チャット版で書かなかった祐希さん視点。皆さんお察しの通り関田さんの奥様の名前は作者オリジナルでございます。
ーーーーーーーーーーーーー
Side Yuki
その日は冷たい雨が降っていた。
ベッドでぼーっとしているとふと通販の振込をしてなかったことを思い出す。こんな日に外出は億劫だけど期限ギリギリだからしかたない。傘を開きコンビニへ。会計を済ませ荷物を整えている時だ。見慣れた人物が入ってきた。
「関田さん?」
その隣には女の人。2人の関係は聞かないでもわかった。
「ああ、祐希。紹介するね、婚約者の瞳さん。結婚することはもうすぐみんなにも言う予定だから。」
「そうなんですね。おめでとうございます。」
必死にそれだけ絞り出して、店を後にした。
関さんが結婚する。則ち俺の失恋が確定したことを意味する。嫌だ嫌だ嫌だ!このまま家に帰るなんて耐えられない。土砂降りの痛みの中、気づいたらいつも優しくしてくれるもう1人の先輩の元に向かっていた。
ピンポーン
チャイムを鳴らし。少し待っているとドアが開いた。
「祐希、どうしたの?」
「すみません」
俯いたまま一言だけ返す。何かを察したのだろう。何も聞かずに入れてくれた。
家に入るとすぐに飲み物を用意してくれた。
渡されたマグカップを受け取る。あ、温かい。こういうとこ、山さんはほんとによく気が利く。こんなに優しのに恋人がいないのが不思議なぐらい。
体があったまってほぐれてきたところで核心をつかれた。
「どうした?」
「……。」
「別に怒ってなんかないから。話して?」
きっとこの人には隠していても無駄だ。全部言ってしまおう。
「失恋しました」
ちゃんと話したいの息が詰まって、上手く声が出せない。どんどん言葉が途切れ途切れになっていく。それでも山さんは頷きながら俺が話終わるのを待っててくれる。
「ほんとに、好きだったんです」
そう言ったところでプツリと何かが切れた。
「そっか。そっか。」
「はい、ティッシュ」
「あ、おれ泣いて、る」
山さんに言われて顔を触ると涙で濡れていた。
「気づいてなかったのかよw」
興奮して涙が止まらない。そんな僕に彼はとんでもない言葉を発した。
「ねえ、そんなに辛いならさオニイサンが慰めてあげようか」
「え、」
何言ってんだこいつ?
「冗談だ
「お願いします」
「は?意味わかってんの?」
ちょっと怒ってる。本気じゃなかったんだな。
「わかってます。セ⚪︎クスするんでしょ?俺そんなアホじゃないです。」
「言ったな?」
もう、なんだっていい。
「はい」
返事を聞いた山さんの表情が変わった。
「どーなっても知らないから。」
そして俺の体をヒョイと抱き上げ、寝室に向かった。
ーー
目が覚めると、山さんはまだ寝ていた。体を起こした瞬間、昨晩のことが一気に蘇る。やってしまった。しかもそのまま寝落ちして、パジャマまで着せてもらって。先輩になにさせてんだよ。
「ありがとうございます」
そっと横顔に触れてみる。
「ん、祐希おはよう」
やば、起こしちゃった。
「おはようございます。」
「腰、大丈夫?」
「あ、、へーきです。」
俺の体ことまで心配してくれてるよ。
「良かった。ご飯どうする?」
「いいです。家帰って食べます。」
流石にこれ以上お世話になるわけにはいかない。
ーー
来たときの服に着替えて帰る準備をすませた。
「すみません、いろいろ」
「何回謝れば気が済むかなー」
「ありがとうございました」
「ん」
「パジャマとか、洗って返しますね。」
「りょーかい」
「お邪魔しました」
外に出ると、もう雨は上がっていた。
ーーーーーーーーーーーーー
❤️いっぱいもらえると嬉しいです(おい)
コメント
1件
このまま付き合ってしまえッ