テラーノベル
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メンバー全員から強烈な、だけど温かいお説教をもらったその日
伊沢や須貝、そして山本たちは「じゃ、俺たち用事あるから先帰るわ!」と、これ以上ないほど不自然なチームワークで、あっという間にオフィスから立ち去っていった。
静まり返った夜のオフィスには、僕と河村の二人きり。
パチッとオフィスの電気を消し、静かな廊下に出たところで、僕は意を決して河村の前に立った。
窓の外には、いつも並んで眺めていた見慣れた夜景が広がっている。
ふ 「河村、ちょっと話せる?」
河 「……うん」
向き合った河村の目は、さっき泣いていたせいか、まだ少しだけ赤かった。
その健気な姿を見るだけで、愛おしさと、昨日傷つけてしまった申し訳なさで胸が締め付けられる。
ふ 「昨日、あんな冷たい言い方して、泣かせて本当にごめん。……俺、自分の気持ちに気づくのが遅すぎたんだ。河村が東兄弟や須貝さんと楽しそうに笑ってると、胸がきゅってなって、何も考えられなくなる。山本さんに言われて、やっと分かったんだ」
僕は河村の真っ直ぐな瞳を見つめ、言葉を飾らず、胸の奥の本音を伝えた。
ふ 「俺、河村のことが好きなんだ。ただの友達や仕事仲間じゃなくて、一人の男として、これからずっと河村の隣にいたい」
河村はパチパチと大きな瞳を見開いた。
その瞳から、またぽろぽろと涙が溢れ出す。でも、その顔には、昨日とは違う眩しいほどの満面の笑みが浮かんでいた。
河 「ふくら……っ。僕も、ずっと前からふくらのことが好きだよ。誰にでも優しいふくらだから、勘違いしちゃダメだって、ずっと自分にブレーキをかけてたんだ……」
ふ 「河村……」
僕は一歩踏み出し、今度は「過保護な恋人」として、愛おしい河村の身体をその腕の中にぎゅっと強く抱きしめた。
河村の細い肩が、僕の胸の中で嬉しそうに震える。お互いの心臓の音が、オフィスに優しく響き合っていた。
・・・・・
ビルを出ると、冷たい夜風が、作業と緊張で熱くなった僕たちの頬を心地よくかすめていった。
ここを並んで歩くのはもう数え切れないほど目にしてきたはずなのに、世界が全く違って見える。
並んで歩きながら、河村は自分の右手をチラチラと見つめて、何かを躊躇うようにそわそわとしていた。
河 ……もう、付き合ったんだから。ちょっとくらい、我儘になってもいいよね
そう心の中で小さく呟くと、河村は、隣を歩く僕の左手に自分の右手をそっと重ねた。
冷たい夜風の中で触れ合った手のひらの温かさに、僕が驚いてピクッと手を揺らすと、河村は少し照れくさそうに、だけど今度は解けないようにきゅっと僕の指を絡めて、強く手を繋ぎ直してきた。
横を向くと、河村は耳まで真っ赤にしながら、本当に幸せそうに少し前を歩いている。
ふ ……あー、もう、本当に可愛いな
僕の心臓も跳ね上がる。
僕は繋いだ手にさらにぎゅっと力を込め、愛おしい恋人の歩調に合わせてゆっくりと歩き出した。
改札を通り、いつもの電車に乗り込む。
Nozomi💜
94
#QK
あお
46
701
95
ドアの横の少し狭いスペースに2人で収まりながら、ガタゴトと揺られる車内。
今までなら気まずくて距離を置いていた密室が、今はただ、お互いの体温を近くに感じられる特別な空間だった。繋いだ手は、ポケットの中に隠したまま、一度も離さなかった。
・・・・・
目的の駅につき、並んで改札を出る。
駅からお互いの家へと続く、静かな夜道をゆっくりと進んでいく。
やがて、河村の家の手前にある小さな公園の前、いつもの道の分岐点に差し掛かった。
ここで足を止め、僕は河村の方を振り返る。
ふ 「あのさ、河村。前に俺、同じ駅だって分かった夜に『家までずっと一緒だね。行こ!』って言ったじゃん」
河 「うん、覚えてるよ。あの時、心臓が止まるかと思った」
河村がクスリと悪戯っぽく笑う。
ふ 「あの時は無自覚だったけど……これからは恋人として、本当に、ずっと一緒だね」
河 「うん……! これからもずっと一緒に行こう、ふくら」
河村は満面の笑みを浮かべ、繋いだ手を嬉しそうに少しだけ揺らした。
クイズの難問は一瞬で解くのに、自分たちの恋心の答え合わせには、ずいぶん時間がかかってしまったけれど。
これからは、繋いだ手を二度と離さないまま、同じ歩調で、どこまでも一緒に歩いていく。
コメント
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わあ、よかったですね……! やっと二人の気持ちが通じ合って、本当にほっとしました。河村さんが「ずっと自分にブレーキをかけてた」って言葉が刺さりましたね。あのオフィスの夜景の前で、ふくらさんが飾らない言葉で告白したシーン、すごく胸が熱くなりました。 帰り道、繋いだ手を解かないようにぎゅっとして、歩調を合わせる描写がもう……恋愛って、そういう小さな積み重ねなんだなって思わせてくれました。これからどんな日常を見せてくれるのか、楽しみにしています🌷