妖怪同士で恋愛しちゃダメですか
主な登場人物↓
雪宮 零 (ゆきみや れい)
犬川狼の幼なじみ。雪女(♂)。好きな物は犬川狼。好きな事は犬川狼の体臭を吸うこと、犬川狼を撫でまくること。狼がいない時は冷静沈着で頭が良い。野菜全般が嫌い。
犬川 狼 (いぬかわ ろう)
雪宮零の幼なじみ。狼男。好きな物は肉、炭酸飲料、ハムスター、幼子。好きな事は寝ること、撫でられること、褒められること。そこそこ頭良い。嫌いなものは特に無い。
猫本 奏叶 (ねこもと かなと)
犬川狼の親友。化け猫。好きな物は魚…ではなく甘いもの、それから花と、犬kw…。好きな事は寝ること。頭は良いがいつも授業中寝ている。きのこ、マタタビ、性格の悪い人は嫌い。
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ちょっと待って!
「いい?奏叶くん。狼くんは僕の許嫁なの。分かってるよね?なのに狼くんを盗ろうとするのは往生際が悪いよ。」
「許嫁?…はぁ、そんなのはどうでもいい。てか、自分、狼を盗ろうとなんてしてないし、ちょっと友達より上の関係になろうとしてるだけ。」
「友達より上は恋人でしょ?!ほら盗ろうとしてるじゃないか!残念ながら狼くんの恋人枠は既に僕で埋まってます!」
「許嫁ってだけで恋人?笑わせないでよ、そんな愛も確かめ合ったことのないくせに狼の恋人なんて言わないで。キスすらしてないでしょ?」
「す…するもん、僕は狼くんを大事にしてるだけだもん!…ね、狼くんは僕好きだよねぇ?!」
「んな訳…無いよね?狼。」
「…(汗)」
えーっと…皆さんこんにちは、犬川狼…です。
助けて下さい。大きな男2人に迫られてます。(唐突)
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〜数時間前〜
教室にて、いつものように零は俺を吸っていた(?)
「でゅ腐腐腐…(腐女子達」
「はぁ…毎回毎回、女子の視線が怖いな…」
きっと悪い人達では無いんだろうな、でもなんか怖い。なんていうか、貞操を失われそう、というか。
「ピクッ、…狼君あの子達怖い?いや、それともこの学校全ての女子が怖い?」
「え、いや、」
あ、零今の聞いてたんだ。あーあ、発言には気をつけないとだなぁ…
「狼君を怖がらせた奴は僕が許さない…」
ひゅうっと寒い風が膝下辺りを擽る。やばいやばいやばいやばい、こいつここに居る女子全員凍らす気だ!
「ちょちょちょストップストップ!」
「何?」
「確かに視線は怖いけど、別に後々慣れてくると思うし!女子達も悪気があって見てる訳じゃないだろ?だから頼むから凍らさないでくれ」
「狼君がそういうなら…分かったよ」
ほっ…良かった、マジでこれからは発言に気をつけようと思う。
「ちょっとトイレ行ってくるね狼君。さっき冷気出したせいでお腹冷えちゃった」
「分かった…って零、お前珍しいな、冷気出しただけでお腹が冷えるとか、体調悪いのか?」
「いや、手から冷気を出すつもりが間違えて自分の体から冷気を出しちゃって」
「お前そんなミスなかったのにな、まぁいい、俺は此処で待ってるからなっていうか俺の席だわ此処、忘れてた」
「ww、そうだっね、じゃあ行ってくるね〜」
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零がトイレに行ってから2分経った、なんだか1分が長く感じる、いつもはそんな事はないのに寧ろ1分なんて速く感じていたのに。
不思議だ…
「狼氏お独りで寂しそうである…やはり零氏がいないと寂しいのであろう…でゅ腐っでゅ腐腐腐っ(腐女子達」
うーん…零がいなくても俺は別に寂しくは無いのだが…まあ勝手に想像させておこうか。
「…ん?」
腐女子達に呆れていると何だか殺意のようなものを感じた、腐女子達の方からだ何やら技が飛んできている気もする、一か八かだ。
「君たち!しゃがんで!」
「でゅ腐?!」
腐女子達がしゃがんだ瞬間鋭い金属音が鳴り、爪痕のようなものが教室のドアについていた。
俺が声をかけず腐女子達がそのまま立っていたら首か足がスパーンだったろうな。
そんな事を思ってると勢いよくボロボロになった教室のドアが開いた。そこには…
「狼のお陰で命拾いしたね」
「誠にそうである…ってお主は…?」
「…奏叶?!」
俺の親友、猫本奏叶が、暗い顔をして立っていた
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何故ドアをボロボロにしたのか、何故暗い顔をしているのか聞いてみると
「狼、お前許嫁いるって聞いたんだけど、本当…?」
「あ、あぁ本当だが?」
「…自分、さっきクラスメイトから狼には許嫁がいるらしいって話を聞いて、自分癇癪起こしちゃって思わず教室のドアボロボロにしちゃった、ごめん…」
「あー、なるほどな…」
俺と奏叶は高校に入ってから親友になったから、奏叶は知らなかったんだ、俺には許嫁がいること。
親友に隠し事をされていたように感じて癇癪を起こしたのだろう。
「すまん、許嫁については伝え忘れていたんだ。親友という仲でありながら、伝えてなくてごめんな」
「うん…あ、そうださっきの人達も、ごめん、危なかったよね」
「いや!我らは別に大丈夫でござるよ奏叶氏!寧ろ感謝なり…親友cpもありでござるな…」
「??…親友かぷ…?ねぇ狼、親友カプって何?」
「あはは…さあ?(汗)」
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休み時間、親友ではあるが別クラということもあり奏叶とそんなに話すことがなかった。
登下校は零としていたし。
だからか、今奏叶と話をしていてとても楽しい、そんな感じで少しずつ会話に花を咲かせていた時
急に白くて綺麗な手に引き寄せられ、いつの間にか戻って来ていた零に抱きついていた
「へ…?あ、零?!」
「ねぇ狼君、コイツ誰?」
「うっわぁさっきまで狼と楽しくお喋りしてたのに急に断ち切ったうえ、知らない人にコイツ呼ばわりとか。酷。礼儀なってなくて引くわ〜」
「ちょ、奏叶!」
怒るのは勝手だがそこまで言わなくても…!
「ふぅーん、奏叶君っていうんだね。僕は雪宮零。狼君の許嫁だよ♡」
「は?」
「よろしくね♡…奏叶君。」
「お前が許嫁か…女だと思って許していたのに、まさかの男かよ…」
あ、奏叶気づいてなかったのか、そりゃあそうか、許嫁は嫁って書いてあるし、女だと思うか。
…でも待てよ男でも女でも許嫁というのは変わらない、なんで
「なんで女なら良くて男ならダメなんだ…?」
「そりゃあ勿論、自分は狼が好きで、女が許嫁ならまだ”男の”恋人枠は空いてるし。なのにさぁ…」
…ん?今なんて?自分は狼が好き…?自分…奏叶…狼…俺…つまり…
「え、えぇ!奏叶俺の事…す、好きなのか…」
「当たり前でしょ」
当たり前なのか…
なんか混乱してよく分かんなくなってきたな…
「奏叶君、僕の前で狼君に告白なんて、いい度胸だね?」
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そんな感じで、1番最初に戻る。
「す…するもん、僕は狼くんを大事にしてるだけだもん!…ね、狼くんは僕好きだよねぇ?!」
「んな訳…無いよね?狼。」
「…(汗)」
「あぁほら、零さんが狼に迫ったから固まっちゃったじゃないですか」
「は?お前も迫ってたでしょ」
「固まってないで判決を下せ〜狼裁判かーん」
…分からない、分からないんだ、俺は零が好きなのだろうか?どんなに前に遡ったって、零が好きなのか分からない。
そういえば「キスすらもしていない」ってさっき奏叶言ってたな、許嫁とはいえ恋人…のような者だからいつかするのだろうか。
零と…
「…なんか顔赤くない?狼」
「…え?…俺、え?」
いやいや、何想像してんだ俺。しかも赤くなるとか、女子か。
「?!大丈夫?!狼君?!もしかして暑い?冷やしてあげようか?」
白くて綺麗で、それでいて男らしさもある零の手が、俺の頬に触れる
「ぁ…」
どうしよう、心臓が痛い、心音がすごい速さで、鳴ってる。
「!、っ狼に触るな無礼者!」
「なっ、無礼者?!僕は狼君の許嫁、恋人ですぅぅぅう!」
「フシャー!狼に近寄るな触るな!八つ裂きにして鯉の餌にしてやる!」
「はっ、だったらお前を凍らせて砕いて化け猫のかき氷にでも、いや、ガリガリ君でもいいね、名付けて、カナカナ君!wいやネコネコ君でもいいねw?」
「…💢この野郎!」
「…あ、おい!ちょ、ちょっと待って!」
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