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「ねえぺいんとさん」
「もし、もしですよ────」
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ピンポーン
軽快な音のチャイムを鳴らし、少し待つと紫色の髪を持った背の低い彼がでてきた
「やっほーしにがみくん!来たよ!」
「ぺいんとさん!速かったですね!」
「うんもう俺ダッシュで準備したからね」
いつも通りの様な会話をし、家に入る。急だが泊まらないか、と言ってきたから来たのだ。
「おじゃましまーす」
「邪魔すんならかえれー」
「あっそ、じゃあ帰るわ!」
「ちょちょちょ!ぺいんとさぁん!」
馬鹿らしいような、定番のようなネタをし、部屋に入っていく。台所や風呂場、寝室は見たくもないほど汚かったが、リビングは少しものが整理してあった。いつも片付けができない彼よ事を考えればよくやったのではないか。
「で、しにがみくん、今日呼んだのは何?」
とりあえず来いと言われてたため聞けていなかった理由を聞く。これでくだらない理由だったらシバくからな、と思いながら。
「え〜っ…とですねぇ…」
かなり間が空く。正直本当にくだらない理由なのかと驚いている。
「ゲ、ゲーム!一緒にゲームするためです!」
「はぁ?」
彼はなにか慌てていた。そんなことは、とスルーして、くだらないにも程があるような理由に呆れつつ、応える
「ゲームならお互いの家でもできるだろ」
正論のような、正直な感想を言い放つ。
「わかってないなぁ〜ぺいんとさんは!隣で!やるのがいいんですよ!」
馬鹿にしたような物言に少し怒りを覚えながらも、ここまで来て帰る方が馬鹿らしいと思い、仕方ないと肯定の返事をする
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「よしっ!勝ちぃー!」
「うっわまた負けたんだけど!ねぇ!」
「はー、流石に疲れた!今日はもう終わろ!」
これで三連勝。ずっとゲームをやっていたら本職でゲーム実況をしていようと流石に疲れてくる。夜も遅いし、と思って、切り上げた。
「じゃあ僕片付けますね〜」
ゴソゴソと本体やコントローラーをまとめて部屋に持っていく。そういえば俺はどこで寝ればいいのか、なんて呑気に考えながら、ぼーっとしていた。
暫く待つと、彼が片付けを終え、隣にちょこんと効果音が出そうな座り方で座った。そして
「ぺいんとさん」
いつもの彼のは似つかないような、大人しめの口調で話しかけてきた。揶揄うなんてことは野暮だろうと、無言で彼の方を見つめる。
「ねえぺいんとさん」
ふと間が空いた。
「もし、もしですよ」
「僕が貴方の事を好きと言ったら、どうしますか?」
告白だ。と認識できるまでに、時間は必要としなかった。
鈴と音がなって、彼と自分以外の音が聞こえない、2人だけの世界に入ったような気がした。さらりと髪を揺らす彼の顔は、今まで以上に落ち着いた優しい笑みを持っていて、真正面にこちらを向いて足を組むその姿は、どこか大人びたような静けさに包まれていて、嗚呼、彼のことが好きなんだな、と思った。
「どう、って」
数秒のような、数時間のような時間をすぎ、ゆっくりと口を開き、今まで水面下に漂わせていた気持ちを落とす、という表現がしっくりくるように言った。
「俺も好きだよ、って、お前の気持ちを抱きしめるだけだよ」
彼の驚いたような目を軽く見開き、口を少し開いたような顔の、最奥のココロをも見るように見つめ、またゆっくりと口を開いた。
「俺もお前のことが好きだよ」
大きな目を軽く見開いた儘の顔は、やや赤らみを持って、にこりと笑った。
「ぺいんとさん、僕は貴方のことが好きです。付き合ってください。」
晴れ晴れとした透明な空間に、はっきりとした淡いパステルカラーのような言葉が響いた。外の虫は、其の言葉を祝福するように歌い出す、ある秋の、ごまんとあるあかりの着いた部屋の、たった一室の2人だけの話
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こんちゃっ!
リットンです!
今回は、初めて日常組様を書いてみました!
いかがだったでしょうか?
補足⤵︎ ︎
揶揄う(からかう) 野暮(やぼ) 鈴(りん) 儘(まま)
ごまんとある(数え切れない程ある)
いやわかるわ!ってのあっても暖かい目でご覧下さい…一応なので💦
他にも分からないことあれば💬で…
では
お疲れ様でした
この世界線はどうでしたか?
おつりと