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ドラ姫様が往く!!

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第109話 何処からともなく来た人

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2024年04月17日

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あくまでも予測だ。それに、仮にマコトが私の予想通りの人物だったとしても、彼に対する対応を変えるつもりも無い。彼は既にこの国になじんでいるみたいだしな。


時刻は既に午後10時30分か。今日はもう帰ったらすぐに寝るとしよう。

さて、”白い顔の青本亭”のベッドはどんな寝心地かな?


予想はしていたが、宿に帰るとロビーにいた客達が一斉に私に視線を向けてきた。ブライアンからも大層驚かれてしまった。ブライアン曰く、私の髪が非常に綺麗だとのことだ。

人間にとって艶やかで煌めいているものと言うのは、とても魅力的に映るのだろう。まぁ、私も好きだから気持ちは分かる。




今日もレイブランとヤタールの『通話《コール》』によって目覚めさせられ、1日が始まる。


この宿の寝心地は”囁き鳥の止まり木亭”ほどの上質な布団では無かったため、ベッドに横になってもすぐに眠りにつくことは無いと思っていた。



しかし、実際はどうだ。

風呂に浸かって体の内側が温まった私の体は、ベッドに横になり、布団を掛けたらあっさりと眠りについてしまったのだ。


よもやこれほどとは。凄まじいな、風呂というものは。

私ならばやろうと思えば簡単に用意できそうだし、家に帰ったら広場に作っろう!それまでに毎日風呂屋に通い詰めて風呂についてしっかりと勉強しなくてはな。

触ってみた感じ、髪の状態は昨日のままのようだ。これは、街中を歩いていると視線を集めてしまいそうだな。


さて、今日は早朝から冒険者ギルドへ向かいマコトと話をすることになっている。この宿の朝食がどれほどの物か気になるところだが、あまり堪能しすぎて遅くならないようにしよう。


「おっ、嬢ちゃん、おはよう!随分と早いな!」

「今日は早朝から予定が入っていてね。できることなら朝食も手早く済ませたいんだ。大丈夫かな?」

「まかせな!この宿の客は早朝から忙しくしている連中も多いからな。朝食の準備はもうできてるぜ。勿論、味の方もバッチリだ!その辺は手を抜いてねえぜ?」


それは有り難い。早速朝食をいただくとしよう。


提供された朝食は焼き立てのパンとイスティエスタでも味わったコンソメスープ、それに卵を焼いた料理だ。

確か、この卵料理は目玉焼き、と言う名の料理だったか。焼き加減や味付けで好みが多種多様に分かれることで非常に有名なのだそうだ。


提供された目玉焼きの黄身は、完全には固まっていない。とろみのある食感を楽しめそうだ。

目玉焼きの下には薄切りの肉が敷かれているな。見た目で判断するなら、これは塩漬された肉を加工して作られた、ベーコンと言う食べ物だったか。香ばしい香りが漂っている。

ブライアンの言葉に偽り無し、だな。どの品も香りだけで美味いと分かる。あまりゆっくりできないのが残念だが、しっかりと味わって食べるとしよう。



朝食が終わって冒険者ギルド前。時刻は午前7時前だ。

掲示板の依頼を求めて多くの冒険者が扉の前にたむろしている。

勿論、朝食は言うまでも無く美味かったとも。明日はもっとゆっくりと味わいたいものだ。


それはそれとして、意外にも王都の冒険者達からは悪臭がしてこない。装備には汚れが付いている者もいるが、許容範囲だ。衛生観念はイスティエスタの冒険者よりも良いみたいだな。

関心感心。やはり、風呂があるおかげで皆依頼を片付け後は体を綺麗にする、ということだろうか。

どうであれ、良いことだ。

もしかしたら、私が『清浄《ピュアリッシング》』や魔術言語の本を売りつける必要が無いかもしれないな。


今の彼等に特に不満点があるわけでは無いので、イスティエスタの時のような騒動も起きることも無い。

無いのだが、最前線に立っている冒険者達以外からの視線が私に集中している。

私に聞こえないように私のことを小声で話しているな。まぁ、聞こえてしまっているのだが。


この辺りはイスティエスタの冒険者達とも変わらないか。もっと堂々としていればいいものを。私は多少のことでは怒らないぞ?

彼等の会話の内容は2種類しかない。昨日の拷問まがいの稽古についてと、今の私の外見についてだ。


私の今日の服装は所持している物の中では最も冒険者向きな服で、仕立て屋のフウカが選んでくれた服だ。探してみれば似たような服装の者も見つけられる。

だが、話題にされているのは服装についてではない。私の髪についてだな。光の当たり具合で色が変わる髪に驚いている者もいれば、髪の質に驚いている者もいる。


彼等には悪いが慣れてくれ、としか言えないな。

私は王都にいる間は毎日風呂屋に通う予定だし、毎日昨日の洗髪料を使用する。

つまり、今の私の状態が毎日続くのだ。我儘を言わせてもらうが、髪の質感が心地良いのでマコトから止めてくれと頼まれても止める気は無い。


ギルドの扉が開かれるのを待っていたら、王都に来るまでの馬車に同乗した若い冒険者の男性陣の2つのパーティから声を掛けられた。


「ノアさん!おはようございます!」

「おはよう。随分と早いね。ああ、そういえば貴方達は村に来た先輩冒険者から朝の依頼は競争だと聞いていたのだったね」

「はい!まぁ、僕等”新人《ニュービー》”には関係の無いのかもしれませんが、雰囲気だけでも知っておこうかなって思って」


勤勉なことだな。良いことだと思う。その調子で文字も魔術言語もしっかり覚えてくれ。まぁ、風呂に通うようになれば『清浄』は必要なくなるかもしれないが。

いや、風呂で体を洗うことはできても、装備や服の汚れはそうはいかない。やはり『清浄』は必要な魔術だ。


そういえば、彼等は昨日の騒動を知っているのだろうか?

あの時間帯は彼等の姿を見かけなかった。依頼をこなしていたのか、それとも文字の勉強をしていたのだろうか?


「君達は、昨日の夕方、ギルドで起きたことは知ってる?」

「あっ、はい。なんか、凄いことになってたみたいですね」

「あからさまに手加減した状態で30人近い冒険者達が皆ボッコボコにされたって、先輩方から晩飯時に聞きましたっ!先輩方、みんなすっごい美味そうに冷えたエール酒を飲んでましたよ!」

「物凄く疲れたから、冷えたエールがやたらウマイ!って言ってました!」


ほう。

ちゃんと治療は行っていたとはいえ、私がギルドを出る時は皆揃いも揃って精神が疲弊しきっていたのだが、夕食を食べる頃には酒の肴にできるぐらいには回復したのか。

王都の冒険者達はイスティエスタの冒険者達と比べて甘ったれていると彼等に言ってしまったが、良い根性をしている冒険者もしっかりといるんだな。それが分かっただけでも朗報だ。


「事の発端は私達と一緒に王都に来た少女達が害悪な冒険者達に絡まれていたのが原因なんだけど、貴方達はあの娘達とは一緒じゃなかったんだね」

「ええ、誘いはしたんですけど…」

「甘える形になりそうだからって言われちゃって…」

「まぁ、できればお近づきになれたらなぁって下心が無かったわけじゃなかったんですけど…」

「見事に振られちゃったっす…」


なるほど。

まぁ、この若者達は皆、馬車の道中でも女性陣に気を遣っていたからな。ちゃんと下心があっての行動だったというわけだ。

で、気を遣われていると対当に扱われている気がしないからと、彼女達だけで行動していた、といったところか。

さらにそこへあの連中と出くわしてしまった、と…。災難だったな…。


おや、ギルドの扉が開いたらしい。周りで私を見ていた冒険者達も扉が解放された音に気付いて一斉にギルド内へと駆け込んでいった。

なかなかの勢いだな。ギルドの中では、早速掲示板の依頼を依頼を巡って怒号が飛び交っている。まだギルドに入っていないのにコレなのだ。ギルド内はさぞ喧しいことになっているだろう。


争奪戦と言われるだけのことはあるな。”新人”の若者達も勢いに飲まれて呆然としてしまっている。

今のうちに慣れておくと良い。彼等が成長したら、あの中に混じることになるのだろうからな。

依頼を巡っての争奪戦の内容も知ることができたし、そろそろ私もギルドへ入るとしよう。

マコトを待たせるわけにはいかない。


さて、受付は空いているようだな。

昨日対応してもらった受付嬢もいるようだ。彼女は私がシセラから呼ばれた理由を知りたがっていたようだし、今日も彼女に対応してもらおう。


「おはよう。ギルドマスターに捕り繋いでもらって良いかな?早朝から会話をする約束をしているんだ」

「オ、おはようございます…。お、お話は伺っています。ギルマスに伝えますので、し、少々お待ちを…」


受付嬢は私を前にかなり緊張しているようだ。声がどもってしまっている。

どうにも怖がられてしまっているみたいだし、今後彼女に対応を頼むのは少し可哀そうかもしれない。やはり、依頼の斡旋は別の者に頼むとしよう。


「ノ、ノアさん、ギルマスの確認が、と、取れました。し、執務室で待つとのことですので…き、昨日の部屋へ向かってください」

「分かったよ。1人で行ってしまって良いんだね?」

「は、はい…。その、機密を、あ、扱うことになるとの、こ、ことで、ノアさん一人で、き、来て欲しいそうです…」


受付嬢からは明確な畏怖の感情が読み取れる。

ただの恐怖とは違う辺り、もしかしたらルグナツァリオから寵愛を受けている旨を説明されているのかもしれないな。

1人で向かって良いとのことなので、遠慮なくマコトのいる場所まで向かわせてもらうとしよう。



執務室の扉の前に着き、了承を得てから扉を開ければ、そこにいたのは―――


「あ、どうも。おはようございます。どうぞ、適当なところに腰かけて下さい」


………いきなり困惑するようなことをしでかさないで欲しいんだが?


ギルドマスターの執務室にいたのは、20代前半ぐらいの庸人《ヒュムス》の男性だ。昨日のマコトを若返らせたら、丁度こんな顔立ちだろう、と思わせる人相をしている。

その外見に違和感を覚えないことから、今の姿がマコトの本来の姿なのだろう。


それにしても、口調までガラリと変わっているとは…。


これはアレか?私に散々驚かされたりストレスを抱えさせられたからその仕返しだったりするのか?驚かすという意味では大成功だな!

そして、マコトの第一声。かの勇者アドモも同じような単語を第一声で放っていた。やはり、マコトは私が予想した通りの人物で間違いなさそうだな。


マコト=トードー。彼は、”何処からともなく来た人”だ。

これまで私が読んだ本の中には、”何処からともなく来た人達”のことが記された本もいくつかあった。


彼等の特徴の1つとして、庸人《ヒュムス》の外見でありながら妖精人《エルブ》のようにいつまでも若い外見を状保っている、というものがある。

そしてその寿命は妖精人や窟人《ドヴァーク》ほどでは無いにしろ、庸人よりも長いのだそうだ。

更には彼等は勤勉な者が多く、様々な魔術や言語をすぐさま習得するだけでなく、ある程度の魔法まで使用できるようなのだ。


昨日、私はシセラの感情を抑えるために魔法を使用したが、マコトが魔法を使用できるのであれば一目見てそれを見抜いたとしても納得ができる。

そして、何と言ってもこれまでの生活が一変して変わってしまうほどの便利な道具や技術、そして知識を所有しているということ。マコトの風呂の知識も元から知っていたからこそ、このティゼミアでも自分の知る風呂屋を再現させられたのだろう。


まったく、マコトを含め不思議な人達だ。私が彼等のことを言えた義理ではないが、何者なのだろうな。


とりあえず、マコトに薦められたように、適当な椅子に腰かけよう。

さて、マコトからは何か色々と頼まれるような気がするのだが、彼は私にどういったことを望むのだろうか?


「おはよう。昨日は貴方のおかげで素晴らしい体験ができたよ。風呂の存在を教えてくれてありがとう。それで、やっぱり妖精人でもないのに長い年月若い姿を保っているのは、怪訝に思われてしまうのかな?」

「まるで驚かないんですね…。というか、僕がマコトだって一目で気付けるんですか…。ノアさん以外だと、ユージェン以外には気付かれなかったんですけどねぇ…」


やるなぁ、ユージェン。

マコトの偽装はかなりの精度を持っているし、そうそう簡単に見抜けるものでは無いと思う。それを見抜くということは、ユージェンの本質を見抜く能力がずば抜けて高い、と思った方が良いだろうな。

だとすると、やはり彼には私が”楽園”の関係者であることどころか、私の正体が人間ではなくドラゴンであることも見抜いていると考えるべきだな。


まぁ、今はそれはいい。それよりもマコトだ。


「さて、早速だけど、マコトは私に何を望むのかな?大抵の要望は叶えようとは思うけど、流石に王都にいる間ずっと大人しくしていてくれ、などと言われても了承できないよ?」

「意外ですね…。自由に行動させて欲しい、と言われると思ったのですが…。ですが、要望を聞いて下さるなら早速お願いをしても良いでしょうか?」


それにしても、昨日とはまるで言葉遣いが違うからどうにもしっくりと来ないな。何故、彼は態々私に自分の正体をさらけ出すようなことをしたのだろうか?後で聞いてみよう。


「構わないよ。言ってみて?駄目なら駄目と言うから」

「王都の冒険者達を鍛えてやってもらうことはできますか?勿論、昨日みたいな過酷すぎるようなヤツではなく、程よく疲れる程度に鍛えてやって欲しいんです」


ほう。なかなか面白いことを願うじゃないか。冒険者の育成か…。

面白そうだな。未来ある者の成長を見届けるのは、私としても楽しい。問題はどのぐらいまで鍛えるか、だな。

とにかく、今は詳細を聞かせてもらおう。細かい話はその後だ。


「詳しく話してくれる?それと、私にそれを願う理由も」

「はい。まず、王都の冒険者達は同ランクのイスティエスタの冒険者達と比べて、非常に弱いです」

「言い切ったね。そこまで酷いの?」

「それはもう。流石に”新人”や”初級《ルーキー》”ではそこまで差がありませんが、それ以降は実質ランクが一段下回るほど実力に開きがあります。王都で”星付き《スター》”になった冒険者が意気揚々とイスティエスタへ向かい、”楽園”に挑んで命を落とすという話も、とてもよく耳にしています」

「それはまた酷い話だね。確かに、イスティエスタでは[”星付き”でもなければ”楽園”に挑んでも命を落とすだけだ]と言われていたけど、向こうの基準で”上級《ベテラン》”程度の実力じゃあ、確かに命を落としても無理はないか」

「全くもってその通りです。一応、”星付き”になったから”楽園”に挑む、と告げた者には忠告しているのですけどね…」


自尊心高そうだからなぁ、王都の冒険者達。

折角努力を重ねて目標に到達したというのに、まだ実力不足だと言われては、素直にいうことを聞くとは思えないな。


「で、今いる者達だけでもランク相応の実力をつけてやりたい、と」

「ええ…。これでもギルドマスターですから。かと言って、僕が彼等を鍛えたくても仕事が溜まっていて…」

「面倒を見てやる暇がない、というわけか。貴方の要望に応えるのは構わないけど、他に頼めそうな冒険者はいないの?」

「!ありがとうございますっ!…いやぁ、ユージェンからは絶対に怒らせるな、と念を押されていたのでかなり怖かったのですが、こうして話をしてみると、ノアさんはとても優しい人ですね!ああ、そうだ。他に任せられる冒険者なのですが、残念ながら…」


ギルドマスターに手を貸してくれる心優しい冒険者はいないようだ。

事情は説明しているとは思うのだがな。後進の育成に冒険者自身は積極的では無いのか?


「大抵の者はそれだけの実力がある時点でイスティエスタへ向かいますからね。しかも残った者も、後輩の面倒を見るぐらいなら自分の依頼をこなす。と言う者達ばかりなんですよ」

「競争相手は少ない方が良い、とでも言ってそうだな。嘆かわしい。”楽園”の恵みで生計を立てるこの国では、冒険者の仕事も立派な国営だろうに」


何せこの国の本当の資源はこの国特有の人工採取場なのだ。勿論”楽園”から持ち込まれる素材も利用はされるし、他国への目くらましにも必要だから、ランクの高さに関わらず素材を回収して来る冒険者という職業はこの国では必須の職業なのだ。


…危なかった…。

ついポロッと”楽園”のことを抜かして説明しそうになっていた。危うく1週間もしない内に誓約を破るところだったな。もっと気を付けないと…。


「それを分かっていない冒険者があまりにも多いのも問題の1つなんですよ。しかも冒険者達だけでなく、財政を管理する貴族達まで冒険者を軽く見る者達が少なくないのがこの国の現状なんです…」

「本当に嘆かわしいな…。上に立つ者がそれでどうするんだ…。何と言ったらいいか…ギルドマスターも大変だね」

「ええ、本当に…この職に就くまでは、ギルドマスターなんて執務室でふんぞり返っているだけで良い楽な役職だと思ってましたよ…。あの頃の自分を今でもぶん殴りたくなってきます…」


相当に苦労しているようだ。

うん、どうあっても私の行動は彼にストレスを与えるようだし、彼には優しくしてあげよう。彼の表情は見ていていたたまれない。

初めてだよ。気苦労を負い過ぎて可哀想だと思ったのは。


「楽そうだというのも理由の1つなのだろうけど、どうしてマコトはギルドマスターになろうと思ったの?」

「ああ、昨日も少し話ましたが、僕も”一等星《トップスター》”の冒険者だったんですよ。で、王都にいる”一等星”の冒険者なんて滅多にいないんで、貴族から指名依頼が頻繁に舞い込んでくるんですよね。これが下手に断ると面倒が起こったりするんですよ」


貴族と言うのは面倒な者しかいないのか?

いや、洗髪料を開発してくれたセンドー子爵のような人物もいるのだし、まともな貴族もいると信じよう。

ところで、マコトの話はこれで終わりではないらしい。


「依頼を断られた貴族が僕に不満を直接ぶつけてくるのならいくらでもやりようがあるんですけど、貴族と言うのはやたら面子を気にする人達で、僕が指名依頼を受けた貴族にちょっかいを出したりするんです。もうね。本当にやってられないな、ってなりまして…」

「本当に面倒臭い人達だな、貴族と言うのは。個人的に親しい人物でも無ければ、今は関わりたいと思えないな」

「ええ。その方が良いです、本当に。今思えば、あの時は僕も冒険者の頂点になれたことで浮かれていたんですよねぇ…。それで舞い上がって、寄せられてきた貴族の依頼もホイホイ受けて…。その結果がコレですから…。ノアさんは貴族はおろか国すら歯牙にもかけないみたいですから、素性を公表するまではあまり貴族に関わらないことをお勧めします」


有り難い情報だ。

私の場合、高ランクの冒険者になったらむしろ活動を控えるつもりなのでマコトのようにはならないと思うが、それでも知っておいて良かったと思う。


ただ、その情報は昨日の内に知っておきたかったな。


推定貴族と思われる人物と、昨日既に関わっているんだよなぁ…。

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