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・曲パロ
・衣装は正月バナー🥞&報酬☕イメージ
・🥞のことを様呼び☕
・珍しくあまり喋りません
・すっきりしない終わり方
・短い
苦手かも、と思った方はすぐに戻ってくださいね。
悪口等は一切受け付けません。
終始☕視点
吉原遊郭のとある店。
そこでは欲求を満たすために、そういう事をしている。俺はその店で生まれ育ったため、客の相手をする。選ばれ、気に入られた女性は買われいなくなる。俺は男性なので選ばれることは少なかった。もしかしたら、そういう運命だったのかもしれない。
相手をする時はいつも雨だった。まるで、俺の心を表しているみたいに。
(ここから出て、自由になりたいものだ。)
ふと障子の方に目を向ける。
破れている障子から見えるルリタマアザミは、俺を嘲笑うように雨の中元気に咲き誇っていた。
ある日、一人の客が俺を選んだ。橙色をした髪の持ち主だった。その人は彰人と言った。特徴的な人だなとは思ったが、それ以外は特になにも思わなかった。いつも通り相手をするだけ。いつもと変わらない。
しかし、今日はいつもと違った。そういうことをした後、彰人様は歌を歌った。その歌は俺に新しい世界を見せてくれた。歌うのが好きなのか、興味を持った俺は聞いてみることにした。
「彰人様は歌うのがお好きなのですか?」
「まあな。あ、そうだ。このピアスやるよ」
渡されたピアスは、くすんだ色の花が印象的なピアスで、銀の板が下げてあった。
「いいのですか?」
「ああ。オレとお揃いな」
「おそろい…」
初めて聞く響きに気分が舞う。
彰人様なら、この鳥籠から連れ出してくれる。
そう思った雨の日から、俺は彰人様に惹かれていった。
それから彰人様はよく来て、歌を歌ってくれた。アップテンポな曲だったり、静かな曲だったり。一緒に歌ったりもした。楽しかった。この人となら恋人ごっこも癒しなる気がした。
でも、何故だか物足りない。
“ごっこではなく、本物の恋人になりたい。”
そんな想いはいつから芽生えたのだろうか。
今日も彰人様は来てくれる。
だけど、それは欲求を満たすため。
利用されているだけ。
でも、それでも彰人様と恋人になれるのなら。
あなたのために咲けるのなら。
障子の方を見れば、見守るようにマーガレットが咲いていた。
俺は雨の中でも聞こえるような声で、吐息を混ぜながら言う。
「ぁ、彰人様。…っ…どうか私を…、」
____俺を、買っていただけないでしょうか。
_end_