朝起き、着替えて…部下に指示して…妖魔を狩って…資料を書いている日々のなか…ドットーレの実験に付き合った…日頃の疲れがあったのだろうか…そもそも実験の影響が出たのだろう…体を壊した…だが…休めるわけがない…部下たちは指示しなきゃ動けない奴らだ…だから…だか…ら…
(ゲホ,ゲホ,)
頭が痛い…吐き気がするのに…吐くこともできない…今日は会議もある…だから吐くなら今吐きたい…アイツらに見られたくない…でも…
(ゥ,オェ、ケホ、ゲホゲホ…)
吐こうにも唾液しか出てこない…苦しい…
(散兵、起きてる?)
ノック音とともに、公子の声が聞こえる…会議の時間か…
(起きてる…遅刻?)
(いや、あと十分あるよ、ただ資料がわからないところあって、今話しとこうかなって…)
(ごめん、今忙しい、会議終わってからにして…)
(わかった…)
…十分か…少しは吐き気失くしたいな…そんなことを思いつつ…僕は息を整える…震える体を起こしつつ、ゆっくりと…
(よし…落ち着いた…行こう…あと5分しかないし…)
会議場についたあと、いつもと違って幹部が少なかった…
(ドットーレ、今回何で公子がいないんだ?)
(今回話があるのは、お前とシニョーラ…アルレッキーノで実験に付き合って欲しい、)
(なぜ会議?)
(急遽変更、)
(あっそ、最悪…)
(あらあら、いつもより顔色が悪く見えるけど、体調でも悪いのかしら?
果たして人形でも風邪は引くの?)
(うるさい、気安く呼ぶな、魔女が…)
そう、今しゃべってる女、淑女(シニョーラ)彼女は僕の過去でいじってきたり、僕が嫌な言葉をわざわざ使ってくるクズ…
(本当に顔色が悪いようだが、大丈夫か?)
(君に心配されても嬉しくない、)
あと一人は召使い(アルレッキーノ)彼女は、優しさを出してるだけで、裏の顔がある、信用できないし、偽善者だ…
(思いっきり失礼なことを思ってるでしょ、散兵…)
(そんなことないよ、魔女さん)
(なんでこのメンバーなのかしら、ドットーレ…)
(細かいことは気にするな、こっちは速く実験にとりかかりたい、)
(はいはい… )
もちろん、良い結果にはならなかった。
(マッズ )
(美味しいものとは言えない…)
(甘くて私は好きだけど…)
吐きそうになった、淑女は好きみたいだけど、僕と召使いは苦手だった…とんでもないほど甘かった…
(ねぇ…実験に付き合ったのに、なんだいこれは💢)
(なんだ、実験に失敗しただけだ)
(ふ、可愛いわよ、散兵)
(……私も成功だ…)
(僕だけ失敗…なんなら猫耳つき…)
(ふむ…やはりスカラマシュとの接続は難しいか…)
(ここ全員散兵って呼ぶのに、君だけスカラマシュって呼ぶよね…)
(名前はそこまで関係ないわ…)
(見てる人がわかりにくいだろ、)
(メタいぞ、スカラマシュ、)
(いや…原神知らない人さ…僕の名前は散兵って思ってるのに、博士がスカラマシュって言ったら、スカラマシュだれ?ってなるだろ…)
ゴン!
(いったぁー、 )
(棒読みね…)
(いい加減メタ発言やめろ…)
(あ、顔色逆に悪くなってない?)
(…)
(散兵…まさかあんた…体調不良を見抜かれないようにメタ発言したのね、)
(うるさい、そのメタ発言と言う言葉事態メタ発言だから…)
(お前ら二人ともいい加減にしろ、)
(はぁ、体調不良なら言えば良いのよ、)
(うるさい、お前らなら馬鹿にする可能性あるから嫌だっただけ…)
(ロザリンが面倒を見てくれ)
(こう考えると名前多いいね…)
(まぁいいわ、博士の命令は聞かないとね…)
(僕…淑女に看病されるなら死にたい…)
(いい加減にしなさい…)
てな感じで、看病されることになった…
(で、食欲は?)
(食はいらない…)
(馬鹿ね、あったら栄養で良くなる、 )
(君こそ馬鹿?人間を倒すことがギリギリな雑魚ウイルスではなくて、僕みたいな神が作った人形を壊すことができるウイルスがいる…食べ物だけで治るわけな……)
(あれこれ言わずさっさと寝なさい、馬鹿なのかしら?)
(ウ、ケホゲホ…)
(ほら、悪化するわよ)
(うぅ…お前の言うこと聞くのは嫌だけど…そうする)
(そう、お粥作るわ…水も用意しておくわね)
(ん…ありがと…)
(えぇ、私がお粥作ってる間に着替えてなさい、)
(わか…た…)
彼をおいて、キッチンに向かった私は、お粥を作った…
(もうできたの?)
(うん、ほら、口開けなさい)
(え、平気だよ…自分で食べれ…)
(良いから、さっさとしなさい、ほら、あ~ん)
(ん…あ~、アッヅ!?)
(……冷ましたのだけど…)
(……氷入れてもらって良い?)
(えぇ…あんた猫舌だったのね、)
(わからないけど、そうなのかな…)
そして食べさせてもらって、寝た…
(少しは楽になったかしら)
(うん…)
(ついでに熱計りなさい)
(ん…冷たい)
(そう。 )
もちろん…熱が計り終わったら、すぐに奪い取る、こんな口調で話してる私だけど、私は8位、彼は6位なのだから、力では負ける…
(しゅく…じょ…)
(なによ…)
私は体温計の結果を見ていると…驚く体温だった…
(40℃、人間ではヤバい高熱ね…)
(ん…そう…なの…)
(悪化してるわね…声もおかしい…)
(はぁ…はぁ…)
(寝ときなさい、そのうち治るわ…)
(わか…た…そばに…いてくれる?)
(えぇ、あなたが望むなら、)「←可愛いかよ!?て心で思ってる淑女」
(あり…がと…おやすみ…)
(えぇ…)
普段生意気で冷たく冷静な彼が…ここまで弱るのは…彼の限界だからなのだろう…
(昨日はありがと、)
(あんたも凄いわよね、1日で治るなんて)
(うん…)
この後僕は知っていた、彼女にも警告はしてたけど、彼女の…淑女の性格は変わらず、感情だけで行動する彼女は……僕の警告通り…雷神に殺された…そう…僕の母に…今の僕は組織に通ってないし、博士や召使いとは関わってないけど、今はもう放浪者として生きてるけど…あのときの優しさには…かすかに救われた記憶がある、
(淑女…あんな言葉使いはしてたけど、あの時の思いでは…とても嬉しくて救われてたよ…できれば、この気持ちを君に伝えれば良かったけど…僕にはできる度胸がなかったな…そのぶん、君より長く生きるよ…この幸せと思える日々を…五百年の過去を捨てて…ね…)
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