テラーノベル
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コンコンコン
シーン
病室の扉をノックするが返事、物音すら聞こえないひとつの部屋
きっとこの病室には誰もいない、と思うやつもいのだろう
だが、おれは毎日ここに通っている
ここには俺の最愛の人、俺の彼女が、いや性別的に彼氏でもある奴がいる
「一ノ瀬入るぞ」
俺は一ノ瀬の病室に入る前は必ずそういう
きっと無意識にあいつの返事が返ってくるのを待っているのだろう
病室に入りベッドを確認すると、やはり寝たきりの彼女がいた
扉越しでは聞こえないだろうがこの部屋はピッピッピッという心電図モニターの音がとても響いている
そしてその横のベッドに愛おしい君がいる
俺には彼女がいる。寝たきりの彼女だ
俺の彼女、一ノ瀬四季は桃太郎との戦闘中に逃げ遅れた鬼の子供を守る為、敵の攻撃をモロに食らってしまった
しかも打ちどころが悪く脳に外傷を与えてしまい、一ノ瀬はそのまま意識を手放した
その姿を見て無陀野や一ノ瀬の同期、もちろん俺もすぐに敵を蹴散らし一ノ瀬の元へむかい、すぐに花魁坂に診察をしてもらった
診察が終わったのか医務室から花魁坂が出てきて俺たち、いや、後半はほぼ俺に向けて言ったのだろう
「四季くんは無事だよ。今は眠っているだけ」
俺はこの言葉を聞き、今まででにないほどの安心感を抱いた、が、
「でも、もしかすると四季くんはこのまま目が覚めないかもしれない 」
この言葉で絶望のドン底いや、それ以上、下まで落とされた
身体が急激に冷え、体温を失っていっていることが自分でもすぐにわかった。きっと冷や汗をかいているのだろう
俺は最愛の人が無事生きているという嬉しさと、もうあの大好きだったふにゃ、と可愛らしく笑う姿を見ることができないかもしれない、という不安で言葉が喉に詰まって出てこなかった
口を開いても言葉が出ずパクパクと動かしているだけ
その様子を見て無駄に察しがいい花魁坂はその場で俯きこういった
「ごめんまっすー…俺がもっと早くこっちに来ていたら四季くんはこうならなかったかもしれないのに、」
俺はこの言葉を聞きやっと冷静になれた気がした
「別にお前は悪くねぇだろ」
「でも、!!」
「これは仕方なかったんだ。一ノ瀬は子供を守るために攻撃をモロに食らった。しかも頭にだ。だが今無事に生きているのは花魁坂、お前がすぐにこちらへ来て手当してくれたからだろうが。だから別にお前のせいってわけじゃねぇよ 」
こういうと花魁坂は泣き崩れてしまった。きっとあいつは医者だから、一命を取り留めることはできたが目を覚ますかは分からないため自分の責任だと思ってしまうのだろう
「それにお前言ってただろぉが。目を覚まさないかもしれないって 」
「うん、ズビッ」
花魁坂が鼻を啜りながら鼻声で話す姿を見て俺はつい笑ってしまった
「フッ、”かもしれない”っつーことは目が覚める可能性もあるってことだろ?」
「そうだけど、その確率は低いよ…」
この言葉を聞きこの場にいた全員俯いたり悔しそうな悲しそうな顔をした。あのいつも真顔の無陀野ですらもだ
それにさっきの俺が聞いたらきっと現実から目を背けようとするかもしれないが、今俺にできることは
「そうだとしても俺はその確率にかけるぞ」
俺の言葉を聞きこの場にいる全員の視線がこちらへ向いていることがわかった
「たとえ目が覚めなくても俺は毎日ここに通う。一ノ瀬、いや四季が目を覚ますまでずっとだ」
そこから俺は毎日ここに通うのが日課になった
見舞いとしてアイツが好きだったエアガンを持っていくことや、時には俺の右腕である馨に色々聞き、花を持っていくこともあった
最初の頃はまだ目が覚めていないと少し落ち込むようなこともあったが今はこうして一ノ瀬が生きていることが嬉しいし、何よに一ノ瀬に会えることや目覚めた時にどんな反応をするかなどを考える時間が好きになっていた
そして今日もいつも通り一ノ瀬の病室へ向かっていた
「一ノ瀬入るぞ」
シーン
時々この無反応が不安になることもあるが飛びを開け、眠っている姿を見るとすごく安心する
「今日も来てやったぞ。今日はお前の好きなエアガンを持ってきてやった」
けれど一ノ瀬はやはり目を開けることはなかった
「…いい加減起きろよな、」
「夢はもう飽きるほど見てるだろぉが、」
プルルルル
少しの沈黙が続くとそれを破るように電話がなった。その相手は馨からだった
「どうした馨ぅ」
「すみませんますみ隊長。今四季くんのお見舞い中ですよね」
「別に大丈夫だ。それでどうした、 お前が電話なんて珍しいな」
「はい。それが急遽会議が入ってしまったためそれだけ伝えようと、」
「会議..何時からだ」
「30分後ぐらいからです」
今は13時ごろだから13時30分ぐらいからか…
「嗚呼。わかった」
「すぐにそっちへ向かう」
「わかりました」
電話を切ったあと俺はガシガシと一ノ瀬の頭を撫で病室を出た
「んじゃ俺は行く。またな」
この時俺は次に一ノ瀬の見舞いに来る時こんなことになるなんて全く想像していなかった…
「一ノ瀬失礼するぞ」
今日もいつも通り一ノ瀬の様子を見るために見舞いに来たが、いつもとは違うところがあった
「…はッ?」
それは一ノ瀬四季こと俺の最愛の人の姿がベットの上、いや病室のどこにもなかった
そこから俺にはほとんど 記憶がない
見舞いに持ってきた花が手から落ちていたことすら気づかず、一ノ瀬を探すために無我夢中で走っていた
「(どこにいるんだよ、あいつは、一ノ瀬は無事なのか、)」
そんなに考えだけが頭の中をよぎっていた
ハァ、、ハァ、
俺の荒い呼吸音と走り回る音だけが響いていた。自分がほぼ限界に近いなんていうことは無視して意地でも走り続けた
が、基地のどこにも一ノ瀬の姿はなく、「一ノ瀬は無事なのか」という不安だけが残った時に俺はひとつの場所を思い出した
確証なんて一切ない。だがそれでも俺はひとつの可能性にかけて俺と最愛の人、一ノ瀬四季との数ある中で1番の思い出の場所、1番アイツが好きだった場所に向かって走り出した
汗だくになろうと、日が沈んできたとしても、
足がもつれそうになろうとただその場所を目指して走った
走って走って、やっとついた
するとそこには会いたくて、話したくて仕方なかった明るめの紺色の髪色をした人が野原に寝転がっていて、俺は思わずそいつの名前を叫ぶように呼びながら急いで駆け寄っていた
「!一ノ瀬ッ!!」
前編fin
続く
あとがき
はいどーもゆとです。はい、今回はますしきで前編と後編の二部構成です!←多分
ちょいと書き方を変えたので読みすらかったり語彙力がなくて意味がわからないところがあると思います。すみません!
あ!あと、「俺の厳しい?先生」累計いいね数3000、ありがとうございます!すごいモチベになっています!!
てことでそろそろ終わります!
今回も見ていただきありがとうございました!それではまた次回〜👋
コメント
6件

続き楽しみにしてます(*^^*)
初コメ失礼します! 四季くんの事心配する真澄隊長が素敵すぎる! 続き楽しみにしてます!