(注意)
こちらはnmmn作品に該当いたします。
賽子様のお名前をお借りしておりますが、本人様とは一切関係ございません。
スクリーンショットなど拡散になる行為はお控えください。
irxs赤桃
性的行為の匂わせ・薬物使用などの描写がございます。
それでも大丈夫な方のみ、お進みくださいませ。
ーー
固く閉ざされていた、冷たい色の玄関扉。
それが開く音は想像してたよりも高い音階だった。
ガチャリと扉が開かれると、目の前には明らかに血色の悪い彼が出てきた。クマも酷く、頬骨も浮き出ている。誰がどう見ても不健康と判断するその容姿の持ち主は、俺の友人──ないくんだ。
「な、ないくん。大丈夫?」
「…りうら。」
玄関を開けてくれた安堵感もあったが、一先ず心配の一言。それを聞いたか否かは判断し難いが、ないくんは淡々とした声で俺の名前を呼ぶ。しかし、冷静ぶった声色で話す彼の瞳は血眼だった。それがなんだか気味が悪い。
まあ、何はともあれ──
「──やっと、開けてくれた。りうら結構心配したんだよ?」
暫く学校を欠席していた彼に課題のプリントを手渡しながら、軽い口取りでそう言ってやる。
しかし、彼からの返答はない。その代わりに、俺の二の腕あたりをぐっと掴み家に無理やりあがらせた。
かなり強い力で引っ張られたものだから、少しよろけてないくんの胸に寄りかかる。ちょうど彼の左胸あたりに耳が近づき、鼓動が聞こえた。尋常ではない速さで脈打つ拍動。決して茶化している訳では無い。本当に、普通の人間では有り得ないほどに速いのだ。
「ないくん…えっと、大丈夫?心臓、めっちゃうるさいけど──」
刹那、ないくんは俺の体をぎゅっと抱き寄せて、それから上がり框に俺を押し倒した。
「りうら…ありがとう。俺の事、受け入れてくれて。」
「なんの事?」
「俺の相談乗ってくれてる時、ずっと俺のそばにいるって、見守ってくれるって言ったんじゃんか。病める時も健やかなる時も一緒、って。」
「はあ?」
「俺が弱ってる時だって、それくらいがちょうどいいって。それでも好きだって。俺を受け入れてくれたでしょ?ね。」
全く何を言っているか分からない。
確かに、ないくんが学校のことで悩んでいるのは知っている。ちゃんと相談にも乗った。そこまでは事実だ。
しかし、そんな愛の告白のような言葉をかけた覚えはこれっぽっちもない。
一体彼は何を勘違いして──
「ねえ、りうら。俺と一緒になってくれる?いいよね。そう言ってくれたもんね。」
そう言い放つと、乱暴に俺の服をぬがして来ようとするないくん。
そのピンク色の瞳は先程と比べ物にならないほどに血走っていて、正直悪寒がした。不思議なことに、それと同時に胸の奥がぞくりと高鳴ったような気もしたのだが。
「ないくん、1回落ち着いて。なんかりうらとないくんの間ですれ違いが起きてる感じが…」
俺の上半身が完全にはだけさせられたところでそう声をかけると、彼はぴたりと手を止めた。
「どういうこと?りうら、嘘ついたってこと?」
「違う。嘘はついてないっていうか、根本的に事実と異なってるっていうか?とにかく、落ち着いて話聞いて。」
「落ち着くなんて出来ないけど。だって俺は、こんなにりうらのこと好きで…りうらもこんな俺でも好きって言ってくれて…。両思いで…」
少し取り乱した様子で言葉を紡ぐ彼を、曇りなき瞳で見据える。
ないくんはそんな様子の俺を見て──否、『俺では無い俺』を見つめて、「それで」と付け足して続ける。
「俺、りうらと一緒になりたくて。繋がり、たくて。」
恐らく、『繋がる』はそういう意味として受け取ってもいいのだろう。
しどろもどろでまだ言葉を続けようとする彼の唇にチャックをかけるように、人差し指で軽く触れてやると案外すぐ静かになってくれた。
「分かった。ないくんと繋がるのはいいよ。──でもね」
俺の服に手をかけたまま硬直している彼の背中の方に手を回して、そのままぐるんっと押し倒し返す。
「ないくんは、こっちかな。」
なんとなく、察しが着いていたのだ。ないくんが『俺では無い俺』を見つめて、『彼の中の俺』の話をする理由が。
形勢逆転して視界が広がった今、先程よりも広く部屋を見渡せる。左の部屋、さっきじゃギリギリ見えなかったところ。ここはたしかないくんの勉強部屋のはずだ。黙ったままのないくんに少しだけ体重をかけて、身を乗り出しその部屋を覗き込む。すると、錠剤が床に転がっているのが見えた。何ヶ月か前の課題プリントに覆いかぶさっていて具体的な錠剤名は分からないが彼の様子を見る限り、正常なものでは無いだろう。課題プリントが真っ白なのが十分な理由になり得る。
根拠も手に入れたわけで、視線を下に落とすとそこには青ざめた顔のないくんがいた。
「ないくん、あのお薬なにか話してくれる?」
彼は口がガタガタ震えて上手く喋れないようだから、俺から問いただしてみる。
「違、違う…」
「なにが違うの?」
「りうら、が受け止めてくれるってそう言って、だから俺、りうらのこと…違う、俺が…」
「ああ、立場の話?今はそれじゃなくてお薬のことを──」
「違っ、りうら。やめて。りうらはもっと受け身でかわいくて、俺のこと押し倒したりなんかしなくて…」
ダメだ、埒が明かない。きっと俺が『彼の中の俺』と違う行動をしたから戸惑っているのだろう。言わば、『解釈不一致』とでも言うのだろうか?こんな深刻なものは始めてみたが。
こういう時、素直に抱かれるのが彼の理想の俺なのだろう。俺は絶対御免だけど。
なんでないくんに抱かれなきゃ行けないの?やるにしても俺が『こっち側』でないと納得がいかない。
「やめて、ください…俺の、俺のりうらに戻って…」
瞳から出てきた涙をゴシゴシと拭いながら、そう懇願するないくん。
袖で力強く拭ったためか、目の周りは赤くなっていて、オマケに顔色も悪く鼻水も垂らしている。どうしようもなく惨めでだらしない彼のその顔が、俺を刺激した。
「ないくん、ごめん。嫌がるかもしれないけど、これも『本物の俺』受け入れるためだと思って。」
「嫌…」
「好きだよ」
ないくんの頬を、統べるように軽くなでる。
本当は抱くつもりはなかった。好きだと言うつもりも勿論なかった。でもなんか知らん間に好きバレさせられてるし、貞操も狙われていたようだし。やむを得ないのだ。
俺の言葉にぴくりと反応を見せたないくんは、どこか遠くを見たまま聞き返した。
「…好き?」
「そ、好き。」
「そっ…か」
「うん、ベット行くよ。玄関じゃ寒いでしょ?」
抱き寄せるように彼の背中や裏太ももに腕を回し、そのまま姫抱きをしてひょいっと持ち上げてやる。
昔ふざけて抱き上げた時よりも体重が軽いななんて思いつつも、苦虫を噛み潰したような顔の彼をせっせとベットへ。
「ないくん、好きだよ」
「…はい」
今度は彼の全てを統べるように頬を撫で、壊れ物を扱うように押し倒して服を脱がせる。
その間も、ないくんは拒絶しなかった。ただ俺の瞳だけを見つめて。──そう、『俺』の瞳を。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!