄にしないために、スバルは顔を上げた。スバルはレムの傍らで静かに誓いを立てると、重い足取りながらも一歩を踏み出した。絶望に身を委ねるのではなく、その痛みを抱えたまま、なすべきことを見据える。目的は、この悲劇の連鎖を断ち切ること。例え自分の無力さに打ちひしがれようとも、彼女が信じてくれた自分であり続けるために、スバルは前を向く。「――見ていてくれ、レム。俺は、君が愛してくれたこの世界で、最善の未来を掴み取ってみせる」深い悲しみを背負いながらも、スバルは再び過酷な運命の中へと足を踏み出した。そして。崖に行き、レムを抱いたまま、足を踏み出した
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