hois 【甘い】
潔「氷織、信じてるぞ」
氷織「もちろん」
僕は期待されるのが嫌いだった。期待と聞くと親を思い出す。期待に押し潰され自分を見失う。僕は何がしたかったんだ、僕は──────
潔「、、り、おり、氷織!!!!!!!!」
氷織「うわぁ!び、っくりした、そんな脅かさんといてや、」
潔「何回も呼んだぞ。疲れてるんじゃねぇの」
氷織「そうやったん、ごめん気付んくて」
潔「別にいいけど、試合でダウンしないようにな」
この時普通の潔くんなのに、いつもの潔くんなのに、なにか少し違う気がした落ちこぼれになるな、と言われたような感覚だった。
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あれから潔くんを意識するようになった、僕は潔くんに捨てられていく人たちを何人も見てきた。絶望の顔をして下を向いていた。僕はまだ潔くんの隣に並べている信じられている、期待されている、僕は期待という言葉が大嫌いだ。でも、潔くんに言われるのは何か少し嬉しかった。絶望していく人間たちを眺めるのはとてもいい気分だった。自分はまだ潔くんと一緒にいれるという優越感があったからだ。
潔「氷織、スピード落ちてるぞ」
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ捨てられたくない捨てられたくない捨てられたくない捨てられたくない
氷織「ごめん!!ほんまにごめん、だからすて」
潔「そんなに謝るなよ笑別にそんなに怒ってねぇよ」
氷織「そっかぁ良かったわ笑」
潔「ちょっと休憩するか」
氷織「うん!」
氷織「なー、潔く」
カイザー「ここにいたのかヨイチ」
潔「げっ、カイザー」
ネス「げとはなんですかげとは!!!イエローカードです!」
潔「うわ、犬も来たのかよ」
黒名「潔潔俺もいるぞ」
潔「お黒名」
カイザー「まぁ、そんなことはどうでもいいフィジカルが弱弱なヨイチくんにトクベツにいい鍛え方教えてやるよ。タダでは無いけどな?」
潔「別にいらん。お前の意見とか聞いてねぇから」
黒名「弱弱はよけいよけい!」
ほら、またあいつらがくる。潔くんの視界に自然と入れているやつら、僕は今も必死に抗っているのにこいつらは、能無しのくせに、
僕はこの時ずっとひとりで潔くんを見つめる、僕が凡人に見えてしまうこの瞬間が1番大嫌いだ。潔くんは僕のことを1番に信頼している。
だか現時点ではあいつらのほうが主人公である、アイツらをどう削ぎ落とし、絶望を味あわせてやろう、潔くんの隣にいたい、潔くんを感じたい潔くんの信頼を得たい潔くんに期待されたい。
期待、その言葉を口にすると親がフラッシュバックしてくる、頭が痛い、またあの記憶、僕は一体何がしたいんだ、
潔「氷織!!!!!!!!」
氷織「あ、っごめんまたぼーとしてた?」
潔「うん、大丈夫か?今日は休んどくか?」
氷織「いや!大丈夫やよ、続きしよう」
潔「カイザーとネスと黒名も一緒だけどいいか?」
氷織「あー、うん全然大丈夫やで」
一度も目を合わせてくれなかった一度もこっちを見てくれなかった一度も僕は必要とされていなかった。悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい僕だって潔くんの期待が欲しい信頼が欲しいなんであいつらなんだよ、僕の方が潔くんのために、
潔「今日は練習付き合ってくれてありがとな!やっぱり氷織も日に日に上達してるよな!期待してるよ」
またこれだ、あま〜い何かが誘ってくる無意識に、ほら、また無意識に、潔に頭が集中していっている、目が離せない甘くて美味しい何かが僕を襲う期待という海に溺れて身動きが取れなくなる、それでも僕はまたその甘い密に誘われて食べてしまう、ダメだとわかっているでも期待という言葉が僕を救ってくれる、潔くんに追いつくため潔くんの隣を歩けるようになるため潔くんの視界に入るため潔くんの期待を得るため、ずっと練習を続ける、潔くんのためなら_______________
カイザー「ありゃ3日ももたんな」
ネス「デスね」
カイザー「あの人間たらしいくら人を堕とせば気が済むんだ。」
ネス「あの人もよく立っていられますよね今にも堕っこちそうなのに。」
カイザー「期待という海に溺れ必死に抗う姿。滑稽だな」
ネス「ですねですね」
カイザー「何人も堕としたあの甘いナニカ正体不明の堕とし穴。さて何人生き残れるかな」
コメント
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ほ、ほぁーー!!まさかまさかの!!そっち側!!い、潔きゅん、君は、君は、、!なんて人なんだ!!まぁ、なんだかんだ言ってやっぱそらりんよ、そらりんしか勝たん!!!!🥺👊らぶらぶらぶ(*´³`*) ㄘゅ❤︎今回も天才!!物語が天才!名前の付け方も天才!何食べたらそんなに天才になるんだ、、次回も楽しみ!ちゅちゅちゅちゅちゅ🫶🫶🫶🫶