転移装置を操作し、悪魔の国に来た。汚染されていたが、聖魔法結界で周りを覆ったので、大丈夫だった。
「悪魔って聖魔法使えるっけ?」
「聖魔法を使った記録は地球上では確認されていない。もしかすると…使えないなら、ここに悪魔がいないのはそのせいじゃないか?」
「なるほど。つまり、安全な地を求めて地球に来た結果、科学技術の発展していた人間に弱いのが殺され、友好的でないと思った悪魔の王は侵略や隠れ住みを始めたのか。」
「そうだな。とりあえず、あの王城に行くぞ。交渉次第では何とかなりそうだ。」
町はバレずに何とか通り抜けられた。しかし、城はもちろん衛兵がいた。
「どうする?」
「地球の悪魔の態度から、交渉の余地はない。無用な血はながしたくないから、強行突破だ。」
「え?言ってることが矛盾してるよ?」
「いいや。強行突破とは、無理矢理高速で玉座までたどり着くことだ。」
「分かった。」
「行くぞ。3.2.1走れ!」
人造吸血鬼の身体能力を舐めてはいけない。魔法無しで、50mを0.01秒以下で走る化け物だ。
「誰なの?」
女帝は問うた。
「吸血鬼だ。」
「かなり強いわね。なんの用かしら?まさか私を殺しに来たの?」
「まさか。交渉の進展次第では殺すつもりだが、少なくとも今は殺しはしないぜ。」
「良かった。私と同格2人を相手しても、勝算がないもの。で、交渉とは?」
「地球への侵略をやめて欲しい。」
「それは…私達を汚染で殺す気?」
「そんなつもりはない。俺たちは吸血鬼だから、何とか出来るかもしれない。」
「確証は?」
「ない!」
「とりあえず、やってみなさい。出来たら侵略ストップ、出来なかったら交渉決裂ね。あと…うちの部下がごめんなさいね。性格ゴミしかいないもんだから…なんかされたでしょ?」
「ああ。めっちゃ困った」
「答え方正直…」
リンリンリン♪
シーデッドの通信機がなった。リースレットからだった。
「大変です!ものすごいエネルギー保有の人間?がこっちの世界を破壊しました!」
「被害状況は?」
「死者1名。負傷者200名です。」
「よし。被害は最小限に留めたようだな。そして、お前は大丈夫か?」
「実をいうと大丈夫ではないですね。時間をかけて自然回復できますが、背中から魔法を打たれて、右肩と右腕がぶっ飛ばされました。もう敵は去りましたので、これ以上の死者ははおそらくないです。しかし…」
「どうした?」
「世界の9割が、消滅しました。」
「は?まあいい。とりあえず報告ありがとう。そちらで対応できそうか?」
「ええ。大丈夫そうです。」
「分かった。俺はこのまま悪魔世界にいる。」
「了解!」
しかし、被害は吸血鬼世界だけとはいかなかった。
轟音がして、城の屋根は吹っ飛ばされた。シーデッドは問うた。
「誰だ、お前は。」
「君たちもよく知っている裏切り者のトルミステルの近縁だよ。”神”だ。」
「あっちの世界を9割破壊したのもお前か?」
「そうだよ……………お、いいものを見つけた。」その視線は瑶泉に向けられていた。
「黒の札:超支配」
「八繋家の人間は、代々初回は神に支配されやすいらしい。2回目は抗体がついて無理らしいが。」
瑶泉は抵抗もできず、支配された。その場にいる者に攻撃を始める。
「じゃあね。バイバイ!」
神は逃げようとした。しかし、少し遅かった。
「!?」
「ごめんなさいねぇ。この空間、中から出られないようにさせて貰ったわ。貴方でも破壊に3時間はかかるでしょうね。」
「悪魔の王、外部から入ることは可能か?」
「もちろん可能よ。」
デッドはリースに通信した。
「こっちにも破壊者が来た。増援を頼めるか?」
「トルミステルは帰ってしまい、蒼は治療の要なので、私とサーメルダで良ければ。」
「上出来だ!今すぐ来ないとヤバそうだ。悪魔の王が押されてる感じ。来たらすぐに加勢してやれ。」
「わかりました。」
数分後、リースレットがやってきた。
「助けに来ましたよ!悪魔の王。」
「あら、助かるわ。ちなみに、あっちには加勢しないであげて。」と、悪魔の王は瑶泉とデッドのところに万能系シールド結界を張った。
「よし!叩きのめす準備完了!どっちが勝つか分からないけれど。」
「事実、敵は強かった。悪魔の王、サーメルダ、リースレット3人のエネルギーを合わせてやっと届くぐらいだ。」
?「エブリオのかえりが遅い。どうしたんだろう。まさか……やはり、結界に囚われているようだな。だが、加勢する気は起きないな。俺に勝てるやつなんていないからね。すぐに終わってしまう。」
この男こそが、神の頂点。最強の種族と言われる、ナーガ族の、その中の最強。その力は測定可能なエネルギー上限である10億に達し、実際の実力は分からない。彼は、純粋に、力なきものに憧れを抱いていた。
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