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『寂しがり屋』
仁人side
朝、目が覚めいつも通りに支度をして家を出る。
何も変わらないはずなのに、ひどく寂しく感じる。
楽屋の扉を開け、中に入ってもすぐに聞こえるはずのみんなの声は聞こえない。
💛「そうだ…今日、みんな仕事でいないんだった」
自分の声だけが響く。
俺たちの歌がネットでバスってから、メンバーは色々な番組に引っ張りだこになり、仕事以外で会う場面は少なくなった。
もちろん、俺も今までやってこなかった番組に出させていただいて、感謝でしかない。
でも、こうやってメンバーに会えないことが少し…寂しい気もする。
「今日は吉田さんだけですよね?よろしくお願いします」
俺とスタッフさんたちだけの空間に色はなく、白黒のようだった。
💛「こちらこそ、よろしくお願いします」
話し合いが終わって、いつ帰ってもいい時間になった。
💛「結局、あいつらのことが頭から離れなかった…」
俺は近くにあるソファに寝転がり、腕を頭に載せる。
ふぅとため息をつき、目を閉じるとあいつらの顔が脳に焼き付く。
勇斗の普段はふざけているけど、メンバーのことを一番に考えてるとこ。
太智の元気で明るく、時には冷静なとこ。
柔太朗の美形でクールに思われがちだけど、本当はゲラでふざけたりするとこ。
舜太のメンバー思いでいつも笑顔なとこ。
💛「俺って、寂しがり屋なのかな…」
そうな風に考えていると、睡魔が襲ってきた。
思い浮かべているメンバーの顔が次第にふわふわと消え…ていっ……て………。
そし………て、…………。
「……と!」
「……ん………ろ!」
何か…聞こえる?
「仁人、起きろ!!」
💛「…!あれ、俺寝て…」
すっかり寝てしまった。
時計を見ると5時あたりを針が指している。
話し合いは確か……午前中に終わったような…?
💛「…まって、俺寝すぎた?」
🩷「そーだよ、バカ」
💛「え、勇斗!?」
💙︎🤍❤️「俺たちもいるよ!」
💛「な、なんで…」
なんで仕事で忙しいはずのみんなが…?
でも、寝る前の寂しい気持ちが一気に吹っ飛んだ気がした。
💙「もー、吉田さん。スタッフさんみんな心配してたんだよ?」
︎心配…?俺に?
︎🤍「仁ちゃんがなかなか楽屋から出てこないからどうしようって。鍵もかかってたみたいだし」
💛「鍵…?じゃあなんでお前らは入れて…」
❤️「鍵がかかってるって分かった瞬間、勇ちゃんが走り出して管理人さんに鍵を借りてきたんや」
💛「な、るほど…?」
寝起き過ぎて完璧に理解はできないが、メンバーが俺のことを思って行動してくれたことはわかった。
🩷「…で、どうしたの?」
💛「どうって?」
🩷「仁人が鍵をかけて寝るって事は他の人に言えない何かを考えてたんだろ?」
💛「……。」
図星だ。いつも鈍感なのに、こういうときだけ勘が鋭くなったりする。
本当に……ずるい。
💙「他になんて言わないから…ね?」
︎🤍「壁に話しかけるみたいに言ってみてよ。少しは気持ちが楽になるかも」
❤️「俺、仁ちゃんの力になりたいねん!」
みんな…。
💛「でも、俺が考えていたことは今があるからこそのことで、変えるなんてことは……」
🩷「なに言ってんだよ」
🩷「俺らにできないことはない、みんなでみんなだけのMILKをつくるんだろ」
🩷「リーダー」
……。俺が素直に寂しいと言えばみんないっしょにいてくれるのだろうか。
もし…いや、しっかりしろ。
みんなを信じるんだ。
💛「……そばにいて、欲しい…」
🩷💙︎🤍❤️「……………………え?」
💛「……その…寂しかった。ただ単に…。」
💛「みんなが居ないと思うと、急に世界に色が無くなった気がして…、考えすぎてたかも」
︎🤍「いや、素直な気持ちが聞けて嬉しいよ。」
︎🤍「……ねぇ、仁ちゃん」
うわっ!柔太朗、どうしたんだ、いきなり抱きついて…。
❤️「柔ちゃん、ズルいで!」
舜太も …。
🩷「俺も〜♡」
勇斗…。
💙「吉田さん、自分の悩みのこと些細なことだと思ってたでしょ」
💛「なんで、そんなことまで」
💙「…何年一緒にいると思ってるの」
💛「……そう、だね。」
最後に太智が俺に抱きついた瞬間、俺はみんなにありがとうと言った。
”寂しい”というほんの小さい悩み事も聞いてくれて、悩んでくれて、励ましてくれて。
メンバーにはありがとうだけでは済まない。
けど、俺の精一杯のありがとうを言った。
メンバーはどうしましてと言って、みんなで一緒に楽屋を出た。
💛「みんな…。俺たち全員でMILKをつくっていうな」
🩷💙︎🤍❤️「おう!」
後日。あの一件があってから、メンバーはよく集まるようになった。
集まってなんもしないときもあったが、それでも良かった。
俺にはMILKがないといけない。
ふと、そう思った。
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