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1周年特別編

※これは心菜の妄想であり、ガチではありません。


XXXX年12月15日


「………あぁ…」

母は大粒の涙を流した。


雪が降り舞う冬

1つの大きな病院で双子が産まれた。


…だがその双子は産まれてすぐ、母が2人を離れ離れにした。


1人は孤児院へ

もう1人は祖母へと預けられた。


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

XXXX年4月22日


新しい制服。

新しい学校。

そう。今日は高校初日

ドキドキとワクワクを詰め込んで大きな声で言った。

「行ってきまーす!!」

「‪”‬なな‪”‬ちゃん!忘れ物!」

優しく声を掛けてくれたおばぁちゃん。

お弁当をななに渡した。

彼女はおっちょこちょいのようだ。


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

大きな桜の中には小さな蕾があった。

風に吹かれてヒラヒラと舞ななの元へと飛んで、手のひらに乗った。


「綺麗だn」

とてもうちゅくちぃ♡桜に見とれていると

突然後ろから誰かにぶつかられた感覚がした。

「ぎゃあああああああああああああ!?すみません!すみません!」


校庭に響き渡る大きく高い声。

ななは反射で耳を塞いだ。

周りの生徒からは引かれたような目をしていた。


「ほんとにすみません!」

彼女は落ち着いたのか、冷静になり、ななに謝った。

ペコペコと誤っている彼女を、よくよく 見ると、どこがななに似ている気がする。

髪色、瞳の色、顔立ち。

それ以外にも良く似ているところが多く、ななは不思議に思った。

だがそんな事もいずれ気にしなくなった。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

XXXX年12月


2年の冬になりたての頃、ある事件が起こった。


ななはある事をおばぁちゃんから聞いた。


ななが双子である事。

双子の姉とは産まれた時には離れ離れになっていた。

ここまでは、ただ驚くだけだった。

だが次の話を聞いたななは、腰を抜かし涙を流した。

それは


現在ななの友達である、冬桜 心菜が双子の姉であること。


そう心菜とはあの時ななにぶつかり、生徒を引かせた女。


ガチャン!

「ななちゃん!?」

なな勢い良く家を飛び出し、とある孤児院へ向かった。


‪”‬イイダ孤児院‪”‬

「心菜!!」

孤児院の入りを開け心菜を呼んだ。

「ん?ななじゃん!!」

心菜はまるで男子小学生がカブト虫を見つけたかのような笑顔をななに見せた。

「心菜!誕生日は何月何日!?」

心菜はポカーンとしたような顔で答えた。

「12月15日だよ?前も言ったよね?」

ビンゴ…

「あのさ…」

何かを言いかけた。

何?と心菜は言ったが、ななは何も話さなかった。

心菜は「答えてよ!隠し事は無しって言ったよね!?」心菜が強く反発すると、ななが返した「隠し事なんかしてないし!」


そこから喧嘩がヒートアップしていき、最後は結局孤児院の人に止められ、ななは家へ連れて行かれた。

おばぁちゃんが何度も頭を下げていた。

どうして心菜に言えないの…?

ななは今になって後悔している 。


┈┈┈

「ごめんなさい…」

ななは涙目で少し下を俯きながらおばぁちゃんに謝った。

おばぁちゃんは「大丈夫大丈夫だよ」優しく頭を撫で、ゆっくり話を聞いてくれた。


その日はおばぁちゃんの暖かい腕の中で眠ってしまった。


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

「知ってるよ…君の秘密…」


寒く、寂しい空を潤んだ瞳で見つめている。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

XXXX年12月15日


あれ以来2人は会話を交わさなくなった。

そして今日は16歳の誕生日

だがそんな時でも部屋に籠っていた。

おばぁちゃんも暗く変わり果てたななをとても心配していた。


「ななちゃん…?」

心配そうな声でおばぁちゃんがドアを開け、話しかけてきた。

「はい…これ…」

おばぁちゃんが渡して来たのは一通の手紙だった。

ななは受け取り、手紙を開いた。

ななは驚いた。

なんと、手紙の送り主は‪”‬亡くなった‪”‬母だった。

内容は


ななへ


こんにちは

そして

まずごめんなさい。

貴方達双子を離れ離れにしてしまって本当に申し訳ないと思ってます。

ちゃんとした理由があるんです。私は実は、病気にかかっていたんです。でも病院にかかったと同時に貴方達が出来て、双子だって知った時はびっくりしました。

けれど私は命を無駄にしたくなったんで

す。でもエコー写真を見た時、姉の様子がおかしかったんです。医者に言われました。姉の方は病気にかかっていると。その時に私は双子を離すことを決意しました。

ほんとにすみません。

ねぇなな?お母さんに迷惑かけていませんか?

お友達は沢山出来ましたか?

私はいつも貴方達を空から見守っています。だから胸を張って生きてください。


母より


読み終わった頃には涙で溢れていた。

母はなな達の為に離れ離れにしたんだなと、母の優しさを感じた。

そんな時おばぁちゃんが優しく背中を押してくれた。

「行ってらっしゃい」

うん!と久しぶりに大きな声で返事をして家を出た。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

雪もだんだん積もって来て、道路は辺り1面真っ白。そんな中息を切らしながらも、走りを止めない。

ななが 曲がり角を曲がろうとした瞬間

ピンクの髪が見えた

それは紛れもなく、心菜だった。

「なな!」

「心菜!」

2人は名前を呼び抱き合った。


「今度は2人で居ようね」

「約束だよ」


2人は約束を交わした__。


2023年12月15日

冬桜 心菜と冬桜 ななは再会をした。

その日から2人は12月15日を再会記念日とした。



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

2024年12月15日


パンー!部屋中にクラッカーの音が響き渡る。

そう今日は1周年日

参加者はもちろん、おばぁちゃん、孤児院の人達。

あっあとお母さん。

空から見ててくれるかな?

「ななちゃん!心菜ちゃん!写真撮るよ!」

おばぁちゃんがカメラを構えた。

パシャ


今日は最高の一日だった。

その日2人は抱きしめ合って寝た。








なな!いつもありがとう!














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