※話矛盾してね?って思う箇所があると思いますが、大丈夫です!途中で、「あぁ〜そーゆー事!!」ってなると思うので!
あと、最後に花の花言葉や、そのアクセサリーをあげる意味なども書いておくので最後まで見てくれると嬉しいです。
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レイン先輩が死んでから数日後……
「今更後悔してももう遅いのにな……」
なにか大事なものが抜け落ちたような、無くなったような感覚だ。
動かないと、って思うのに体は全然動いてくれなくて。
その理由はもうとっくにわかっているのに
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“速報です。神覚者であるレインエイムズ氏が自殺したとのことです。発見場所は〜〜〜”
「……は?」
「……え?」
今日は休日で、恋人であるマッシュとシュークリーム専門店でシュークリームを頬張っていた。
神覚者ともなれば、仕事は山積みであるし、学生であるため学業にも励まないといけない。
そんな中、久しぶりに取れた休暇を使ってマッシュとシュークリームデートをしていた最中の出来事だった。
プルルルル……
マッシュも俺も、信じられなくて放心状態になっていた時、伝言うさぎが鳴った。
「ライオさんからだ、」
電話を出ると
「……ランス。ニュースは見たか、?」
どのニュースかなんて、言われなくてもわかってる。
「、はい。レイン先輩が…、じ、自殺…した、って……」
「……あぁ。そのことについて、緊急会議をすることになった。今すぐ来れるか、?」
「……わかり、ました、」
プツッ……。
「……すまない。マッシュ…、魔法局に呼ばれたから、行ってくる、」
「……行ってらっしゃい。ランスくん、無理、しないでね、」
「……あぁ。」
俺は杖を振ってその場を後にした。
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「……急に呼び出してすまない。」
「……いえ。」
ライオさんの目を見ると、微かに目尻が赤くなっていた。
「ッ!!」
そんな些細なことでも、レイン先輩がどれだけ愛されていたのかがわかる。
そんな人が自殺だなんて、未だに実感がわかないのは無理もないだろう。
「、ここで立ち話をしてるのも何だし、さっそく会議室に向かおう。もうみんな揃っているんだ。……いや、君と私を含めて3人、まだ揃っていない、が……。」
「……」
その3人が俺とライオさん、そしてレイン先輩だと気がついた時は、なんとも言えない気持ちに苛まれた。
「……来ましたか。」
中に入るともう先に話し合いが進められていた。
「改めて言いますが、今回の議題は ”レインの仕事の穴埋めをどうするか” です。」
神覚者のみんなはもう前を向いているんだ。
それほどに、神覚者というものは多忙なのだ。仲間の死を受け入れられなくて、困惑している中、そんなことに時間を潰している暇などないとでも言うように仕事は舞い込んでくる。俺たちには悲しむ余裕すら無いのだ。
「レインの仕事を、私たちで分担しようと思う。」
「それでなんだが、ランスはまだ神覚者になりたてのため、他の神覚者に比べて仕事量が元々少ない。だから、ランスにほとんどの仕事を任せたい。……レインに指導してもらってたんだろう?ならレインに教わった通りにやればいい。」
「……わかりました、」
「後は〜〜、━━━━。」
それ以降は何を話していたのかよく覚えていない。みんなレイン先輩が死んだことを受け入れて、前を向こうとしているのに、俺だけ取り残された感じだ。
体が、頭が、レイン先輩が死んだ事実を受け入れたくないとでも言っているようだ。
なんでそんなにレイン先輩に固執するんだろう。
先輩だから?
尊敬しているから?
それとも
愛しているから?
ガタッ!!
……え、??
もしかして、俺はレイン先輩の事が……?
今まではこんなこと思ったことすら無かったはずなのに、
いや、でもあの時……
レイン先輩に指導してもらっている最中、珍しくソワソワしている時があった。何か悩み事でもあるのかと思い、俺はレイン先輩に聞いてみた。話している途中、俺が微笑むとレイン先輩は急に頬を赤らめた。
そんなレイン先輩を見て、俺の行動ひとつひとつで表情を変えるレイン先輩が、すごく、愛おしいと思ったんだ。その時に可愛いって無意識に口から出てしまっていたし……。
他にも、廊下ですれ違って少し話をするだけで雰囲気がすごく柔らかくなったりした所も可愛かった。
あとは、合同課外授業でレイン先輩が魔物に襲われた時、無意識にレイン先輩を抱きしめて守っていた。俺以外の誰かがレイン先輩の体に傷を付けるのは嫌だと思ったんだ。あの後、レイン先輩は俺に抱き締められている事に気づいた瞬間、顔を真っ赤に染め、心臓は物凄い勢いで動いていた。
今までは、
”後輩として”
そう思っていたんだと思っていた。でも、きっとそれは間違いだったんだ。
”1人の人間として” 、レイン先輩を愛していたんだ、って……
だって、マッシュにはあんな想いをした事がなかった。
マッシュと付き合ってはいたが、なんというか、恋人としての好きよりも、弟みたいな、家族愛?として好きという感じだった。だから、手を繋いだ事はあるが、キスやそれ以上なんてした事はなかった。
オーターさんが目を見開いてこちらを見ている。
「ッ!……ランス?どうしました?」
「……すいません。ちょっと俺、頭整理してきます」
俺は自分の部屋を目掛けて杖を降った。
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ハァ、ハァ……
自分の部屋に戻ってもやることなんて無いのに、
神覚者のみんなに迷惑をかけるだろうな、明日、いやこの感情に整理が着いたら謝りに行こう……。
なんて考えてたら自室のチャイムが鳴った。
ピンポーン…
「誰だ……?」
ガチャ
「……こんばんは、数ヶ月ぶり、だね……」
「マックス、先輩……?」
「、うん。レイン、が…君への贈り物を部屋に置いていってね、」
「本当はレイン自身が渡す方がレインのためにも、ランスくんのためにもなったんだろうけど……ッ」
マックス先輩を見ると目が潤んでて、涙を堪えているのがわかった。
「レインは…、一足先に行っちゃったから……、僕が代行者として届けに来ました」
「……っ、!そう…なんですね、ありがとうございます、」
「、とりあえず、立ち話も何だし、部屋に上がってください。」
「……いや、いいよ。それより早く見てあげて欲しい。最後の、レインからの手紙だよ。あと、これも……。」
「、黄色いチューリップ……??どうして、?」
「ランスくんは知らないだろうから先に言っちゃうけど、花ひとつひとつには花言葉があるんだ。」
「きっと、そのチューリップにもレインの想いが隠されていると思うよ。」
「、そうなんですね、」
「……うん。それじゃあ」
「、!!マックス先輩!!……レイン先輩のためにも、幸せに生きていってあげてください。」
「!!……うん。そうだね、ありがとう、!」
なんとなく、マックス先輩もレイン先輩を追いかけて死ぬんじゃないかって、思った。だから、マックス先輩に声をかけた。
きっと、すぐに死んでしまったらレイン先輩が怒るだろうから、
「レイン、ちゃんとランスくんに渡したよ……。でも、きっとあれは自分で渡した方がよかったよ、。 ランスくんにあのアクセサリーを渡す程、ランスくんを想ってるんだろ?未練が、あったんじゃないの、?だったら、死んじゃダメだよ……」
「……死なないでほしかったよ。もっと、ずっと君と一緒に居たかった……!!」
マックスの頬には涙が流れていた。
レイン先輩が、俺に手紙……
レイン先輩と決裂した日以降、見かける事すらほとんど無くなった。きっとあの人が会いたくなくて避けていたんだろう。
だから、こんなの、くれると思っていなかった。あんなに酷いことを言ったのに、
ヤバいな、もう目が潤んできたかも、
レイン先輩からの手紙、嫌味ばっかり書かれてたらどうしよう。好きな人からの手紙の中身が嫌味ばっかりだったら流石に心にくるな、まぁ書かれても仕方の無いことをしたか、
なんて思いながら俺は手紙を開いた。
“ランスへ
きっとランスがこの手紙を読んでいる頃には俺はもうこの世にはいないんだろうな。
ずっと、あの日の事を謝りたかったんだ 。
あの時は、上手くいかないことが多くて、頭に血が上りやすくなってたんだ。それでランスに酷いことを言ってしまった。すまない、いや、
ごめんなさい。
謝ったって許してくれないのはわかってる。わかってるけど、謝りたかった。
それから、合同課外授業の時にマッシュに言われてしまったが、改めて言いたい事があるんだ。
ずっと、好きでした。
おまえはマッシュと付き合っているからこの想いを伝えたら迷惑だと思って言わなかった。
でも、死ぬ前に後悔なんてしたくなくて、この手紙に記したんだ。
これで後悔なんてないか、って言われたらそんなことはないけど……。
……というか、きっとランスはこの手紙を読んでくれないだろうな。酷いこと言っちゃったし……。
だから、俺の想いをここに全部置いていこうと思う。
ランスと初めてあった時は正直ヤバい奴だと思った。
妹グッズを渡してきて、流石に引いた。でも、間違ってる、と思ったら正直に自分の意見を相手にぶつけているところとか、
面倒見がいい所とか、
普段あんなにクールなのに意外と虫やお化けが苦手だったり……。
どんどんランスへの気持ちが大きくなっていって、最終的には好きになっていました。
マッシュと付き合ってることを知った時は正直めちゃくちゃ会うのが辛くて、会いたくないって思った日も沢山あった。
あったけど、やっぱりランスに会いたくて、頑張ってました。
ランスのせいだけど、ランスのおかげで初めて恋愛を頑張ってみることができました。
新しい事をさせてくれてありかとう。
ランスと決裂した時のことは思い出したくないので書きません。もし、俺のお墓参りに来てくれるのなら、その話はしないで下さい。俺の心が死ぬので。
あと!!!これは忠告。魔法学校の中でマッシュとキスをしないで。それ以上の事も。魔法学校で起こることは全てあのくそジジィが見てるから。やるなら違うところで。
それと、余裕があったらフィンを気にかけてあげてほしい。俺が死んだらフィンはひとりになってしまう。俺を追ってこようとしたら全力で止めてください。殴ってでも。
随分と長くなってしまったし、ここら辺で書くのをやめようと思います。
今までありがとう。
今までも、これからも、ずっと大好きです。
レインより”
なんで、なんで……、
今さら、この感情に気づいたって……
もうレイン先輩はこの世にいないのに、
「ッ~〜!!!」
「、ゔぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ッッ!!」
なんで、失ってから気付くんだ。いや、レイン先輩が生きていた頃からきっと気付いていたんだ。
マッシュと付き合ってたから、目を逸らしていただけ。ちゃんとその感情と向き合っていたらレイン先輩は死ななかったかもしれない。
そんなの、俺が殺したも同然だ。
レイン先輩は俺のせいで死んだ。
愛しい貴方を、俺は自分で殺してしまったんだ。
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「レイン先輩、会いに来ましたよ……」
レイン先輩が死んでから3年が過ぎた。レイン先輩が死んで間もない頃は辛くて悲しくて、自暴自棄になっていた。今では普通に生活できるくらい落ち着いているが、前は誰かに世話をされないとご飯も風呂もなにもできなかったくらいで、フィンやドットに物凄い迷惑を掛けたことを昨日のように覚えている。
ほんとうはすぐにでもレイン先輩の後を追おうとしたが、みんなに全力で止められた。マッシュが俺を殴った時は本当に死ぬかと思ったくらいだ……。
「レインくんはランスくんの事を思って死んだんでしょ。ならランスくんも死んじゃったらレインくん悲しむでしょ」
マッシュは俺を ”友達として” 支えてくれた。
精神的に回復してきた頃、俺とマッシュはこれからについてたくさん話し合った。
「…おれは、本当はレイン先輩の事がずっと好きだったんだと思う。」
「……、うん、。なんとなく、そんな気がしてた。」
「……。」
「ランスくんって僕を見る時は優しい目で見てくれるけど、なんとなくアンナちゃんを見ている時の目と一緒な感じがしたし。
でも逆に、レインくんを見てる時は愛しくて堪らないみたいな、ずっと奥深くに熱が篭ってるような目、してたもんね」
「、そう…なのか??」
「無自覚だったの?笑
正直、悔しかった。ランスくんは僕と付き合ってるのに、ずっとレインくんの方しか見てないし!!」
「僕がちゅーしたいって言ったら僕の口を手で覆ってしてきたし、ほんとはちゃんとしたかったのに……。絶対ファーストキスを誰かのためにとっといてるんだな、って思った……」
「それに、
レインくんの些細なことには気づくのに、僕の前髪を0.1mmくらい短くしても気づかないしさ……。」
「それは誰も気づかないだろ、 」
「フィンくんは気づいてくれましたー!」
マッシュと硬い話をしていたはずなのに、いつの間にか2人で笑いながら話し合って、
すごく安心するのに、そこにはやっぱりレイン先輩を見た時のような心が踊る感じがしなかった。
やっぱりレイン先輩だけですよ。
俺の感情をこんなにも揺さぶらせるのは。
𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄
ずっと、レイン先輩にいえなかった事があった。
自分の気持ちに蓋をして、 何も考えないで何となく生きていた。
だから、こんなことが起きるまでは気づかなかった。いや、気づいてないフリをしていた。
だけど、貴方は俺に気づかせてくれた。あなたの人生と引き換えに。
俺は貴方が死ななかったら、きっとこれからもこの気持ちに気づかなかいフリをして、結婚して、きっと森の奥深くで生活して、死んでいったんだと思う。
本当に、あなたのおかげだ。
でも、だからといって貴方が死んでよかったかと言われたら絶対に、縦に首を振ることは無い。
貴方にもっと生きてて欲しかった。
貴方ともっとずっと一緒にいたかった。
貴方がよかった。
きっと貴方も同じことを思ってるんでしょう?
だって、俺にこんなものをくれるのだから。
ランスの左耳にはスターチスのピアスがつけられていた。
「レイン先輩、いつか必ず迎えに行きますから。待っててくださいね」
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最後まで読んでくださりありがとうございます!!
これにて、 ”ばいばい” は完結です。
ここからは少し解説を書いていきたいと思います。
☆1つ目
レインはずっと、マッシュとランスは魔法学校内でキスをしたと勘違いしていましたが、実際はしてません。マッシュくんが言った通り、ランスがマッシュの口を手で覆ってその上からキスしたので間接的なキス?みたいな感じです。
その間接的なキスもキスだろ!!って思っている方、ごめんなさい
ちょっとここややこしいかな?って思ったので一応書いときますね。
☆2つ目
黄色いチューリップの花言葉
「望みのない恋」
☆3つ目
ピアスをあげる意味と、スターチスの花言葉
ピアスをあげる意味
「いつどこでも自分の存在を感じてほしい」
「あなたへの愛は本物です」
「自分だけを想っていてほしい」
スターチスの花言葉
「変わらぬ心 」
「永遠に変わらない」
コメント
8件
泣けてくる………
最高です…泣きましたよ
最高です! 本当にもう泣きそうなくらい最高です……